Seydou Keita, Salif Keita

友だちがテートのモダンコレクションで、Seydou Keita

http://en.wikipedia.org/wiki/Seydou_Ke%C3%AFta_(photographer)

をやっているというのでテートギャラリーに行った。

あっ、すっげえー、ほんとにやってんじゃん、と考えました。

Seydouはアフリカのマリが生んだ正真正銘の天才写真家です。

わっしが「肖像写真」というものがゲージツ足りうることを学んだのは、このひとからであった。

web上には存在しないので紹介できないのが残念ですが、このひとの赤ん坊を左手に抱えたデカイおっちゃんの写真は20世紀最大の肖像写真に数えられている。

マン・レイのようなウイットに依存した写真が本来は好きなわっしでさえ、作品を蒐集しているくらいすごい写真家である。

わっしは見とれてしまったな。

見とれているうちに写真展のサインだけでも写真に撮っておきたくなった。

テートギャラリーはどれも写真は厳禁なんです。

人の迷惑にならぬように素早く撮ってしまえばいいではないか、というひとも多いでしょう。

でも、わしはもとを正せばこの国の人間なので、そーゆーわけにはいかむ。

監視員のねーちゃんを呼び止めて、写真が禁止なのは知っておるが、わっしはサインくらい撮りたいと思うのだが、きみはどーおもうかね、と訊きます。

ねーちゃん、「テートギャラリーではすべてのテートがコピーライトを所有するものについて写真撮影をお断りしています」とゆってから、急にわしの耳に口を近づけると、

「フラッシュライトだけは特にお断りですから」と早口でいう(^^)

なんという良い奴であろう。

連合王国人のルールをよくわかっている、というべきである。

モニも笑ってます。

目が「連合王国人もなかなか良いではないか」とゆっておる。

わっしは、こねーだレストランオヤジと酔っぱらったときに刺青ハゲたちに投げつけて壊したIXYの代わりに昨日Currys(カレー屋さんじゃ、ないんだお。連合王国の有名なコンピュータの安売り屋です。デジカメが特に安い)で89ポンドで買ったOptioL60

でサインの写真を撮った。

単純なわっしは、「Keita」という姓にひきづられてアパートにもどってiPod でSalif Keitaを聴いた。

日本でも知っている人は多いでしょうが、Salif Keitaはマリの王族の直系にアルビノとして生まれた。

マリの王族は人間ではない。「神の子」です。

ところがアルビノは「呪われた存在」であって、しかも音楽家は丁度日本の「河原乞食」と同じようにインドよりも厳しいカースト制のマリの社会で不可触賎民だけがつく職業です。

だからいっそう、Salif Keitaの声は神の声に聞こえる。

マンハッタンのリンカンセンターで初めてこのひとの声を聴いたときのことがいまでも忘れられない。

言葉の意味がわからないのに涙が流れてきて止まらないのです。

わしだけではない。

周りのひとがみなそうであった。

マリの言葉で歌われる歌がまるで神の声のように聞こえるのです。

そこのきみ、「Folon」知っていますか? なぬ知らん?

それでは美しい声というものを知らないというのと同じではないか。

魂のこもった「美しい声」というものが好きな現代の人は、Montserrat Caballé 、

Concha Buika, Maria Callas, Salif Keitaの4人だけは、どーしても知らなければならぬ。

Seydou Keitaの写真を見て、Salif Keitaの音楽を聴いていると、アフリカのひとりの女のひとに起源をもつという現代の人間の文明は、この長い邪悪な期間をとおって結局またアフリカに還るのではないか、と思えてきます。

人間の不思議さは、われわれが全知全能を傾けてつくった文明よりも、こういうひとたちのひとりの声、ひとりの美貌、ひとりの瞬間の表情のほうに永遠が宿ることにある。

そうして、そういう人間の究極の価値の極限に立っているのはいつでもアフリカ人たちなのであると思う。

そう思わないって?

きみは、アフリカ人たちが集団で足を踏みならして踊る姿を見たことがないに違いない。

アフリカ人たちが、声をあわせて空に祈る姿を見たことがないに違いない。

アフリカ人の美しい女が「愛している」と呟くときの絶望に満ちた、それでいて天上のやさしさと優雅に満ちた表情を見たことがないに違いない。

「神」という言葉は、それを目撃した瞬間、異なる意味をもつのです。

それほどアフリカ人たちというひとびとは、神に近いひとびとである。

彼らの「瞬間」に較べると、われわれの「永遠」はなんと卑小なことだろう。

結局、人間が積み上げてきた文明に意味なんてあるのか、と言いたくなります。

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