Daily Archives: March 4, 2009

夜半へ

PBと奥さんのSとモニとわしと4人で食事に出かけた。 PBはカタロニア人でSはドイツ人です。 Sは微笑がなんだかほんわりしている、やわらかな感じの知的なひとで、モニとわっしはいつもPBはラッキーである、と考える。 一歳半の子供がいるのでベビーシッターを頼んで出かけてきた。 PBとSが家ではフランス語で話しているというのを初めて知ったときには笑ってしまった。 ふたりが会ったのがベルギーの大学だからです。 ヨーロッパの大学生は週末になると他にやることがないのでいろいろな国の学生が集まって議論する。そういう場で出会ったのであって、自然議論に使われていた言葉が夫婦のあいだの言葉になった。 モニに「聴いていて、さっぱりわからないフランス語もあるでしょう?わたしたちだけのPBーSフランス語なの」と言って笑ってます。 モニはマジメな顔で「自分たちだけのフランス語があるなんて素敵ではないか」と応えてる。 火曜日の夜といっても午後9時ともなればバルセロナのレストランは超満員である。 空席があるのは余程人気にないレストランだけで、普通のレストランは待ち合わせのバーまで満員である。 バルセロナ人はだいたい9時頃から食べ始めて12時くらいに食べ終わる。 友人同士でくりだしているときには、その後どちらかのカップルが懇意にしているバーに行きます。 いつもはバーに行けないが、今日はベビーシッターの女の子(高校生)の学校が明日やすみなので4人で遅くまで遊べる。 この頃バルセロナ人に流行の金属とガラスをうまく使った現代的なインテリアのレストランの2階で、わっしはアーティチョークのてんぷらとハモンのコロッケ、それにイベリコ豚の背肉に料理したどんぐりの添えてある料理を食べた。(わっしは見栄を張ってカタラン語のメニューをもらったので、(どんぐりで育てた)イベリコ豚のステーキなのかと思ったら、そうではなくてイベリコ豚にどんぐりを添えたものであった。びっくりしちった)モニはラム、PBはトリュフと和えたスパゲッティ(とゆっても、英語で言えば「エンゼルヘア」だが)をSはマグロの挽肉でつくったハンバーグを食べた。 PBとSは行ったことがない「東アジア」に行ってみようか、と考えたのでこのあいだまで日本に滞在していたモニとわっしに話を訊きたいのです。 ペレデスのピノ・ノアールを飲みすぎて気が大きくなったわしは、最近つとに日本への学識を深めて「十全外人」を称していることを告げたうえで、さあかかってきなさい、と言います。 なんでも訊いてみなさい、知っておることはなんにもないから、とかゆっておる。 いつものことながら態度が甚だしくいーかげんである。 PBが几帳面なPBらしく、やおら帳面をとりだすと、聞き取りを始めます。 ホテルはペニンシュラがええでー、東京でレンタカー借りたらあほやで、地下鉄の駅が星の数ほど、ぎょーさんあるさかい、それを利用するのがええんや。 日本人は親切やでえ。あんさんらの大学におった日本人留学生から想像してはいかん。 日本の日本人は気が遠くなるくらい親切なんや。 見た目はぶすっとしとるけど、まあ、あれや、カタロニア人と同じ、と思えばええのちゃうやろか、話しかけてみると、もう無茶苦茶親切や、あんまり親切なんで、泣きたくなるくらい親切やど。あんなにものすごい機械的文明をつくりあげて、そのなかに住んどるのに、心はアジア人のなかでも、いっとうアジア人なんやで。 ものすごい親切や。びっくりするでえ。 モニが途中で口をはさみます。 まだ、わっしが話しとる最中やっちゅうのに。 第一あんたは日本が嫌いなので誤った印象を….. 日本人は知らない人間に対して不器用だが、あれだけ違う価値観をもった世界を築き上げてきたことをおもえばあたりまえでしょう。ちょっとした見た目は西洋の模倣だが、よく観察すると日本人は完全に自分たちだけの文明をもっている。マヤやアステカの失われた文明と一緒です。 ただ違うのはマヤンと違って日本人は自分たちの文明を完全には破壊されなかった。 武器を取って勇敢に戦ったからだと思う。 結局はやり過ぎたが初めは文明の防衛が目的だったのはほんとうである。日本に行って皇居や高尾山に行ってもしようがない。日本人だけがいくような場末の文房具屋に行くと、そこにはわたしたちの知らない「生活センス」がある。スーパーマーケットに行って野菜売り場の野菜の並べ方を見ると、見た目よりも実質をたっとぶ日本人の一面がわかる。 旅館に泊まって日本のひとが好む障子紙を通して朝日を感じて見るとよい。 竹の林を散策して光というものが日本人にとってはどんなものか考えてみるのもよいと思う。 この宇宙に対する日本人的観点が少しわかるような気がするから。 わたし自身は日本の文明と相性が良いとは思えないが、しかし、あれは尊敬に値するひとびとである。 わっしはモニの(しつこく自慢すると、わしの友人のあいだでは有名な神々しいような美しさの)顔をみつめちった。 へー、そう思ってたの? わしも初めて聴いたのう。 PBが日本人は犬小屋より狭い天井が1メートルくらいしかない家に住んでいるのはほんとうかと訊いてモニに思い切り笑われたり、日本人は世界一人種意識が強くて自分たちが世界一だと思ってるというでしょう?というSに、わしが、普通のひとはそうでもないと思う、他の国と同じ程度にはヘンな奴もいるけど、と説明したりしているうちにあっというまに時間が経ってしまった。 バーに移動してからは、フランスとドイツや連合王国やSの母親が来た国のフレミシュ、スペインの他の国とカタロニアの違いの話をした。 … Continue reading

