通のマスメディアを持つ不幸

「そんなことは、いやしくもマスコミの人間なら誰でも知っていた」と、いろいろな「ジャーナリスト」があちこちで書いてます。

前からブログを読んでくださっているひとたちは、わっしの趣味のひとつが

「過去の雑誌の蒐集」であることをおぼえているであろう、ちゅうか、おぼえていてね、さんきゅ。

雑誌は正直である。

ひとつには、まさか自分が雑誌に書き飛ばした記事を40年経ってすみずみまで読むやつがいるとは思わないからかもしれません。

「覆面座談会」や「今年の総括」で記者たちが何を「知っていた」と話しているのかというと「田中角栄がロッキードから賄賂をもらっていること」乃至は「首相が賄賂をあちこちから受け取っていたこと」であって、当時の政治記者の「常識」だったそうである。

では、なぜ書かなかったか。

日本人の友達に訊いてみると、

「番記者」制が理由だという。

特定の政治家に特定の記者がはりついて「お話を聞かせてもらう」。

毎晩食事は政治家がおごってくれる。

秘書たちと麻雀卓を囲む。

頼まれもせんのに使い走りを買ってでるバカまでいるそーだ。

そうやって「政治家的世界」に同化していった記者は日本の政治世界の楽屋裏について俄然「通」になってゆきます。

あのひとは、いまこーゆー状態で立場がこうだから、「ここなら勝てる」というのは「あそこでは負けるに違いない」という意味だ。

「善処する」と、あのタイミングでいうのは「拒否する」という意味である。

そんなこともわからないで政治を語るな。

音楽屋のバンスや鮨屋のガリどころではなくて、文章がまるごと符丁であったりする。

広い意味で隠語的ギルドを形成しておる。

記者クラブに象徴される現代日本式大本営発表の完成です。

わっしがワインで酔っぱらってモニとふたりで遊んでいるあいだに日本ではLDPが惨敗して民主党が大勝したもののようである。

第一報は「日本人、改革を望む気持ちを表明」

みたいなものだったが、そのうちに会員制ニューズレターのようなものを通して、

日本のマスメディアがいっせいに「小沢支配への移行」をニュースにしだしたことを伝えてきます。

日本のメディアは選挙に強い小沢なしに民主党はたちゆかないであろう、と報じているという。

どうやらこれは「改革」などというものではなくて日本人の過去への退行であるらしい、

と外国人たちは考えだします。

賄賂で失脚したはずの小沢一郎がなぜどうやって国政を支配できるのか、長くわかりにくい解説が続いたあとで、参考として「田中角栄の闇将軍支配」の解説が添えられている。

結局、ニューズレターを読んでいる方は、なあーんだ、日本はいつもの後ずさりを始めただけなのか、と思う。

選挙にでかけた日本人の意思はマスメディアの段階ですりかえられて、いつのまにか「国民が雪崩をうって小沢一郎のような旧タイプの政治家を支持した」ということになってしまった。

選挙のあと、日本語サイトを読むと、そこには「小沢一郎の大勝利」が描かれておる。

呵々大笑、を絵に描いたような破顔の小沢一郎が写真に映っています。

小沢一郎というひとは、小泉純一郎と並んで日本国内での評価と国外での評価が極端に違うひとです。

小沢一郎への評価は、ちょうど自殺した韓国の元大統領盧武鉉への評価とうりふたつである。

どちらが実像かは判りませんが、たとえばワシントンDCのアジア部門で働く人間にとっては「約束を守らない男」「信用できない政治家」であることが常識であって、もっとも聞きたくない名前のひとつでしょう。

新中国派にとっては千載一遇の日米同盟を破壊するチャンスである。

多分、これから先、合衆国は主要な局面で中国のみを軸としたアジア外交を強いられるに違いない。日本を外すこと以外に選択肢があるとは思えない。

しかし、と日本の政治にはほとんど興味がないわっしですら思うのです。

ちょうど日本のマスメディアが「世界」についての虚像を国内に流し続けてきたように、

今度は同じ回路を逆にたどって世界に向かって「玄人にしかわからない政治世界」を日本人がいっせいに支持した、という事実と異なるメッセージを世界に伝えているだけなのではあるまいか。

いったい何のためにマスメディアはいわば日陰の楽屋裏の事情にしか過ぎない「小沢一郎の闇将軍誕生」を表の世界の記事として伝える必要があるのでしょうか

今度は小沢一郎のおごりで料亭にいくためなのか。

ヨイショすると本人にお近づきになれて、真の報道に近づける、ということなのでしょうか。

民主党が政権につくこと自体はわっしの非政治頭では長期的には日本にとって必要なことだと思います。「民主党が政権をとる」ことよりも「自民党がいったん退場する」ことが、きっと日本のひとの投票の主眼でしょう。

それ自体は、日本という国の民主主義が60年をかけて、そこまで成熟した、という証拠だと思う。

しかし、そういう日本人の意思は開票日からもうマスメディアの安直な手品によって、あっさりすりかえられてしまった。

英語メディアそのものがフィルターになって小沢勝利を報道しないのがいちばんよい。

そしてその可能性は十分あるとも思いますが、そうでなければ、

いまや日本という国は国を挙げて「旧時代」のひと小沢一郎を選択した信じがたいほど愚かな国民、という印象を与えてしまう。

いまはお祝いパチパチモードでも、直ぐにそういう疑問を隠せなくなるでしょう。

なぜ日本のマスメディアは自分の国の人間のはっきりした意思を矮小化しようとするのでしょう。

とりあえず安定している政権を自分たちの意思で変えた、という日本人の意思が経済の世界では評価されないわけはありませんが、しかし、それにしても、こーゆーマスメディアが情報をつかさどっているのは、なんだか、やりきれんのう、と外野席でわっしはもうすぐ台風がやってきそうな空を仰ぐのです。

画像は、見ればわかるが日本語の参考書。

わっしは大庭亀夫会長の率いる「日本語検閲協会」の一級検定をもらったから、こっちは受けなくてもいーんです。

(ほんとうは難しいのでびびってやめた)

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About gamayauber1001

ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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One Response to 通のマスメディアを持つ不幸

  1. ursaemajpris says:

    newsing に投稿させていただきました。http://newsing.jp/entry?url=d.hatena.ne.jp%2Fgameover1001%2F20090831%2F1251686492>いまや日本という国は国を挙げて「旧時代」のひと小沢一郎を選択した信じがたいほど愚かな国民、という印象を与えてしまう。それが事実かもしれないから、私なんかは怖いんですが。

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