忌野清志郎

清志郎が死んだ日に書いて2時間くらいここにあったブログの記事を見て、「どうして消してしまったのですか。結構良い記事で好きだったのに」とゆってきてくれたひとがあったが、なんで削除してしまったかは自分でもわかりません。

夜中の、しかもたった二時間で60人くらいのひとがめざとく見つけてやってきたのがなんとなく嫌だったのかもしれません。

第一、記事どんなんだったかなあー、と思ってキャッシュを見てみたが、他の記事を上書きしたのでキャッシュも残っておらない。

忌野清志郎は多分コードを3つくらいしか知らなかったでしょう。

でもいい曲を書いた。

わっしはマイナー進行の曲が嫌いなので、その点でも好きでした。

日本の忌野清志郎と同じ世代の音楽でマイナー進行の曲を意識して嫌っていそうだったのは井上陽水と忌野清志郎、くらいだと思います。

意識して、「日本人の心に迫る」チューンを避けていたのではないか、と想像します。

わっしが割と真剣に好きな日本の歌手は高田渡と忌野清志郎と浅川マキと3人くらいしかいないが、もう、そのうちふたり死んでしまったわけです。

くだらないことをいうと歌詞を聴いていると、「お酒を飲むとすぐ顔が真っ赤になる」「胸焼けがする」「喉がかすれる」というところがよく出てくるので、清志郎を知らなかっシャチョーにRCサクセションの説明をしたときに「ああいうひとは、喉頭癌になりやすいってゆう」と言ったのをおぼえています。

その一ヶ月後に、喉頭癌に罹った、というニュースが流れたのでした。

去年、左腸骨へ転移したと聞いたときには、わっしは、どういうか、我慢できないような気がして、夜中にひとりで大酒を飲んでしまった。

知識のある人間のいやらしさで、「あっ、もうダメだな」と思ったからです。

ウイスキーをコップで飲んでいるうちに外の景色が液状化してぐしゃぐしゃになった。

わっしが初めて清志郎を聴いたのはかーちゃんシスターと義理叔父のクリスマスプレゼントでした。RCサクセションから清志郎のCDとレコードが全部はいっているかーちゃんシスターが手作りのラックをもらった。

いつもはおちゃらけたおっちゃんである義理叔父が、妙にマジメな顔で

「あのね。おれは、ガメみたいなひとが日本語に興味をもってくれて嬉しいんだよ。

おれたちを助けてくれよ」とゆったので、吹き出してしまった。

義理叔父はそーゆー義理甥の不誠実な態度を見て少し寂しそうな顔をしておった。

それから暫くは家の隅にほっぽったままでした。

いちばん初めに聴いたのは「甲州街道はもう秋なのさ」だったな。

もっているCDはみんな聞き飽きたような気がしたので日本語の歌でも聴いてみんべ、ともって出かけたクルマのなかでした。

カンタベリのバカみたいにまっすぐなオープンロードを走りながら「シングルマン」を聴いた。

びっくりしました。

これでほんまに日本のバンドかいな、と思いました。

家にかえって他のアルバムも聴いてみた。

「トランジスタラジオ」はどっからどう聴いてもバックは完全でしかも正確なジャズであって、それが「日本語」と違和感なくチューンをなしているのです。

その夏、メルボルンにいるあいだじゅう、わっしは、「楽しい夕べに」と「初期のRCサクセッション」を聴いておった。

「もっとおちついて」と「九月になったのに」に痺れました。

ヤラ川のほとりを歩きながら、「この世は金さ」を鼻歌に歌いながら歩いていて、聞きつけたおばちゃんやおじちゃんにヘンな顔をされたりした。

「甲州街道はもう秋なのさ」は、こんな歌詞です。

たばこをくわえながら 車を走らせる

甲州街道はもう秋なのさ

ハンドルにぎりながら ぼく半分夢の中

甲州街道はもう秋なのさ

もう こんなに遠くまで、まるで昨日のことのように

甲州街道はもう秋なのさ

ぼく まっぴらだ

もうまっぴらだ

これからは来ないでくれないか

ぼくもうまっぴらだよ

うそばっかり

うそばっかり

うそばっかり

うそばっかり

ハンドルにぎりながら ぼく半分夢の中

甲州街道はもう秋なのさ

どこかで車を止めて、朝までおやすみさ

甲州街道はもう

わっしは「日本のひとにもソウル、あるやん」とあたりまえのことを考えた。

実は、それが北村透谷から少しも先にゆかなかったわしの現代日本文化への興味をもった初めだったのです。

鎌倉で義理叔父が持っていた清志郎の出演番組の録画ビデオを観ていたら、

「趣味はなんですか? お家にいるときはどんなことをされているんでしょう」というアナウンサーに

「自分が出ている番組のビデオを観てます」

と清志郎は答えておった。

あまりのことにシーンとしてしまったスタジオを取りなすように

「かっこいいなあー、と思って」と清志郎がいうと、清志郎よりも30歳くらい若いタレントたちが苦笑します。

わっしはそのとき清志郎はなんてカッチョイイおやじだろうと考えました。

清志郎、雲の上にひじをついて自分の出演した番組のビデオ観てるかなあ。

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