女だてらに

妹は、美人である。

実の兄弟がそんなことゆーか、ふつー、ときみは言うであろう。

言うのよ。

だって、ほんとうに美人だからな。

もちろん英語やなんかでは妹が読めてしまうので、こんな恐ろしいことは書かないが、

妹は欧州語には堪能であって、わっしのスペイン語のハチオンとかを腹を抱えて笑う、というとんでもないやつだが、日本語は「どうも」と「こんにちわ」と「バカ」くらいしかしらん。最後の単語は、妹が失礼な目にあったときのために、わしが教えてしんぜた。

だから、ヘーキで書いちゃうのね。

妹は、とっても美人なんです。

具体的な描写は控えるが。

むかしから男ガキどもには吾が妹に恋い焦がれる、という無益で殺生な感情に身を焼く者が多かった。お手紙を書いたり、電話してみたり、言い寄ってみたり。

ベンキョーも出来なくなって、スポーツをしなくなって、そのうちにものもようゆわんようになって、食べ物も喉を通らず、長いすにデカイ身体を縮めて頭を抱えていたりする。

「恋の病」という奴であるな。

あれはたいへん生産性が下がるよーだ。

死屍累々であったな。気の毒に。

わしに助け舟を求める根性のない奴もいくらもおった。

どうすればいいか、教えてください、という。

わっしは、そーゆーとき、おもむろに、「汝の右手になぐさめを求めよ」とゆうのを常とした。

ときどきは左手さんと浮気をしても神様はきっと許してくださるであろう。

神の御心は深く広いからな。

ただし、お右手さんにお願いするおり(あるいは日陰者の左手さん相手の場合であっても)に妹を思い浮かべたら殺す、と重々しく付け加えるのを常としておった。

兄として、とーぜんです。

妹という奴は、変態なので、男よりもムシさん、とか、ドーブツ、とか、

カガク、みたいなものが好きなもののよーであった。

夏の午後、よく裏庭のハンモックに横になって図鑑にみいっていた妹をなつかしく思い出す。

わっしがいつか、そーゆーことでは正常ではないであろう、と思って、親切にコロンボ通りの古本屋で買ってきた「プレイガール」という、ぱっと開けると金髪の逞しいにーちゃんがチ○チンを水にぷかぷかさせている、っちゅうような見開きのある雑誌をあげたら平手打ちをくらいました。

わっしは18歳だったがの。

生まれて初めて女の子の平手打ち、という必殺兵器を経験したのであった。

いてーんだよ、あれ。

テレビとかで見て想像するより、ずっと痛いんです。

それからは、妹に干渉するのはやめました。

なにしろ、まる一日、ほっぺに手形がついておったからな。

なんの話をしようとしてたんだっけ?

中庭に昼飯のサンドイッチを食べに行っていたら忘れちった。

おおそうだ、女のひとびと、ということについて話をしようとしていたのであった。

世界でいちばん最悪の選択はニュージーランド人の女と結婚することである、という。

ジョーダンで言うんだけどね。

ニュージーランドは女のひとがつおいんでユーメイなんです。

マジで強い。

会社とかに行くでしょう?

えらいひとは、たいてい女ですから。

女のひとに「男女平等」とかっちゆうと、

男と女がタイトーなのは、あたりめーだろ、バカ、とゆわれます。

ほれ、ちゃんと皿洗ったのか? トイレは? 洗濯は?

