Monthly Archives: January 2009

帰還

ニュージーランドという国をわっしは愛している。 わっし向きの国なんです。 前にも書いたがバート・ムンローの物語を観てみると良い。 ブリッテンの物語を、読んでみると良い。 ニュージーランド人たちは、素晴らしい。 ニュージーランド人たちについての物語はどれも、人間の存在の孤独さや人間が孤独であるということの栄光に満ちています。 人間というものが孤独な存在であることを知っているから、「仲間意識」が出来る。 お互いへの慈しみが生まれる。 そういう人間というものの存在への機微がニュージーランド人ほどよく判る人間の集団はないと思う。 このブログにも何回か登場した、わっしのバカ友達であるデブPは、ニュージーランド人のことを「ア・バンチ・オブ・ファニー・ピープル」と言う。 おんぼろ飛行機を修理して飛ばして墜落して死んでみたり、ヨットでタスマンを横切ろうとして韓国船に跳ねられて死んだり、英国民を守るために砂漠で枕を並べて討ち死にしてみたりで、死に方までなんだかヘンである。 悲しいことがあると、ニュージーランド人は誰もいない海岸にドアがつぎはぎのボロ車に乗って出かけて行って泣くであろう。 嬉しいことがあるとニュージーランド人の家族は月の光があたる牧場のポーチに出て、黙ってパドックを眺める。 友人の家族が死んだ日には、ニュージーランド人はその友達の家に出かけて行って、友達の背中に手をまわして声を出さないで一緒に泣くに違いない。 ニュージーランド人は、不器用で感情をうまく表現できない一団のひとびとなのでもある。そーゆーところは日本のひとにとてもよく似ています。 カタロニアのひとたちにも似ている、と思う。 きっと、そういう「不器用な文明の形」というものが、この世界にはあるのでしょう。 わっしはニュージーランド好きが昂じてニュージーランドのパスポートを持つに至った。 「自称ニュージーランド人」になった。 一方、「連合王国」という国は、わっしの嫌いな国です。 わっしは自分を「スコットランド人」である、と思っている。 父親はイングランド人なので、イングランド人と思っても良さそうなものですが、 そーは思わんところが微妙である、と自分でも考えます。 「連合王国人」とは、なんであるか。 根性が悪い人間の集まりである、ということは全ヨーロッパに知れ渡っておる。 世界の観光業者が嫌いな国民のコンテストでも、二位の中国人や三位のフランス人に打ち勝って堂々の一位に輝いた。 中東やアフリカの混乱の原因をつくった。 遙々中国に出かけて行って四庫全書を砲車の下敷きに使った。 インドでは職人の右腕を切り落として右腕の山を築いた。 まったく、どーしよーもないひとたちです。 モニとわっしは明日、連合王国に向かって出かけるので荷造りに忙しい。 わしらの家に向かって12箱を送り出した。 どひゃあ、ちかれたび、と思ってカウチでのびているとモニが横に座って 「ガメよ、きみは自分が十分楽しそうにしているのを知っているかね」と言います。 そう? 「まるで故郷に帰るひとのようである」 自分では判らないが結局わっしは連合王国人にしか過ぎないのかも知れません。 人間はどのくらい意志的に文化を選べるのだろう、とわっしはよく思います。 わっしはダブルミーニング、トリプルミーニングを志す連合王国の文化、たとえばビートルズを軽蔑しますが、それも結局は自分が属しているものへの嫌悪なのではないか。 わっしはときどき(きみは笑うだろうが)セビリヤの女に生まれて、眉間に皺を寄せたクソマジメな顔でフラメンコが踊れたら、どんなに良かったかと思います。 … Continue reading