Posted in カタロニア | Leave a comment

夜半へ

PBと奥さんのSとモニとわしと4人で食事に出かけた。 PBはカタロニア人でSはドイツ人です。 Sは微笑がなんだかほんわりしている、やわらかな感じの知的なひとで、モニとわっしはいつもPBはラッキーである、と考える。 一歳半の子供がいるのでベビーシッターを頼んで出かけてきた。 PBとSが家ではフランス語で話しているというのを初めて知ったときには笑ってしまった。 ふたりが会ったのがベルギーの大学だからです。 ヨーロッパの大学生は週末になると他にやることがないのでいろいろな国の学生が集まって議論する。そういう場で出会ったのであって、自然議論に使われていた言葉が夫婦のあいだの言葉になった。 モニに「聴いていて、さっぱりわからないフランス語もあるでしょう?わたしたちだけのPBーSフランス語なの」と言って笑ってます。 モニはマジメな顔で「自分たちだけのフランス語があるなんて素敵ではないか」と応えてる。 火曜日の夜といっても午後9時ともなればバルセロナのレストランは超満員である。 空席があるのは余程人気にないレストランだけで、普通のレストランは待ち合わせのバーまで満員である。 バルセロナ人はだいたい9時頃から食べ始めて12時くらいに食べ終わる。 友人同士でくりだしているときには、その後どちらかのカップルが懇意にしているバーに行きます。 いつもはバーに行けないが、今日はベビーシッターの女の子(高校生)の学校が明日やすみなので4人で遅くまで遊べる。 この頃バルセロナ人に流行の金属とガラスをうまく使った現代的なインテリアのレストランの2階で、わっしはアーティチョークのてんぷらとハモンのコロッケ、それにイベリコ豚の背肉に料理したどんぐりの添えてある料理を食べた。(わっしは見栄を張ってカタラン語のメニューをもらったので、(どんぐりで育てた)イベリコ豚のステーキなのかと思ったら、そうではなくてイベリコ豚にどんぐりを添えたものであった。びっくりしちった)モニはラム、PBはトリュフと和えたスパゲッティ(とゆっても、英語で言えば「エンゼルヘア」だが)をSはマグロの挽肉でつくったハンバーグを食べた。 PBとSは行ったことがない「東アジア」に行ってみようか、と考えたのでこのあいだまで日本に滞在していたモニとわっしに話を訊きたいのです。 ペレデスのピノ・ノアールを飲みすぎて気が大きくなったわしは、最近つとに日本への学識を深めて「十全外人」を称していることを告げたうえで、さあかかってきなさい、と言います。 なんでも訊いてみなさい、知っておることはなんにもないから、とかゆっておる。 いつものことながら態度が甚だしくいーかげんである。 PBが几帳面なPBらしく、やおら帳面をとりだすと、聞き取りを始めます。 ホテルはペニンシュラがええでー、東京でレンタカー借りたらあほやで、地下鉄の駅が星の数ほど、ぎょーさんあるさかい、それを利用するのがええんや。 日本人は親切やでえ。あんさんらの大学におった日本人留学生から想像してはいかん。 日本の日本人は気が遠くなるくらい親切なんや。 見た目はぶすっとしとるけど、まあ、あれや、カタロニア人と同じ、と思えばええのちゃうやろか、話しかけてみると、もう無茶苦茶親切や、あんまり親切なんで、泣きたくなるくらい親切やど。あんなにものすごい機械的文明をつくりあげて、そのなかに住んどるのに、心はアジア人のなかでも、いっとうアジア人なんやで。 ものすごい親切や。びっくりするでえ。 モニが途中で口をはさみます。 まだ、わっしが話しとる最中やっちゅうのに。 第一あんたは日本が嫌いなので誤った印象を….. 日本人は知らない人間に対して不器用だが、あれだけ違う価値観をもった世界を築き上げてきたことをおもえばあたりまえでしょう。ちょっとした見た目は西洋の模倣だが、よく観察すると日本人は完全に自分たちだけの文明をもっている。マヤやアステカの失われた文明と一緒です。 ただ違うのはマヤンと違って日本人は自分たちの文明を完全には破壊されなかった。 武器を取って勇敢に戦ったからだと思う。 結局はやり過ぎたが初めは文明の防衛が目的だったのはほんとうである。日本に行って皇居や高尾山に行ってもしようがない。日本人だけがいくような場末の文房具屋に行くと、そこにはわたしたちの知らない「生活センス」がある。スーパーマーケットに行って野菜売り場の野菜の並べ方を見ると、見た目よりも実質をたっとぶ日本人の一面がわかる。 旅館に泊まって日本のひとが好む障子紙を通して朝日を感じて見るとよい。 竹の林を散策して光というものが日本人にとってはどんなものか考えてみるのもよいと思う。 この宇宙に対する日本人的観点が少しわかるような気がするから。 わたし自身は日本の文明と相性が良いとは思えないが、しかし、あれは尊敬に値するひとびとである。 わっしはモニの(しつこく自慢すると、わしの友人のあいだでは有名な神々しいような美しさの)顔をみつめちった。 へー、そう思ってたの? わしも初めて聴いたのう。 PBが日本人は犬小屋より狭い天井が1メートルくらいしかない家に住んでいるのはほんとうかと訊いてモニに思い切り笑われたり、日本人は世界一人種意識が強くて自分たちが世界一だと思ってるというでしょう?というSに、わしが、普通のひとはそうでもないと思う、他の国と同じ程度にはヘンな奴もいるけど、と説明したりしているうちにあっというまに時間が経ってしまった。 バーに移動してからは、フランスとドイツや連合王国やSの母親が来た国のフレミシュ、スペインの他の国とカタロニアの違いの話をした。 … Continue reading

Posted in カタロニア | Leave a comment