シリコンバレーの午後

昼食時。レストランの壁際の席に座ってモニとわっしが赤ワインを飲んでいると、二つ向こうのテーブルに座っていた見るからにジプシーな家族の、おおげさにでっかいコートにくるまったおばちゃんが隣の席に座っていた東アジア人ふうのおばちゃんに

「10ドルであなたの将来を占ってあげよう」と言ってます。

おばちゃん、こーきゅーレストランで客引きしちゃいかんやん、と思って眺めていると、

意外や、東アジア人ふうおばちゃんは気を惹かれた様子である。

ジプシーおばちゃんに、「あたるのか?」と訊いてます。

おばちゃんは、「あたります。ほんとうは50ドルなんだけどね。今日は10ドルでいいわ」

不況なので占いも80%OFFなのだな。

ジプシーおばちゃん、「わたしはスペイン人だが、あなたはどこから来たの?」と言う。

「トルキスタン」

へえ。

盗み聞きして思わず感心しているノージーな、わっし。

わっしの後ろの席ではアジア経済の研究者のおっちゃんが、中国人(移民ではなくて、中国のひと、と思う)のガールフレンドに熱心にワインの話をしておる。

モニは、まぶしそうに目を細めて冬の鋭い日射しがさしているレストランの庭を眺めています。

モニと、わっしは、まだシリコンバレーにいる。

シリコンバレーにいて何をしているのかというと、お仕事をしているのです。

あっ、こら、そこな君よ、いま笑ったでしょう。

ほんとうに仕事だってば。

一日に1時間くらいだけどね。

それでも仕事は仕事です。

モニとふたりで並んで座ってアメリカ人の解説を聞いているだけではないか。

内容のほうは、あんまり聞いてないが、プレゼンテーションをするアメリカ人って新興宗教教団の広報係みたいだのお、と思う。アー・ユー・ジョーユー?

なんちて。

お仕事が終わると、モニとふたりでクルマで出かけます。

大学町を散歩する。

Fry’s(コンピュータ・家電屋さんだす)に行く。ブルーミングデールズ(デパートどす)に行く。

食事に行く。

夜中になると空気が冷たくて気持ちがいいので散歩に出かけたりもします。

モニは夜の遅い時間になると絵を描いておる。

手紙を書いていることもあります。

わっしは遅い時間はテレビを観ておる。

えーっ、テレビ嫌いだってゆーてたやん。

そっ。テレビは嫌いです。あんなものは下品である。

でもThe CloserとかLaw & Orderとか Without a traceとか見ないわけにはいかむ。

仕事のうちです。(ウソだけど)

ロス・アンジェルスの瘴気に満ちた空気に較べると、この辺の空気はパリパリしていて、すっきりした感じで気持ちがよい。

人間が呼吸しても害がない大気である。

気温も8度から12度くらいで、モニとわっしが半袖でいるにはちょうど良い。

テラスに椅子を出して西脇順三郎のように思うのだ

明朝(みょうちょう)は もう秋だ

(って、いま真冬だったな。なんちゅう暖かい土地柄でしょう)

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