Daily Archives: May 30, 2008

HONDA

戦争が終わってから長い間連合王国人は日本人を忌み嫌っておった。 草の家に住んでいる癖に愚かにも石で出来た家に住む者達に石を投げたのだ。(イングランドの諺です) 世界最悪の民族と言えば日本人のことであった。 蛇蝎のように憎む、というが日本人に較べれば蛇蝎などは可愛いものである、というのが長いあいだの連合王国人の「日本人」への認識であったと思います。 本田宗一郎、というひとがいます。尋常小学校を卒業した次の年に見た「自動車」に魂を奪われて一生を過ごしたひとであった。小学校しか出ていない学のない短気なオヤジであって、町工場時代にはヘマをした社員をスパナを持って追いかけ回した、と言う。 技術きちがいである。一分に一万回転も回るバカなエンジンというのは、こーゆーひとが始めた会社でないとつくれません。 連合王国人の国民性のひとつは技術オタクが多いことです。 たとえば、わっしのかーちゃんは大好きなBMWの他に、むかしのデイムラーやE7を持っているが、 ときどきクルマの下に潜り込んで整備をするのが趣味(^^;) 特にバイクとクルマが大好きである。ハーレーなんかは嫌いです。 曲がらんし、走らん。そりゃもちろんなかにはハーレーが好きな奴もいますが、「ものがわからんやつら」と見なされる。お腹がでっぱたひとたちが多いので、もはや、前傾姿勢がとれないからだ、という説も有力である。 トライアンフ、なんちゅうのは英国的です。T120ボンネビルなんてのは、わっしも趣味である。 ホンダのバイクの音は、「蛇蝎以下」の人間にはつくれない音でした。 イギリス人は、大嫌いな日本人がつくったのも忘れてあの音に熱狂したな。 天上の音楽ではないかと思った。 マン島のレースへ押しかけた。ドカよりもかっちょいいじゃん。 日本人って、いったいどうなってんだ。 嫌なやつらが、あんなかっちょいいバイクをつくるわけねーだろ。 わっしから見ると、ホンダの成功とトヨタの成功では事柄の質がまったく異なります。 英国人のなかで「エンジンの音を聞く能力があるひとたち」は、マン島のコーナーを、まわってくるホンダのバイクのエンジン音を聞いて、なにかというと「日本人は」と言いたがるおっさんたちを疎ましく思い始めたのだ。 ホンダはやがて連合王国に工場をつくります。 宗一郎が英国工場にやってきたとき、連合王国人の役員達は、まだ当然のように一段あがった「役員昼食ステージ」でランチをとっておった、メニューも違う。 あたりまえです。 非常識にも、作業服で現れた宗一郎さんは、ステージの上にしつらえられた自分の席をちらと見ると、ずんずん下へ歩いていって、工員のテーブルに座って、さっさと食べ始めた。 「社長の席はあちらです」と言われた宗一郎さんは得意の台詞「バカ!」とも言わず、 黙ってクビをふって、その椅子にただ座り込んで、そのまま昼食を食べ続けたという。 昼食を食べながら目に涙をいっぱい浮かべていた、と主張する人もある。 「役員特別昼食席」が翌日には廃止されたことは言うまでもありません。 現在、日本なんて好きになれねーな、と思っている連合王国人でもホンダが大好きであって、実際に自分が買うときにはつい出来心でトヨタを買ってしまう(燃費がよい。壊れない。サービス体制がよい)ひとでも、会社としてはホンダに勝って欲しいとおもっているひとはいっぱいいます。宗一郎さんの「もの狂い」ぶりがアングロサクソンにはとてもわかりやすいからです。 ファラデーやなんかをもちだすまでもない。本田宗一郎というひとは、わっしにとっても ジョン・ブリッテン(John Kenton Britten) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3 や、バート・マンロー(Herbert James Munro) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC と並んで、子供の時のヒーローのひとりであった。 連合王国人が一般論として日本を云々するときには、やはりどうしても「本田宗一郎」の快活なきちがいぶりが頭のどこかに宿っている。 … Continue reading

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