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カレーライス

前回日本に来たときにはよく食べたのに今回はぜんぜん食べないものにカレーがあります。もう少し正確に言うと「カレーライス」。日本式カレーを食べなくなった。 嫌いになったわけではない、いまでも好きです。宇多田ヒカルのかーちゃんの歌に出てくる悲しみをこらえて北に去ってゆく女のひとのようであるが、ほんとうなんだから仕方がない。 こんなに切ないわたしとカレをひきさいたものの名、それをキョー ギュービョーというのだわ。 ニュージーランドやオーストラリアの人間は、自分の国の外では牛肉を食べたがらない。 ひたすら狂牛病がこわいからです。 わっしも食わん。こわいもん。 そのかわりニュージーランドにいるときは毎日毎日これでもかこれでもかというくらいビーフステーキばかり食べておる。 ラムちゃんまで手がまわらぬ。 妹も、もともとは全身これ牛肉由来のタンパク質といってもよいほどのビーフイーターであったのに、いまは元祖狂牛病国に住んでいるので気の毒にも牛肉に手が出せない。もちろん彼の国にも100%オージービーフというレストランはあるが、妹はもともと外食産業というものを頭から信用できない気の毒な人間なので、毎日牛肉を食べたくて煩悶しておる、と考えてほくそ笑んで、もとい、かわいそうである、と思っていたら、「ちょうどよい機会だから半分菜食主義にした。身体の調子がたいへんよろしい。おにーちゃんも、ばかみたいに肉食するのやめてもっと野菜食べたら?」 だそーです。 これだから優等生は好かぬ。転んでも起き上がるときは辞書を拾っておったりする。 なんでも生産的な変化への契機にしたがる。 妹よ、菜食の方が身体によい、という科学的根拠を述べてみよ。 ほら、ないでしょうが。 菜食の方が健康によい、などとは何の根拠もない主張であることを、そのへんのパチモン科学が好きなマスメディアとは違って、かしこいおまえは知っておるはずである。 おにーちゃんは、そういう非科学的な主張には耳を貸さぬ。 わっしはもともとジャンクフードが好きである。 明るいオレンジ色、とか、シンプソンファミリーの顔色より派手な黄色、とか、タッキーな色の食べ物がスーパーの棚に並んでいると、つい買ってしまう。 そんでもって風呂場の鏡にオレンジ色に染まった舌を映して悦にいったりします。 そーすると、まる一日モニにキスしてもらえないが、むかしからケーキを手に持ったまま食べることは出来ない、という。しかたないやん。 カレーライスをジャンクフードだなんて、まあ、なんて失礼なバカガイジンでしょ、と日本のひとに怒られそうであるが、初めて食べたときは、まったくのジャンクフードだと思っておった。忘れもしない藤沢の「シュクレア」という店である。 デパートの地下だかなんだかで、感じの良いおばちゃんがふたりで取り仕切っておって、見るからに「ダイジョブ」そうだったので、わっしはそこで昼飯を食べることにしたのだ。 「カツカレー、ひとつ、おねがいしまあす」というと「辛さは何倍にしますか?」 と訊く。20倍。ダイジョブデスカ?ダメなんですか? おばちゃん笑いながら、それはこっちじゃわからないんですけどね。 そりゃ、そーです。 これがうまかったのだすな。 なんだかネットリして粘性が高いカレーであって、見ようによっては味噌と並んでなにもかに似ていなくはないが、匂いが食べ物であると強く主張しているのであんまり余計なことを考えないですむ。 「英国風カレー」というのも食べたことがある。英国風のカレーならば当然インド式カレーであるか、国民性としてどっこにも共通点が存在しないスコットランド人とイングランド人がこれだけは共通に大好きな「バターチキンカレー」 であるかのはずであるが、それとはまた違うものであって、シチューをカレー化したような微妙な食べ物であった。 どばっとバターやなんかの酪農製品がはいっている、というのが定義でしょうか。 その点ではバタービーフカレーっちゅうようなもんかも知れません。 神保町の「ボンディ」とか鎌倉の「珊瑚礁」とか行ったな。 箱根富士屋ホテルのカツカレーは、なかなか好きであって何回か食べに行った。 カツカレーを気取りまくってもったいつけて出すところがなかなかおかしいが、そーゆー「ギャグでやってんのか?」なところをのぞけば、良い昼食です。 日本式のこーゆーカレーは作り方の都合上牛肉のいっちゃん危ないところがはいってしまうので食べなくなってしまいましたが、他の国に行ったときには「ご当地化カレー」というか、その国の食べ物化したカレーを食べることはいまでもよくあります。 日本の人と話していると、「カレーライス」のようなものは日本人だけが考えるのだ、と思っている人もいるようですが、あまぁーい。 同じ人間じゃもの、考えることは、同じようなもんです。 たとえばイタリア。観光の中心ではもちろんダメですが住宅地の広場に面して開いているレストランに行くと、たとえば「カレー ボンベイ ナポレオーネ」なんというメニューがある。最後のナポレオーネはレストランの名前です。ナポレオーネ風。 リゾットとカレーの混合のようなものであって、とってもうまいっす。 … Continue reading

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