Daily Archives: September 14, 2009

推理小説と日本

ガキというものは人間が未熟なのでいろいろに誤解した方法を用いて世界を分析しようとする。なにしろ無明界にうごめく蒙昧な生き物の集合であるから、そんなに難しい分類はできません。だいたいふたつに分ける。 「頭のいいやつと悪いやつ」「お金のあるやつとビンボーなやつ」「もてる奴ともてない奴」。 「人間ってさあ、かしこいやつとバカなやつの二種類しかいないよねえ」なんてこましゃくれた割にぶわっかなことをいいながら学校から家に帰るガキをみかけると、人間の論理性というものはごく早くから損なわれているものなのがわかります。 いつまで経っても人類の文明が本質的には進歩しないわけである。 わっしは後年証明されたとおり人間が科学的なので、そーゆー論理的に崩壊している二分法はガキのときから用いなかった。 わっしが人生において初めて採用した二分法は弱冠五歳にして開発した「チ○チン」がついているやつとついていないやつ、であって、現実に立脚している、という点で科学的かつ強固な方法であるところがむかしからいかにわしが賢い人間であったかわかってたいへん示唆的である。 もっとずっとあとになって、この二分法も実は誤っていて人類は「チンチ○」がついているやつと、もっと違うキョーレツなやつがついているやつ、という構成であることが判明して、わっしはそれを発見した日の晩、熱を出して寝込んだが、野口英夫先生もゆうておる。 真理の発見というものは常に苦痛と犠牲を伴うのです。やむをえない。 本を読むひとびとは「人間には推理小説が好きな人間とSF小説が好きな人間のふたつの種類がある」とよく言う。 この他にときどきここのコメント欄に登場するwindwalkerさんのようにAVが大好きで本自体あんまり読まないひと、という集合もあるような気がするが、本を読む人は本を読まない人間を人間とみなさない傾向にあるので、多分、本を読まないひともいるのだ、ということは失念しているのでしょう。 推理小説が好きなひとびとは、引きこもりで引っ込み思案、穏やかで他人に対するおもいやりはあるが、やや退屈なひとびとであって、SF小説が好きな人は攻撃的で活動的、他人の悪いところは平気で攻撃するくせに自分の欠点には鈍感、なのだそーである。 こうやって書きながら推理小説好きだったりSF好きだったりする友達の顔の誰彼を思い浮かべると、この分析はあたっているような気がするが、こういう分類は血液型のような 犬でも信じない(ウソだと思ったら、そのへんを散歩している犬さんに訊いてみるとよい)ようなデタラメでも、そう思って考えるとあたっているような気がするものであると心理学の本には書いてある。 だから、そーゆー気がするだけでしょう。 と、理性的なことを書きたいのはやまやまだがなにしろ妹はSF好きであってわっしは推理小説が好きである。 性格、もろにあたってるやん。 SFが好きな奴なんてのは、異端審問官みたいなやつばっかりだとわしも思います。 他人を攻撃するのが好きであって、こーゆーやつから金を借りると、まだ2年しか遅れてないのに顔をみるたびに早う返せ、とゆわれる。冷凍庫の自分の分のアイスクリームを食べられたとかーちゃんに言いつける。 誕生日にお祝いのハムを全部食べられたとゆって、いまだに根にもっておる。 まったく、SF好きという輩はくだらん。 ちょっとコーフンしてしまった。 失礼しました。 日本人のお友達に「推理小説が好きです」とゆーと、ポアロ、とかホームズ、とかゆわれてビビります。 そりゃ、悪くはねーすけど。 どーも、あの感じは「ビートルズって、やっぱりサイコーですよね」とか 「ツエッペリンっすよ、ツェッペリン」とか、はなはだしきは眼に涙をためて「ディープパープル」なんちゃわれるときと似ておる。 いや、悪くねっす。ツェッペリンいいす。ディープパープルもよいです。 ビートルズは神様だ。 三橋三智也も春日八郎も好きだぞ。 水原弘は、もっとすごい。 美空ひばりは神様だ。 でもせめてP.D.ジェームスくらいにしてもらえると有り難いような気がしなくもない。 うまくゆえないが、「古典をほめる」とゆうのは、ヨイショ御神輿みたいで難しい感じがしねっすか? みんなでマンセイ。エブリバディズ・ハッピーでは困るではないか。 P.D.ジェームスなら、まだ、「あんなタルイ小説は好かん」とか「ダルグリッシュは高名な詩人のはずなのに、書く詩は三流以下でへんじゃん」とか議論の余地、というものがあるからな。 コーデリア・グレイのほうは、あんまり悪口を聞かないが。 日本の推理小説では、わっしはなんとゆっても「中村雅楽」が好きです。 古典的な推理小説の文法を外さずに書いているところも良ければ、物語のなかを流れる時間の具合もたいへんによい古今を通じた傑作だと思う。 この「中村雅楽」シリーズを書いた戸板康二は歌舞伎評論家だったが、推理小説家としても一流中の一流でした。 日本の推理小説は、わしにはあんまりおもしろくない。 … Continue reading

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