Daily Archives: December 19, 2008

人種差別の向こう側

モニとふたりでノースランドへ行った。ノースランド、というのは高校生くらいの人たちに人気があるモールです。 わっしがガキの頃は、ひどくぼろいモールであってクライストチャーチにいくつかあるモールのなかでもいちばんビンボくさいモールだった。いまの拡大されてかっちょよくなったノースランドにはEBゲームとディック・スミスというパーツも売っているPC屋があるので、わっしは里帰りしていてオタクなものが必要になると、ときどきここに出かけるのす。スイッチングハブを買って、500GのポータブルHDD(二万円であった。通貨レートのせいで東京並みの価格である)ついでに高校生のバカガキどもの生態を観察する。アジア人留学生たちの影響(高校の校長談)で店の前に車座になって床にぺったり腰をついて食べ物や飲み物をおいて話し込んでいるガキの見苦しい姿が目立つようになった。最近の特徴的な風俗です。東アジア人たちのような座り込み方が出来ないので、お尻が冷たくなりそうな座り方です。なかにはパンダのような座り方をしているのもいる。 人前でネッキングをしたりするのもアジア人留学生カップルの影響だそうである。 高校生たちの行動の劣悪化はなんでも「アジア人留学生のせい」ということになっているが、ほんとうなのかどうか。 そのうちには人前で性交を始めるのではないか。 そーゆーときは、アジアの犬の悪影響ということにするのではないでしょうか。 ノースランドの駐車場を出てパパヌイロードを右に曲がったところで、前にいたくるまの若い衆のうちのひとりが、歩道に向かって指を立てておる。 東アジア人の女の子たちが、びっくりしたようにくるまを見ています。 「なんじゃ、あいつ?」と、正確には前のクルマで起こったことを把握できないでいぶかるわっし。 モニが面白くもなさそうに、「前のくるまの男が、アジア人の女の子のふたりづれに向かって、指を立てた」という。「なんか大声で言ってたから、『自分の国に帰れ』とでも言ったのでしょう」 みるみるうちに機嫌が悪くなるわっしを見て、モニが笑ってます。 「ガメは、いくつになっても正義の味方のスーパーマンだねえ」 「そんなことはありません」 「悪い奴らは大嫌い」 「違います。そんな子供じみた正義感はありません」 すっと手がのびてきたと思ったら頭をごしゃごしゃにするようにして「イイコイイコ」されてしまった。 うー。 その後ほっぺたにキスもしてくれたから許すが。 こんど戻ってみるとクライストチャーチの友人たちはみな挨拶の代わりのように「アジア人が増えた」「洪水のようだ」「見渡す限りアジア人だ」と言う。 えっ、このひとまでそんなことを言うのか、と思うようなひとまで、「これ以上アジア人に来られると困る」と言います。 社会全体がそういう雰囲気なので、頭に半分くらいしか脳みそがはいってないにーちゃんたちは、街のあちこちでアジア人を襲い出します。 かわいそうにトランピングの途中で襲われて殺された韓国人の学生もおった。 その一年前には日本の大学生がエーボン川に浮いていた。 オーストラリアやニュージーランドの人種差別の現状は、欧州よりは全然マシだが、アメリカの大きな街と同じくらいにはひどくなったかなあ、という程度でしょう。 ときどき「東アジア人」に対する嫌悪というものが抜き差しならないものになってくるように思われてユーウツになります。 たとえばシドニーはちょっと前までなら日本のひとが自分の皮膚の色や国籍をまったく考えないで住める街でしたが、この頃(ここ一二年)は、そーでもない。 やはり捕鯨の影響もあるのでしょうか。 日本人の戦時中の残虐さの報道がまた少ししつこくなってきた。 当然のことながら日本のひとは自分たちに向けられた人種差別にたいへん敏感ですが、わっしは日本のひとは逆になんでもかんでも「人種差別」のせいにしてしまう傾向があると思う。このブログが日本語で書かれているからではなくて、わっしが傍で観察している限りでは日本のひとはもっともアジア人差別にあわないですんでいる民族グループだと思う。 多分、「アジア人は自分の国に帰れ!」と叫ぶアホなにーちゃんたちが日本のアニメを見て育ったからです。考えてみると、ノースランドのレーシストのにーちゃんたちもマツダに乗っておったしな。 わっしはむかし、どりゃどりゃ、人種差別にーちゃんや東アジア人にーちゃんの話も聞いてやるか、と思って、どーしてそんなにアジア人が嫌いなのか訊いてみたことがある。 「容貌が醜くてかっこわるい」と言う。そう言っている本人は西田敏行そっくりなので、まあ、西田敏行に似たひとがそんなに多いとは言えないアジア人が醜いと思うのかも知れぬ。 「自分勝手で社会のルールに従わない」 「犯罪を起こす」「頭が悪い癖に狡猾である」「自分たちの学校に行かず留学してきてわれわれの教育インフラを盗みとっておる」「職業や金を掠め取るだけでまったく社会に貢献していない」「マネしかしない」「創造力がない」 いくら訊いてみても、説得力のある返事が返ってこないところを見ると、どうやらアジア人に対する激しい憎悪は、自分たちのほうに理由があるようです。 わっしが入れ墨だらけのスキンヘッドな凶悪そうなのや一見インテリ風なのや何人かインタビューしてみた後で考えた感想は、実はこういう人種差別や民族差別をいいたてる人間というのはどうやら自分の心に問題を抱えているひとが多い、というものでした。 怒りをぶつける相手が「アジア人」であっても「資本家」であっても「政治家」であってもなんであっても、どうも言うことが変わらないようである。 言うことや論理のつくりかたが、このブログに「白人死ね」とか「おまえの言うことはくだらない、(そりゃ、まあ、くだらないんだけどね)、賢いおれさまのいうことを聞け」とかわざわざ書いてよこす人たちや、このブログを書き出して以来、3年間、ずぅーと、2chにわっしの悪口を書いたり、コピペをして煽ったりしているひと(こうやって書いて考えてみると、このひとはこのブログのものすごく熱心な読者なわけで、ヘンなひとです)と精神構造はまったく同じで、社会に対する適応障害の現れである。 問題なのは、通りを歩いているアジア人に指を突き立ててみせたりしないほうのひとたちで、このひとたちと話してみると、「結局アジア的価値観と西洋的価値観は決定的に相容れないのだ」と考えている。 あいだを省いて言うと、いまの世界の背骨をつくっている西洋的な「寛容論」に深刻な疑いをもってしまっているように見えます。 … Continue reading

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