Daily Archives: August 12, 2008

ピンクが好きな人

ピンクが好きな人、というのは、やや独特な共通したところがある、と思う。 少しピントがずれたような調子が外れたような、それでいて寂しい、自信に欠けたようなところがある。 パリス・ヒルトン、というひとがいる。 大統領候補マケインの宣伝ビデオにただちに逆襲してつくったビデオ があまりに冴えていたので、ひょっとしたらアホではないのではないか、という、芸能人生命に関わりそうな疑惑が出てきて話題になっている。 日本でもユーメイです。このひとは西洋のひとよりも日本のひとのほうに存在がわかりやすい。もともと、西洋ではたとえば女優は女優であって歌手は歌手であって「タレント」 といういわばテレビ版の埋め草が肥大化したような存在はあまりなかった。 パーティ、パーティ、パーティ!なひとであって、職業は「お金持ちの娘」であるというバカバカしさが人気の原因だったひとです。 やることなすこと無軌道であって、なんだか受け狙いで無軌道ぶりを発揮しているように受け取られますが、事実は逆で、もとからが無軌道・傍若無人を極めるハリウッド周りの人間の生活をマイルドにフツーのひとに受け入れられやすい形に翻訳してやってみせた。エンターテイメントの世界で成功したひとというのは、ときどき「無際限」の感覚に溺れてしまうひとがいるのであって、まさか名前を言うわけにはいかないが、わっしの知っている人でもストーーーーンになったあげく、パーティに居合わせたフットボールチーム の半分の選手と寝てしまった女優さんがいます。 わっしはたまたまゲラゲラ笑っているひとばかりの、そのパーティに居合わせて、なんだか陰惨な気持ちがしたのを憶えている。 ユーメイになってまだ、自分の姿が鏡に映った自分とぴったり重なるようにするのは難しいのかも知れません。 で、パパラッチの世にもサイテーな大活躍によって漏れでてくるそうした精神の平衡を失ったエンターテイナーの生活ぶりを、大衆番組化してわかりやすくしたのがパリス・ヒルトンという企画なのだと思います。 このひとがピンクが好きである。 アホなことを抜かすと、どうもピンクが好きな人というのは、あの色が空間に対してもっている「眩暈」のような作用が好きなのであって、いわば色彩版のシャンペンのような効果が好きなのではなかろうか。 むかし、高校生のとき好きだった女の子の部屋に招かれて行ってみたら壁もドゥーベイカバーもカーテンもシーツも全部ピンクで統一されていて、女の子というものの持つ思想の迫力に負けたことがあった。 このひとも、思い出してみると、すげー美人で頭脳優秀テニスプロ並み、というひとであったのになんとなく自分に自信がもてない、という、なりはデカイだけでパーでんねんでテニスは妹に全敗、であるのに殆ど根拠のない自信の塊であるわっしのような人間には理解不能なひとであった。 わっしは、いま、ピンクのシャツを着て、これを書いておる。 明るいピンク。 なんだかピンクの象さんにほおずりされる夢を見そうなど派手な色であって、これを着ていると頭がパリス・ヒルトンになりそうでもある。 なんで、そんな色のシャツを着てむっつりしているのかって? 嫁はんが買ってきたのに決まってまんがな。 「あっ、似合う。ガメはピンクが似合うね、よかったね。ふっふっふ」とひとりで喜んでましたが、ピンクという色彩がもつ不穏な哲学を知らんのか。 わっしは、モニがときどきドアから顔を出して「きゃっ、きゃっ!」と笑い転げるのを横目に、思い切り深刻な顔をつくって威儀を正しているところなのであります。

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