Posted in 連合王国 | Leave a comment

誤訳

日本語では「I miss you」と言えない。 日本人の感情世界に「I miss you」という感情が存在しないからです。 逆に、 わたしはガメです わっしはガメである。 ぼくはガメだ わたくしはガメでございます われはガメなり おれはガメじゃ わたしはガメである 吾輩はガメだ あたしガメよ おらガメだ 余はガメなり おいらガメだい は、どれも英語では言えない。 全部、 I am Gamay. になってしまう。 英語国民にとっては、もっと切実に不思議な例もあります。 誰かが死ぬと、わしらは I’m sorry for your loss. と言う。 日本語では、どう言うか。 「ご愁傷さまでした」? おくやみもうしあげます、だろうか。 どちらにしても、自分の知っている人にとても近しいひとが死んだときに人間が当然感じる強い感情を表現してはいません。 I’m sorry for … Continue reading

Posted in アメリカ | 2 Comments

シリコンバレーの午後

昼食時。レストランの壁際の席に座ってモニとわっしが赤ワインを飲んでいると、二つ向こうのテーブルに座っていた見るからにジプシーな家族の、おおげさにでっかいコートにくるまったおばちゃんが隣の席に座っていた東アジア人ふうのおばちゃんに 「10ドルであなたの将来を占ってあげよう」と言ってます。 おばちゃん、こーきゅーレストランで客引きしちゃいかんやん、と思って眺めていると、 意外や、東アジア人ふうおばちゃんは気を惹かれた様子である。 ジプシーおばちゃんに、「あたるのか?」と訊いてます。 おばちゃんは、「あたります。ほんとうは50ドルなんだけどね。今日は10ドルでいいわ」 不況なので占いも80%OFFなのだな。 ジプシーおばちゃん、「わたしはスペイン人だが、あなたはどこから来たの?」と言う。 「トルキスタン」 へえ。 盗み聞きして思わず感心しているノージーな、わっし。 わっしの後ろの席ではアジア経済の研究者のおっちゃんが、中国人(移民ではなくて、中国のひと、と思う)のガールフレンドに熱心にワインの話をしておる。 モニは、まぶしそうに目を細めて冬の鋭い日射しがさしているレストランの庭を眺めています。 モニと、わっしは、まだシリコンバレーにいる。 シリコンバレーにいて何をしているのかというと、お仕事をしているのです。 あっ、こら、そこな君よ、いま笑ったでしょう。 ほんとうに仕事だってば。 一日に1時間くらいだけどね。 それでも仕事は仕事です。 モニとふたりで並んで座ってアメリカ人の解説を聞いているだけではないか。 内容のほうは、あんまり聞いてないが、プレゼンテーションをするアメリカ人って新興宗教教団の広報係みたいだのお、と思う。アー・ユー・ジョーユー? なんちて。 お仕事が終わると、モニとふたりでクルマで出かけます。 大学町を散歩する。 Fry’s(コンピュータ・家電屋さんだす)に行く。ブルーミングデールズ(デパートどす)に行く。 食事に行く。 夜中になると空気が冷たくて気持ちがいいので散歩に出かけたりもします。 モニは夜の遅い時間になると絵を描いておる。 手紙を書いていることもあります。 わっしは遅い時間はテレビを観ておる。 えーっ、テレビ嫌いだってゆーてたやん。 そっ。テレビは嫌いです。あんなものは下品である。 でもThe CloserとかLaw & Orderとか Without a traceとか見ないわけにはいかむ。 仕事のうちです。(ウソだけど) … Continue reading

Posted in アメリカ | Leave a comment

捕鯨戦争(Whale Wars)