とか、あっさりゆわれます。

特にクライストチャーチの女は運動ばっかしして鍛えているので、ほそっこく見えるやつが多いが力は強いでや。

子供の時から「トランピング」なんちゃって重い荷物を背負って一日に20キロとか歩くからな。

妹もむかしノルウェー人のボート自慢のボーイフレンドと一緒にネルソンへ行ったときに、「海の男」のそやつが「じゃ、ここからは勝手に漕いで(湾の反対側にある)宿まで別々に帰ろう」とゆって妹を心細がらせようとしたら、妹は「筋斗雲」みたいなスピードでカヤックを滑らせて帰ってしまったので「海の男」はびびりまくったそーだ。欧州人のような軟弱な育ち方をしたひとびととは体力が違うねん。

男はてーへんなんねんで。

家事はだいたい男の役だからな。

一応ふたりで共同、っちゅうことになってるし、たとえばきみにニュージーランド人の男の友達が出来て、「家事を男も手伝うってほんとう?」と訊くと、

「うん、半々ですね」とか答えるだろうが、はっはっは、見栄ですよ、見栄。

ほんとうは男がやる。

あたりまえですね。

身体が大きいんだから、そのぶん家事いっぱいやってもらわなくちゃ。

他には、うーんと、どんなことをあげるとわかりやすいであろうか。

そーだそーだ。

3年くらい前に、合衆国で、自分にタンポンを買ってこいと頼んだ、とゆって女房を撃ち殺した夫がおったが、ニュージーランド人の男どもは、しばしこの男の怒りがわからなくて困りました。

だって、ニュージーランド人の嫁はんなんて「タンポン買ってきてね」とかっち、ふつーだぜ、ふつー。

そんなのふつー。

モニはぶっくらこいてたが。

もっとばらしちゃうと、週末のデートだって、押し倒しにかかるのはだいたい女のみなさんのほうです。ちゃんと男トイレに売っているコンドームを買いに走らせてから押し倒すけどな。

英語世界ではだからよく冗談で「ニュージーランド人の嫁はんは最悪である」という。

強すぎる。

女がいやさかに栄える国なのね。

ついでにいうと、夙に有名であるとは思うが、ワールドワイドにいちばん結婚したくない男の国籍人はなにかというと日本人です。

これは、だね。ジョーダンの場合もあるが、マジな場合も多いよーだ。

日本のひとはカッコワルイから、っちゅうふうに受け取る日本人留学生諸君がおったが、そーではないのよ、実は。

あばたもえくぼ、ちゅうじゃん。

わしのニュージーランドの女ともだちで、「日本人の男のあの小さいケツがたまらん」ちゅうやつもおるでな。

ちょっとかわゆい日本の男がいると一発かわいがっちゃるか、といつも虎視眈々とねらっておるよーだ。

わしなんかはでかすぎて趣味ではないと言いよる。

マジな理由は、皿洗ったりしてくれなさそうだから、ですね。

ちっこいケツがかわゆくても結婚となるとおのずからまた別なのだ。

お茶とかでも自分で淹れなさそーだから、結婚してもメンドイだけじゃん、ということですのい。

かーちゃんシスターはニュージーランド人と連合王国人を兼業しておるが、ま、ニュージーランド人とゆってもよいであろう。

しこうして義理叔父は日本人、だからな。

ははは。世界最悪のカップルです。

義理叔父に世界最悪のカップルを組んで○十年余の感想を聞くと、意外や、かーちゃんシスターにいまだにメロっているようである。

コール・ミ・メローイエロー、ですな。

なんで?

っち訊くと、「仲間だから」っちゅうようなことをゆいます。

男と女、というより、かーちゃんシスターと義理叔父は「魂二人組」なのだな。

物理的にもかーちゃんシスター(179センチ)のほうが義理叔父よりもやや背も高いし、感覚的にもそう思いやすい、とかっちゆってましたが、そっちはまあ、こじつけだろう。

