中国の人

中国の人、というのは話してみるとかなり面白い。

ずっとブログを読んでくださっている人は事情をご存じの通り、2ちゃんねるからやってきたタワケのみなさんにうんざりしたりして予定を6ヶ月繰り上げて2ヶ月いただけで日本を離れたわっしは、趣向を変えて中国のひとたちと付き合ってみることにしたのでした。

で、カンソーは、というと「こんなにオモロイひとたちだったのか」というものです。

もっと早くから付き合ってみればよかった。

「中国の人」と十把一絡げにくくるわけにはいかなくて(あたりまえだが)、もちろんいろいろなひとがいるわけですが、でもそれぞれかけ離れた強い個性の奥に、やっぱり共通したものがある。

友達の紹介で知り合いになった中国人夫妻を家に招待します。

二階の窓から「そろそろ、来るかなあ」と思って見ていると、開けてあるゲートから姿を現してドライブウエイを静々とやってくるメルセデスSがある。

「おっ、来た来た」と思ってわっしはダッシュで玄関へ向かいますね。

「こんちは元気でっか」と、わし。

「もーちろん元気元気、あんたもゲンキ?」と言うCさん。

香港のひとです。家業のレストラン・チェーンを継いで、ほんでもってガソリンスタンドとかスーパーマーケットもやっている。

お金持ちである。 小金持ちのコガネムシ。

くるまから降りてパシっと立ち止まると家のファサード(日本語でなんというかわからん)を正面から腕組みして眺めて、「いやあ、すごい家ですなあ」とお世辞を言う。

ここまではニュージーランドのひとと変わりません。

次の瞬間、「この家、いくらだった?」 と訊くので、わっしは玄関の砂利の上にコケそうになってしもうた。オッサン、そんなこと、訊くかよ、ふつー。と考えて「はっはっっはの、は」と笑ってごまかす、わし。

モニが玄関先に現れると、「どっひゃあー、美人の奥さんですなあ。うっひゃあー」 と言う。目をまるくして、ちょっと突っついてみたそうな様子です。

「この奥さん、いくらだった?」 と訊きそうな不吉な予感がしたので、手をとってゴーインに家のなかへ連れてゆきます。実はモニはタダだったので、それをCさんに正直に言うと「タダ?ははは。じゃ、ぼくが持って帰ります」と言いそうだったからである。

モニは奥さんを案内してつづきます。

この「いくらだった?」 攻撃は食器について家具についてラグについて間断なく発せられて、そのたびに笑ってごまかすのは大変であった。めんどくさい。

Cさんは、ノーラビッシュ、余計なことがなんにもないひとであって、わっしの育った世界の基準では気が遠くなるくらい失礼なひとである。

しかも、自分のクルマとかボートとか、そーゆーことになると、自慢がとまらなくなって爆走してしまう。奥さんとモニが別室に行ったときなどは、自分の「若くてムチムチ女子留学生日本人」の愛人の自慢までする。

(どうも「若い日本人の愛人」というのはメルセデスと同じで中国のお金持ちのあいだの流行らしいふうであった)

なんだか、Cさんが、たるんだ腹を揺らせながら目の前でストリップを始めて下着に手をかけだしたような感じであって、わっしは少なからずローバイします。

おっちゃん、「秘すれば花」という言葉を知らんのか。

しかし、ノーラビッシュ、である。

ストレートであって、自分が何を考えているか隠さない。

中国の役人の汚職を名前まであげて罵りまくってるときも、テーブルの向こう側で怖い顔で睨んでいるモニに気づかず ヨーロッパ人は思い上がっておる、と拳で机を叩いて演説するときも、 調子はみな同じであって、なーるほどなー、こりゃ良いな、と思わせるところがあります。まっすぐである。

迫力がある。

わっしが子供の頃、日本の人が日本文化について説明したりする機会があると、その日本人が退場したあとでほぼ必ず中国のひとが「いま、あのひとはこう言ったが、実際は日本文化、などというものは、この世にはありません。あれは、みんなくだらないパチモンであって、ぜーんぶ、中国のマネです」と説明して歩いておった。

子供心に、そーゆー中国の人たちが鬱陶しくて、それで中国のことに長いあいだ興味がわかなかった。2チャンネルのひとたちが、あれほど、わっしをうんざりさせなければ、一生中国に興味をもつことはなかったはずで、それを考えると2ちゃんねるのひとびとに感謝しなければなりません。

わっしの単純な頭に描かれてあった世界地図には東アジアには日本しかなかったのですが、(考えてみればあたりまえも良いことろだが)ほんとうは中国のことも日本と同じくらい勉強しておくべきでした。

叔父一号が「せっかく日本に行くのだから中国語や韓国語も勉強しなさい」とうるさいくらい言ってきていたのは正しかったのでした。

興味をもって学習してみると中国には面白いことが、たくさんあるようです。

漢文を通じての古い、現代の中国とは断絶している中国しか知らなかったわっしは、すっかり面白くなってしまって、そのうち上海に住んでみようか、と考えてます。

面白そうである。

上海に二年住んでいる友達に訊いてみると、「ガメちゃん、そりゃあ良い考えよ。すごぉーく、面白いところだから。わたしのアパートなんて先週廊下の床が崩れ落ちて5階から2階まで隣のひとが落ちた。それにさ、25メートルの素敵なプールが地下のジムにあるんだけど。

これがね、ふふふ、排水口がないの」

「排水口がない?」

「そっ、つけ忘れたんだって」

っちゅうような事例を延々と延々と話してくれました。

実際、聞いていると、滅茶苦茶おもろそうです。

まだ、ほーんのちょっとしか中国に触ってみてないのですが、案外近いうちにはマネジメントがうまい中国人と職人民族の日本が組んで経済上も西洋人が想像もしなかった経済構造をつくったりするのかも知れません。

組織の運営や意志の決定が日本のひとは決定的に下手なので、ものを作ることに全然興味が湧かないらしい中国のひととは名コンビなのではないでしょうか。

実際政治上、というか、外交教科書的にはインドの成長を助けて中国に対抗していかなければいけないはずの日本は、そういう定石的な外交をする気配は微塵もなくて欧州人を不思議がらせておる。

そうなると、中国を盟主として中国圏を形成する以外に国が生きる道があるはずがないのはほぼ自明なので、わっしだけでなく、世界中のひとが「へえー」と思って日本の生き方を眺めてます。もっと仲が悪いのかと思っておった。

わっしも、せめてロシア人たちとの付き合いの10分の1くらいの時間を割いて中国の人との付き合いを増やしてみるべ、と考えます。

中国語をベンキョーするには中国語のシブイ文学とかが少ないのがちょっと難点だけど。

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One Response to 中国の人

  1. じゅん爺 says:

    亀亀ナンジを新幹線史記も易経もあるぜよ。中国語勉強してて気がついたんだが、中国人の講師だと、中国も中国語もスンバらしい!ちゅう内容になりがちだし、日本人講師だと、中国の何々と比べて日本の何々はどうたらこうたら、ちゅう内容になりがちだな。日本人比較級を一生懸命講義するし勉強する傾向ありだよなぁ。北京に比べて東京は暑いが上海はもっと蒸暑い、なんてどうでもえーやん(怒)と思いつつ毎日ラジオ講座聴いてますがな。

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