合衆国で人気のあるテレビシリーズのひとつに「Whale Wars」というのがあります。 日本でもやっているのでしょうが、合衆国では人気番組である。確か(わっしの記憶が間違ってなければ)特番としてやったのが受けたので、シリーズ化されてシーズン1が終わってシーズン2をやっているところです。 番組のサイト http://animal.discovery.com/tv/whale-wars/about/ を見てみると、金曜の夜9時からの番組です。 合衆国の「ゴールデンアワー」は日本よりも遅い時間帯なので、ほぼゴールデンアワーの中心に位置してます。iTunesでも買える。合衆国のクレジットカードがないとダメですが、一話1.99ドルです。 「残虐で嘘つきな日本人に対決するシーシェパードという海の英雄たちの物語」であって、 調査捕鯨船追跡中に日本人狙撃者と思われる狙撃手に狙撃されたりする。 それでも悲壮な決意で捕鯨を阻止せんと立ち上がる海の英雄たちの物語は、ディスカバリチャンネルの近来にないヒット番組、なんです。 卑劣で傲慢な日本人の手にかかって海を血に染めて死んでゆく鯨たち。 その裏では「調査捕鯨」というものが、いかにインチキであるか数字を挙げて説明がされてゆきます。 きみは、その番組を毎週観ているのか、って? 観ませんよ、そんなもの。 このブログを前からよんでいるひとは知っていますが、わっしはシー・シェパード嫌いだもん。捕鯨に対する意見ももう何回も書いておる。 http://d.hatena.ne.jp/gameover1001/20071226/p1 http://moa2008.wordpress.com/ http://d.hatena.ne.jp/gameover1001/20080314 日本語ブログなのに英語で書いてあるのが混ざっていてはだめではないか、って? だって、このころはバカなひとがいっぱいやってきて、「バカのひとつおぼえ」の言葉通り、「白人死ね」「おまえたちにものを言う権利などないと警告しておく」とか、 そんなんばっかりで、うんざりしたので、めんどくさいから英語のまま放っておいた。 合衆国からいつもバカ書き込みをしてくるおっさんがグーグルの翻訳ページを通して読みに来たりしていたが、英語で書くとバカがこなくなる、ということがわかった。 (でも日本のことについて日本人向けに英語で書く、という行為のアホらしさは、捕鯨反対運動について抗議するのに日本語で書くのと同じくらいアホで非生産的なので当然やめちったが) いまでもオーストラリア人はもう捕鯨反対を諦めたし、合衆国人は初めから関心がないのにニュージーランド人だけはなぜ国を挙げて反対するのか。ずれているのではないか、というようなバカを通り越して読んでいる方をもの悲しくさせるくらい現実把握を誤ったメールやコメントが来ます。この頃は、バカコメントの特徴がわかるようになったので、投稿に使う名前や初めの数語で読まないでゴミ箱行きにしてますが、前は鬱陶しかった。 「捕鯨戦争」というポール・ワトソンの番組は、ちょっとだけ観て、相変わらず目立ちたがりのアホおやじやな、と思っていきなりチャンネルを変えてしまいましたが、じゃ、なんでこのブログに書いているのかというと、電話で鎌倉に住んでいる日本人の友達と話していたときのこと、 海の話から、捕鯨の話になって、なにげなくこの番組の名前を口にしたら、びっくらこいていたからです。 番組のことを見たことも聞いたこともない、というので、今度はわっしのほうが、ぶっくらこいてしまった。 そのひとの仕事が北米の世情に通じることを仕事の大きな要素としているからです。 日本のひとは他国民に較べて海外に対する関心がとても強い、というのがわっしの日本という国への印象です。当然、それは悪いことではない。 歴史上、生産性が高かった国、というのは殆ど例外なく他国民が失笑するくらい海外の文化に憧れる国でした。 合衆国も連合王国も、ご多分にもれず、「外国かぶれ」だった。 いまでいうとインドや中国がそうでしょう。 たとえば「白首」や「ABC」の話に触れるまでもなく、中国のひとの合衆国かぶれはすさまじい。 ものすごい勢いでマネをして、どんどん自分たちの文化へ取り込んでゆく。 中国の場合には「文化革命」でいったん、それまでの中国文化を徹底的に根こそぎ否定してしまったので、なおさら吸収が速いのかも知れません。 しかし。 しかあーし。 日本の場合には、ひとつだけ上に挙げた国々と根本的に異なるところがある。 上に挙げた国の国民がまず相手の国の言語を話すことから始めたのに較べて 「翻訳文化」なんです。 … Continue reading