でも、ゆわんとすることはわからんでもない。

妹がどんなやつと結婚するのか、あるいはしないのかわかんねーが、わしには妹が、「わたし、このひとにつくすことにしたの」っちゅうのはそーぞーできねーな。

合衆国人とか欧州人は、よくあるけどね、そーゆーの。

妹もわしも男女の関係についての意見は同じです。

両方で対等だから楽しいんです。

男から見ると「女」よりも「人間」のほうが魅力があるだよ。

うまくゆえんのう。

わっしが一緒にいたいのは、「夜の巧技な娼婦」と「家政婦」と「昼の賢母」の複合物とかでなくて、単純に「仲間」である。

信頼できて、なんでも話が出来て、「す、すまん痔がひどくなって腐ってきたからなんとかしてくれ」っちゆったら、マジメな顔で真剣に焼きごてをもってなおしにかかってくれるひとです。(注:表現上痔を焼きごてで治療できるように書いてありますが、実際にやるとえらいことになります。マネしないよーに)

天国へ行く針の穴が通れなくて困っていたら、神様に内証で通ったことにしてくれる友達こそが妻である。

話が長くなりすぎてその上それちったので、当初思案されていた要点はまた今度にするが、わっしは、日本にいて、最も嫌だったのは日本人の女のひとのマジな地位の低さでした。

性差別がひどすぎるんでないかい、と考えた。

高校生とかは人間の女っちゅうより生きたダッチワイフみたいなゆわれようである。

傷ましいことに、その社会からの多分に性的な要求に応えて見せようとする十代の女ガキもたくさんいるよーだ。

こーゆーとだね、日本のひとは、うわっと寄ってきて、それは単に日本の固有の文化の問題だ、とか、あるいは日本では社会的に地位が低いように見えるがその実、家庭内で実権をにぎっているのは女なのをしらないか、とか言うけどな。

それは違う。

たとえば給料をまる渡しするから日本では女に権力があるんだ、っちゅうようなひともいるが、ふたりで稼いでそれぞれ収入があったほうがいーんじゃないかなあー、とわっしは思う。そのために社会が子供の養育やなんかにおいて出来るだけのことをする、というほうが、わっしは好きです。

フランスとか、ベビーシッターまでタダ、だからな。

税金で払うんです。

産休で女のひとが休んだら一年後にはまったく同じポジションで雇わないとはり倒されるしな。

長くなったからやめるが、わっしは日本の政府が「労働人口が足りんから人間を一千万人輸入しなきゃ」とゆっている

http://d.hatena.ne.jp/gameover1001/20081015/1224114928

のはバカげている、と思います。

数からはいれば質と関係なく員数あわせに走るのは役人というものの習性として目に見えている。それで当座の工場労働力、とかが埋め合わせ出来たとして、移民流入による社会保障上のコストは税金でまかなうしかない。

簡単にいうと、あの計画は大企業の間に合わせ労働力を社会のコストで解決しようというとんでもない計画であって、キャノンやトヨタのような反社会的な会社の人間の頭からしか生まれてこないような計画である。

それよか人口の半分が「女」っちゅうヘンな観念の纏足をはめられたようになっているのだから、その纏足をはずしてあげればよい、と思う。

日本の政府は知らないかもしれないが女のひとも「人間」なんです、実は。

その女のひとびとの足を纏足してしまって社会のなかを自由に歩いたり走ったりさせなくしているのは、もったいなさすぎなんではないだろうか。

第一、男のほうだって自分よりちょっと劣る凹生物なんかより、もう一種類のえばってて仕事もばりばりこなすカッチョイイ日本人と一緒に暮らす方が全然楽しいと思うが。

「女らしくない」とか「女だてらに」っちゅうような、ぞっとするような表現がなくなる日がくればよいのに、と思うのです。

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5 Responses to 女だてらに

  1. bubliki says:

    白状しますと自分の人間観は1 あたしはかわいい。2 あたしは人間。3 故に人間はかわいい。以上の三段論法でして。対象の老若男女を問わずこう考えております。だから『こいつかわいくないなあ』と思っちゃったが最後そいつは人外の徒。我ながら差別的だなあ。うふふっ。

  2. まい says:

