アホちゃいまんねん

思えばわっしはご幼少のみぎりからずっとアホであった。

銀の匙と共にうまれたのにその銀の匙を生まれたときからスプーン曲げしていただけだと言われている。

たいへん恵まれた環境に育ちながら革命家にもならず慈善も行わず、地球の緑を守れ防衛隊にも加わらず。大半の時間を女の子のおしりを追いかけ回すのに費消した。

昔は複数のおしりだったのが最近は諸般の事情によりひとつのおしりになっただけであって本質的には変わらん。

おしりを追いかけ回していないときには何をしていたかというと眠っておった。

わっしは前にも書いたおぼえがあるが人間コアラと呼ばれるほどよく眠る。

そのうち水木しげる先生の妖怪図鑑にも載るのではないか。

もし載ったらニュージーランドのような新興国では初の栄誉である。

でもそうやって図鑑に載ってしまうとコアラがニュージーランドにいるのだと誤解するひとが出そうなので推挙されても辞退すべきかもしれぬ。

悩みますね。

以前はまる二日眠ったりしてなかなかカッコヨイ剛球一直線の睡眠であったが、最近は「妻」というひとのために夜中にアイスクリームを買いに行かされたりするので、そうもいかなくなってしまった。夜10時間くらい寝て昼間に4時間くらい寝たりする。

分散型である。

「妻」というひとが出来て朝っぱらからいちゃいちゃもんもんいちゃもんいちゃもんして暮らすようになると、「こんなことでいーのか」と考える。

念のためにゆーと、いちゃいちゃしているときに考えるのではない。

いちゃいちゃしているときはいちゃいちゃに専念しなければ相手に失礼であって、そーゆーことをすると離婚になる。

どういうときに考えるのかというと、たとえば昼寝から覚めたカウチの上である。

ひとりで窓の外の大空をぼんやり眺めながら、あの夢の中のマルディグラで食べたでかいステーキはうまかった、と思う。

頬に触れてみるとうっすらとぬれていて、涙であればよいが、よだれであったりする。

胸の上にはまだ妹が結婚祝いに買ってくれた「スペインの宗教裁判」という本が乗っておる。「おにーちゃんが、ちょっとでも浮気というようなことを考えたときはこの本を開いて来たるべき自分の運命を思いなさい」というカードと一緒であった。

この本は拷問の絵がなまなましくも無惨なのでゆーめいである。

結婚のお祝いになんちゅうものを寄越すのじゃ、と怒ってかーちゃんに告げ口したら「そーねえ、ガメにはセーラムの魔女裁判のほうが効果がありそうだものね」とゆわれた。

適切な言葉かどうかはわからぬが、わっしは比較的お金に困らない家に生まれたのがたいへんなコンプレックスであった。

自分でお金を稼いで見たかった。

「会社員」というような地道なことをするとたかが「自分で大金を稼ぐ」という下品な企画を成就するのに何十年もかかってしまうので、わっしは違う方法に賭けた。

それは意外や二年という月日もかからずうまくいってしまったが、しかし、まぎれもなく自分で稼いだ大金が出来てみると途方もなく怠慢になる、というのは計算外であった。

なんにもやる気がしねーじゃん。

遊んでばっか。

学問は実は嫌いではないが学問のひとはおおかた嫌いである。

だいたいがアジテーター体質であって、しかもひねくれたおっさんが多すぎる。

表面は穏やかなのでますます厄介である。

それでも学問に対するキョーレツなジェットエンジンがついていれば、そんなことは問題にならないが、わっしはぷよぷよしていたりふらふらしているものが好きなのであって、快適さを求めすぎる。

キョーレツなものが嫌いなんです。

学問も趣味になってしまう。

どーも、体質的に問題があるな、わっしは。

実業家や投資家というのは普通に考えられているよりも有能なひとが多いし、気持ちの良いひとが多い。初めのうち、わっしはこれが不思議でしようがなかったが事実は事実であるから、そのうち不信も去ってしまった。しかし自分がたとえば「気持ちの良い投資家」

になれるかというと、まあ、無理です。

なんで?

と言われても困るが、どうやらわっしは「一回稼いでみたかった」だけで、ほんとうにはお金にちゃんと執着がもてないようである。

これじゃ、だめじゃん、と思う。

わっしには自分の姿が映る鏡がない。

一生懸命しゃべっているのに、わっしの耳には自分の声が聞こえない。

途方にくれておって、決定的に迷子である。

いったいいつになったら、あの憧れの「ひとりで できるもん」状態になるのであるか。

知りません。

わっしがむやみやたらと本を読み、突然わずかにおそわった学問に没頭し、

あるいは突然XLフレームのピナレロにまたがって山野を疾走したりするのは、要するに、潜在的には自分を発見したいからのようである。

無明のひとであって、このまま時を過ごすと阿修羅になりかねぬ。

なんとかせねば。

ぐだぐだと、しょうこともない自分のことを書いてしまいましたが、このブログで会ったお友達のみなさまに謹んで申し上げます。

中間報告である。

モニとわっしの東京生活はかなり快調であります。

あと5ヶ月、日本にいると思う。

日本の外にいたときの印象と異なって、日本のひともやはりむやみやたらと親切であって、どうも世界中どこのひとも親切にするのが好きみたい。

こうやって日本に戻ってくる下地をつくってくれたのは、なんと言ってもこのブログにやってきて言葉を交わしたお友達のお陰なので、たまには、正面からお礼を言うべきである。

さんきゅ。

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