Posted in アメリカ, 捕鯨 | 1 Comment

Milpitas (ミルピタス)

夜は「Milpitas」 http://www.ci.milpitas.ca.gov/ へ行った。 Milpitasは面白い町で名前からしていきなり間違っておる。 メキシコに行くと「Milpillas」という町がいくつかありますが、Milpitasはやっぱり、っちゅうか このMilpillasの間違いだそーである。スペイン語の語形変化、難しいからな(自分でもよく間違えるので、おもわず同情するわし) シリコンバレーの端っこであって、Adaptec とかSanDiskの本社はここにある。 Symantecとか Creative とかCiscoのデカイ支社も、ここにあります。 コンピュータ社会の柏市だすな。 戸塚みたい、とも言えるかも知れぬ。 ここには全米でだかカリフォルニアでだかで「ひとつの建物としては」最も大きい 「Great Mall」 http://www.simon.com/mall/default.aspx?ID=1250 があります。むかしはふたつの建物だったそうですが、いまはなるほどまんなかがつながっているので、ひとつの建物といえないこともない。 なかに入ると、どわあっとひとの洪水であって、みんなアジアのひとです。 タガログ語が聞こえるところを見ると、フィリピンのひともおる。 見渡す限り「白い人」はひとりもいません。 モニが、みんなアジア人だな、と言っておもしろがってます。 歩き方ですぐわかる、日本のひとたちもたくさんいます。 眼がなれてくると、ところどころ、ふたりとか三人とかコーカシアンのおっちゃんもいますが、なんとなくアジアっぽい感じのひとたちで、奥さんはアジアのひとである。 欧州にはよくある中東式のエステ(糸を使って、くるくるっ、ぴっ、と毛を抜く)の店を合衆国で初めて見た。 中国マッサージの店もあります。 モールというよりもアウトレットですが、ディテールがアジアなので見ていて飽きません。 こんなにひとが多いモールは初めて見た、とモニが眼をまるくしています。 ちょうどモニの胸くらいの高さのひともいっぱいいて、まるでノームの世界に迷い込んだようでもある。 インド人の家族連れもたくさんいます。 むふふ。 ひらめいた。 わっしは、駐車場で紙袋を積み込んでいるインド人一家に話しかける。 「この辺に、おいしいインド料理屋ないっすかね?」 「ほんもののインド料理屋?」と母親ふうのおばちゃん(60歳くらい)が聞き返すのは、「白人はパチモンのインド料理のほうが好きである」という現実の観察にもとづく感想を持っているからでしょう。聞き返してしまってから自分でも笑っておった。 「ほんものがいいっすな」と厳粛な顔でわっしは答えます。 「でも、ベジタリアンはだめでしょう? やっぱり肉がないと」 と息子(30歳くらい)夫婦が言います。 そう。これも「白人はバカみたいに肉ばかり食べたがる」という観察に基づいておる。 「ベジタリアンのほうがいいくらいです」とモニ。 「わっしもこのひとも、ドサが好きですからな」とますます厳粛な顔で答えるわし。 … Continue reading