    はじめまして。とても楽しい文章で読んでいて元気が出ました。ありがとうございます。「財布を渡しているから妻に実権が」というのはあれはまったくの建前なんですね。単に面倒くさいことを押し付けてるだけです。税理士に税金対策を任せていたって税理士が主人なわけでは当然ないですよね。妻がいくら直接のやりとりをしていたって、預金通帳の名義だって証券の名義だって不動産の名義だってすべて夫名義なんです。その実態を無視して建前だけそんなことを言うのですからまったくもってあきれたものです。しかも最近は、いろいろと「建前だけ」は平等っぽく見せているため、実態としての差別状態が建前の存在によって否定される傾向まで出てきて、半永久的に差別構造が固定化されそうな勢いです。どうしたら本音レベルの差別意識まで解体できるんでしょうかね。

  3. ぽんぴい says:

    西欧って変な社会だな。女が男の頬を引っ叩くなんて、西欧の男はだらしねーな。まあ、西欧の男子は大方そういう顔してるけどな。日本では男女は違う生き物です。君がいくら大きな声で「同じ人間」だと言い張っても、違うものは違うのだよ。日本では平等という言葉をそういう時に使わん。君は日本の女が男に搾取されている様に言うが、それは思い違いだ。「ぱっと開けると金髪の逞しいにーちゃんがチ○チンを水にぷかぷかさせている、っちゅうような見開きのある雑誌をあげたら平手打ちをくらいました」あたりめーだろ! アホか!

  4. まい says:

    こんにちは。某所でのコメント、目に留めていただけたとは光栄です。過分なお言葉ありがとうございます。ガメ様の「連名口座」という概念を初めて知り、調べてみて日本では法律上認められていないということを知って2度びっくりしました。この制度、導入されて欲しいです。特にうちの場合事実婚でお財布は別なので、こういう仕組みがあると非常に便利になるように思います。30代前半より下の世代の男性はだいぶ変わって来たと思いますけど、上の世代の男性にはやはりまだ、夫という存在は妻に対するmasterでありcustomerであるという意識がある方が結構いらっしゃるように思いますね。妻は家政婦であり娼婦でありシッターでありファイナンシャルプランナーであると考えている方。業務委託をしているだけであるという自覚をお持ちならそれに対する対価を支払うという考えになるのでまだよいのですが、業務委託どころか「養ってやっている」という感覚をお持ちの方までいらっしゃるので困ったものだなと思います。最近の若い男性にはそれらの業務に人を雇うぐらいなら自分で全部やるから結婚はしないよ、と考えていらっしゃる方も増えているみたいですが。それはそれでいいんじゃないかと思います。生涯非婚率10%未満とかいう社会の方がおかしいんじゃないかと思うので。その代わり男女雇用機会均等法が施行されても一向に改善しない女性の賃金の低さをどうにかして欲しいですね。これも「建前」だけで終わっている事例の象徴ですが。専業主婦志向を問題視するなら女性の賃金が低く抑えられている(女性平均が男性平均の6割)現状にも目を向けて欲しいです……。ガメ様がご紹介してくださるニュージーランドのお話はとても参考になります。これからも楽しみにしています。よいお年を。

  5. じゅん爺 says:

    あたりまえすぎる事ダラダラ書いてあるから途中下車して、今日改めて読み直したが、ヤッパリ最後まであたりまえな事しか書いてなかった。爺は大女が好きじゃけん(ツマは小柄なのよ)、六尺豊かな女の人と色あおぐろきチンチクリン(@山本夏彦)の男が夫婦になるのを想像して、ドキドキする(変態妄想爺)。妻が夫を平手打ちかますとヤッパどめすちっくばいおれんすになるんすかね。浮世絵で見たような気がする、蝉男!になったような気分じゃなかろうか、と妄想するんよね(ワクワク)ニポンじゃプレイガール的雑誌は成立しません。だって蝉がチ○ポ水にプカプカさせてたって見たいヒトいないよ。蝉の温泉入浴シーンとかも。

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