食物図鑑 その6 ロンドン編

午後3時。

モニとわっしはモロッコ人のやっているモロカンレストランでワインを飲んでおる。

ものすごくおいしいヴァクラバが肴です。

もうボトルが空になったので、もうすぐアラビアンコーヒーを飲んで席を立つであろう。

「お勘定をお願いします」というと、鈴がいっぱいついた衣装を鳴らしながら勘定書をもってきてくれるはずである。

わっしはニュージーランドが好きだが食べ物だけはロンドンのほうがおいしい。

ビーフやラムはニュージーランドのほうがおいしいけどな。

調理法の洗練度とバラエティという点で、どうしても、負けておる。

マンハッタンも良いが、ロンドンのほうが食べ物はおいしい、と思う。

ロンドンよりも食べ物がおいしいところというと、わっしにはパリくらいしか思いつかぬ。

このブログを日本語で書いているからではなくて東京も食べ物がおいしい街です。

特に海鮮類がおいしい。東京の鮨屋は魚の匂いがせんもんな。

太刀魚の握りを景虎の冷やと一緒に食べたりするのはたまらん。

銀座のわしの大好きな鮨屋に行くと仲良しのおっちゃんが、「とっておき」のヒラメの縁側や「ほんもの」のタコを握ってくれます。

悪い方は、東京のレストランはワインと甘いものが弱い。

せっかく、すげーおいしい食事の終わりに20年くらい前に流行ったデザートが出てくると泣きたくなる。

第一、東京のイタリアンレストランは、何故に、わっしの好きなカントチーニ・コン・ヴィンサントを置かないのであるか。

日本人の仲の良い友達と話していると、「イギリスはすげー良い国だけど、食べ物は….うふふ」とゆーよーな失礼なことを言う。

ロンドンは丁度京都と同じように良いものはなにもかも隠してある街なので、旅行者や留学生やなんかでは、良いところにたどり着かない。

第一、わっしがよく行くレストランは全然ガイドブックやなんかには出ておらん。

(フォートナム・メイスンだけは例外だけどな。わっしは、あの半地下の「ファウンテン・レストラン」で、ぐっとくるスコーンと一緒に紅茶を飲むのが大好きである。

日本のひとがいつもたくさんいるので、きっと行ったことがあるひともいるでしょう)

ロンドンには、おいしい店がたくさんあります。

(こらっ、そこのきみ。笑いをこらえて顔を赤くするなどとは失礼である。ほんとだってば)

中華料理もポーランド料理もおいしい。就中レバノン料理屋やアフリカ料理は世界でも屈指であると思う。

わっしは元連合王国人(主観的には「元」です。なにしろ、いまは「自称ニュージーランド人」だからな)なので、ロンドンのおいしい店は気が遠くなるような数を知っておる。

それを綿綿と書いておると何千ページ書いても終わらないので、今日はインド料理屋に限ります。

なぜインド料理なのか、でしって?

わっしがプーケット島で看護婦さんと一緒に2ヶ月ゴロゴロしていたとき、わっしはスコットランド人(かーちゃんの同郷人です)のおっちゃんと仲良くなった。

おっちゃんは、とてもとてもスコットランド人であって、最後の日は革靴とジャケットという異様な姿でプーケット島のホテルのプールサイドに横になるくらいスコットランド人であった。

「ガメ、きみは、スコットランド人とイングランド人の共通点はなにか知っておるか」と言う。

知りません。なんか共通なことがあっただろうか。

「インド料理さ。あれらもわれわれもインド料理を食べる。どっちの国でも国民食だわな。他には何もない」

インド人の友達に訊くと、インドの国外で最もインド料理がおいしいのは南アフリカであって、連合王国は、その次だそうである。

連合王国人はインド料理屋を偏愛しておる。

他の欧州人は、連合王国人はスパイスの摂りすぎで頭がいかれたのではないか、と疑ってます。そのくらいインド料理が好きなのです。

カレーも、もちろん大好き。

たとえば、これは「野生のイノシシ肉のカレー」である。

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「鱒」のカレー

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もあれば、「鮭」のカレー

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もあります。

これはホタテ貝のカレー。

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伊勢エビのカレーは、結構あちこちのレストランで人気メニューになっておる。

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マトンのカレーなら、たとえば、こんな感じでしょう。

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これが日本のカレーの起源かな?と思うカレーもあります。

インドのひとは、これは「ポリッジ」(お粥)であるという。

千切りのラムがなかにたくさんはいってます。

食べると味はまったく日本のカレーであって、鎌倉の「キャラウエイ」のカレーを、もっと味を強くしておいしくしたような感じである。

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どー考えても、これが日本でいう「ドライカレー」(チャーハンみたいなほうではなくて、ご飯の上に挽肉を炒めたものを載せるほうね)の原型であるな、というのもあります。

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このカレーには本来はラムの腎臓が入りますが、試しにこれをどけてもらうと、日本の「ドライカレー」とまったく同じ味になります。

こっちは「ハイチコーヒー」という名前だったと思いますが、新宿やなんかにある、あの店の「ドライカレー」を、もう一段おいしくしたような深みのある味であった。

あたりまえかも知れないが、ちょっと日本のカレーとは違うでしょう?

レストランの雰囲気も少しく異なる。

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日本でも見るようなカレーはむかし店をひらいて、当時のメニューをそのまま守っているような店にいけば見られます。

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もうひとつ日本と異なるのは南インド料理ベースの店が多いところでしょう。

わっしの大好きな、この料理を日本で見たことがないのも、多分、そのせい。

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このまんなかのライムジュースとスパイスを混ぜてつくったソースを周りの揚げた食べ物の上から注いで食べます。これはインド料理屋のなかでも特に安いチェーンである「マサラゾーン」の名物メニューですが、

ものすごくおいしい。あまりのアイデアの良さと、不意をつかれるような味にボーゼンとしてしまいます。

タンドーリも、もちろん。

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モダンインド料理もあれば伝統的なメニューもある。

西洋料理とフュージョンさせた料理もあれば、まったくのオリジナルを作りだそうとしているインド人シェフもいて、わっしはロンドンのインド料理屋が大好きです。

食後のデザートにも、一生懸命工夫が凝らしてあって、たとえば、この写真の右側のミントの葉をそのままホワイトチョコレートでくるんだチョコは、無茶苦茶おいしかった。

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もちろんハルワやグラムジャンもあります。

わっしはみなさんがロンドンにいらしたら、まずインド料理屋に行くことをお勧めします。

たとえば「Foyles」に行って、レストランガイドを買って出かけてみるとよい。

インド料理屋であるかぎり外れは少ないはずです。

あんまりお金をかけたくなければ、ロンドン中のどこにでもある「マサラゾーン」に行かれるとよい。

それだけでもロンドンのインド料理屋の水準の高さがわかるはずです。

アマヤやオールドライブリのインド料理屋に行くのは、それからでも良い。

あー、余計な記事を書いたもんだから、インド料理が食べたくなってしもうた。

近くのインド料理屋から出前を頼もうかしら。

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