Posted in アメリカ | Leave a comment

インスタント・ヨーロッパ

週末はカーミル(Carmel-by-the-Sea)の貸しコテージにいました。 荷物はホテルに置いていった。 広い部屋が五つあって、ガイドには「幽霊も出る」と書いてあったので夜中にモニとふたりで幽霊ごっこをして遊びました。 きゃあきゃあ言って走り回っていたので、幽霊はさぞかし迷惑であったと思う。 カリフォルニアの幽霊諸君、由緒あるラウンジを素っ裸で走り回って悪かった。 あやまる。 ごめん。 カーミルは日本で言えば「鎌倉」かもしれません。 実体のない「名前」でショーバイしておる。 その代わり訪れるひとも、恐れ多いのでお行儀よくしようとしてます。 「とても欧州的な街なんです」と店員さんやウエイトレスさんたちが言う。 「どこがじゃ」と、わっしは内心考えますが、わっしは生まれつきひとが悪いので、 にこにこと微笑みながら 「ああ、路地があるところなんかは、そーゆー感じがしますね」と言う。 店員さんは、よくわかっていらっしゃる、とばかりに激しく頷きます。 ボストンもそうですが、合衆国のこーゆー「高級な」町のご多分にもれずレンジローバーやジャガー(カタカナでジャガーと書くと、なんか間延びしたじゃがいもみたいである。せめてジャギュアにすればよかったのに)がたくさん走ってます。 わっしは合衆国によくある「フランス屋」さんにはいってみた。 フランス人上流婦人式に装ったおばちゃんふたりが愛想良く迎えてくれます。 ふたりで立ち話をしているのを聴いていると多分ベルギーのひと、奥から出てきた若い人はカナダのひとでしょう。 フランス語でやりとりをするのもパフォーマンスのうちなのかもしれません。 モニがガウンを手にとって顔を顰めてます。 タグを指さす。 メード・イン・フランスと書いてあります。 わっしにガウンを手に取らせて裾をめくってみせます。 すると、そこにはメード・イン・チャイナのタグが付いている。 店員さんを呼ぶと、わっしは「これはどこでつくられたものですか?」と訊くと、 にこやかに「フランス製です。珍しいでしょう? この頃は合衆国では、すっかり欧州製は見かけなくなりましたから」と言う。 「でも、こっちには中国製って書いてありますね」と、わっしがタグを指さすと、 顔色がさっと変わる。 「いまどういうことか訊いてきます」と店長のほうへ持ってゆく。 バツが悪かったのでしょう、そのまま戻ってこなかった。 モニがフランス語で話しているのを聞いたのも「こりゃまずいわい」と思った理由のひとつかもしれません。 この店は「フランス製」が売り物ですが、製品のほとんどは中国製であったと思う。 タグを付け変えるのを忘れているのはガウンだけでしたが、他のものも、わざわざプロバンスの職人が作るような出来のものではなかった。 通りには美しいMGAが止まっている。走り出すと、フォードのエンジンの音がします。 MGAはやたらと故障するのが欠点なので、業をにやして近代的なエンジンにマウントしかえたのでしょう。 そう言えば、ここで見たロータスエランは、どう聴いてもカローラのエンジンだったので、運転していたおっちゃんに「これは、エンジンをトヨタに変えたんすかね」と訊くと、「そう、カローラのエンジン。マウントが同じだからね。なかなか調子いいんだ」と言っておった。 町でいちばん人気の中近東料理屋はアメリカ式に味付けした料理を出して、地元の常連客には地中海式の抱擁をキスをして挨拶します。 インスタント・ヨーロッパがここにもある。 欧州風に装ったひとたちもいますが、似た顔かたちなのに不思議なほど似合わない。 … Continue reading

Posted in アメリカ | Leave a comment

シリコンバレー某所

San Luis Obispoに泊まるつもりだったが、天気が悪くなって雨が降ったり昨晩スタグリープ(この辺でとれる赤ワインです。鹿さんがラベルについておる)を2本飲んで起きてみたら二日酔いだったりモニとふたりで夜中に出かけて遊んだりの諸条件を勘案して、一日はやくまっすぐ次の用事があるシリコンバレーに戻ることにしました。 いっぺんに680キロも運転したのでちかれた。 カリフォルニアは珍しく道のりがずっと雨であった。 カタカナで「シリコンバレー」と言うとなんだか豊胸手術をしたバレリーナだけで作ったバレー団のようだが、そうではありません。 インテル社とインテル社の社員が昼飯を食べにくる某ホットドッグ屋に集まってきてインテル社員の会話に聞き耳を立てるために集まった会社で出来た地帯のことを「シリコンバレー」と言う。 ごく一部をのぞいて集まっている会社がいまやどれも落ち目なのでもユーメイです。 紅白歌合戦に集まった歌手たちを思い浮かべるとイメージとしてはいちばん近いかもしれん。 オスカーのお祭りが終わるまでロス・アンジェルスにいるという選択肢もありましたが、 南カリフォルニア地方のひとたちの精神傾向が伝染ると困るので、あわてて移動することにした。 誤解してはいかむ。 オレンジ郡やロス・アンジェルスのひとたちは、とても親切でフレンドリーである。 いろいろなひとが、あそこへ行こうここへ行こうと誘ってもくれる。 朝食のオムレツをつくってくれるメキシコ人のおっちゃんは、一日目に「わっしはメキシコのほうがカリフォルニアなんかよりよっぽど好きじゃわい」と愚痴を聞いてもらったら二日目からはオムレツの大きさが二倍になって、チーズも倍になった。 朝、顔があうと「オラ! ブエノス・ディアス! グッドモーニング、サー! 今日は元気ですか?」 と他の客がのけぞるようなデカイ声で挨拶します。 なんちゅういいやつだろう。 部屋の掃除にくるおばちゃんは、わっしがおばちゃんが掃除をしてもらいながらミゲル・ボセの音楽をがんがんにかけながら仕事をしておったら、「ミゲルが好きなのか?」と目を輝かせて訊くので、おばちゃんの手をとって「NENA」の振り付けを教えてあげたら、 毎日花が飾られるようになった。 しかしな、文明には陰翳というものが必要である、と谷崎潤一郎先生もゆっておる。 メキシコみたいに太陽がデルソルしている国ですら陰翳というものがある。 しかるにカリフォルニアはみなでニコニコテカテカしてナイスにしておる。 わっしは、バカヤロー、と考えるのであります。 カリフォルニアで五指に入るということになっているフランス料理屋で、モニが挨拶に出てきたシェフのおっちゃんに「素晴らしいがこの次フランスに行くときには味よりも魂を学ぶというのはどうか」とコワイことを言いましたが、カリフォルニアというところは、物事の根本的なところで何かがヘンである。 人間というものや文明というものを頭から誤解しているところがあります。 サンディエゴあたりの崖を降りてみると、半島の端っこにタグがついていて「メイドインチャイナ」と書いてあるのではないか。 どうも何度来てもいろいろなひとに、いくら親切にしてもらっても好きになれない土地です。 サンフランシスコといえど、本質的には同じだが、ここまで逃げてくるといくらか周りから人間の声がする。歩いている人の顔にも人間の表情をしたひとが増えてきます。 まあ、いいや。 そーゆーわけで、カリフォルニア州に対する言いがかりに近い偏見に満ちたわっしは、 サンフランシスコの南の続き部屋の隣にまた飾り部屋があって、その部屋のドアを開けるとミーティングルームがある、見ようによっては忍者屋敷みたいな部屋に泊まっておる。 これでつり天井や武者隠しがあれば言うことはないし、いろいろな使い道があって楽しいと思うがアメリカという国は歴史が浅いので服部半蔵の10分の1も面白いことをおもいつかぬ。 モニを喜ばせるために会議室の長いテーブルの上をキャットウォークで歩いて子供の時「アジアSF」で見たショーのマネをした。 このコメント欄で出来た友達PHAさんから届いたメール(PHAさんはよく考えてみて「跳ぶ」ことに決めたのだ。タイにある英語学校に行く。その後にはオーストラリアに行く。よく考えられた計画だと思います。PHAさん、かっこいい)にもっとちゃんと返事を書こうとおもったり、 windwalkerさんに記事の続きを書こうと思ったりしているうちに、 酔っぱらってしまった。 モニが部屋の柱の陰から赤いハイヒールを履いた片脚だけを見せて、ふざけておる。 たしかくるまのなかにもう一本BVがあったはずである。 取りに行って、モニと飲もう。 外は、まだ雨です。

Posted in アメリカ | Leave a comment