カオスを起こす

ブラウン運動、っちゅうものがあるのを知っていると思います。

視覚的に見られるランダムな運動の代表だすな。

ロバート・ブラウンというスコットランド人のおやじが、ぶち壊れた花粉からあふれてくるちっこい粒つぶを観察していて発見した。

西洋人の考える「個人」というのは社会的には、このブラウン運動をする粒子、みたいなもんです。

基本的には一定の方向をもっておらぬ。

さまざまな条件によって運動が偏向されるが非常に大きなマクロの考えに立って「人間の社会」というようなものを考えるときには潜在的にはブラウン運動的な「個人」が頭に浮かんでいると思う。

長いあいだ具体的な市場で実効性をもたなかった経済理論が、ウィーナー過程のようなものをとばぐちにして実効性をもちつつあるのも、一見そうは考えられない「個々人」といいうものの性向が実は非常に遠い距離からはランダム的なものであるからである、と考えることも出来ます。

誰にでもわかりやすいことだと思いますが、カオス、というものにはダイナミズムがある。

ちょとしたバランスの崩壊から、いっせいに予想もつかなかった方向へ社会全体がダイナミックに動くきっかけになる。

日本のひと、というものをこのブラウン運動の粒子にたとえると、おおきく運動するかわりに定位置にいて微振動を行っている風変わりな粒子、というふうに見えることがある。

一見、まわりの影響も受けず、ロバート・ブラウンが自身が発見した運動を誤解したような「生命の根源である力」も感じられません。

しかし、わっしがこのバカブログをずううううっと書いていて、最近のコメントやブックマークのコメントを読んでいて思うのは、この細かい振動はなんだろう?と思うような、考えの日本人らしくないゆらぎ、ため息ではない荒い呼吸、怒りの叫びには至らないが、もう我慢するわけにはいかない、と思い定めたひとの声調がある。

政権担当能力なんかあるわけない、と知りながら民主党に投票したのも、同じ「微振動」のあらわれなのでしょう。

こういうことは前にもあった。

近くは幕末や1945年がそうであった。

微振動を繰り返しながら辟易していた日本人の集団のなかに根源的にはテロを理由とするカオスが生まれ、そのカオスが固定的な振動をダイナミズムのある集団運動にそっくりエネルギーを吸い上げて日本人たちは社会をあっと驚くほどの速度で様変わりわせたのでした。

この幕末のほうを先に例に挙げたので、こっちで説明しようとすると、しかし、この頃の日本には「長州」や「薩摩」という「外国」があって、この「外圧」によって変化を起こさせる、という勝海舟のようなひとの目論見があった。

そしてその目論見は相当程度、うまく行ったように見えます。

いまは鹿児島県が突然攻めてきたりは出来なくて、鹿児島とゆえど日本の一地方と化している。

「外国」の役割を演じるだけの十分な「異質性」がないからです。

では時間に期待して世代的にはどうか、というと、日本の体制的な文化というのは基本的に全共闘運動に懲りて日本から「世代間対立」というものを取り除くに腐心してきた。

その上、日本人の大好きな

「どの世代のひとにもいいひとはいる」「やくざは悪い、といっても暴力団の存在によって助かっている面もある」「役人が非効率だといってもがんばっているひとたちだってたくさんいます」「粗暴な一般化はさけるべきだ」という意見は常に正しいが、しかし、こういう論法は被支配者側の反論を骨抜きにするために支配者側が道徳としてもちだす論法の典型でもある。

これに、「あなたは一生懸命がんばっているひとたちに、そんなことをゆって恥ずかしくないのですか」というのが加われば完璧に「日本名物バネ壊し」の術、になる。

日本はむかし「百万の英霊に申し訳ないとおもわぬのか」というバカ論法で満州に思考停止したまましがみついて国ごと更地にされて、石器時代に戻された。

1946年には都会の日本人はマジで竪穴式住居に住んでいたのです。

あらっぽい一般化を慎む、というふうになると、だから「世代間の衝突によるダイナミズム」というのは期待できないのね。

そーすると、産業、だよな、とわっしは考えました。

もう全然むりかもしれないが、やっぱりIT革命を起こしてみるしかないのかも知れません。

もう、かるく3周は遅れているのかもしれないが。

やらん、っちゅうわけにはやっぱりいかんかもしれん。

でも、そんなん、いままでだって、やろーやろーとゆっても出来なかったんやん、どーすればいいか、わからんやん、というひとのために、もうすぐ出かけなければならんが大急ぎで付け加えると、

それがわからんのは「大きな絵柄」ばっかり見すぎるからどこから手をつけねければいけないのかわからなくなってしまうのだと思います。

こーゆーことから見てゆけばよい。

細かいことを見なければならん。

たとえば日本できみが会社を興すというと、まず役員報酬のようなものは従業員報酬と税制上異なる、っちゅうことに直面します。メンドクサイから説明を省くが、

いやあ今月は儲かったから給料300万円にしちまうべ、とか先月は全然あかんかったから60万円しか給料とれなくてさ、はっはっは、という日本の外ではふつーの会話が、日本のベンチャー役員からは絶対に聞かれない。

なぜか。

日本ではジョーダンみたいなことに、役員給与を毎月変えたり出来ないのね。

馬券を買うおっさんみたいに赤鉛筆を耳にはさんで「ニッケイ」をにらみながら、

来年はふけーきっちたってアメリカさんもなんとかするだろーから、イチゴーだろイチゴー。目えつぶって1500万円の報酬でいったらんかい、とか、そーゆー決め方をします。役員報酬で3000万円くらいとらなかったらオモロナイよーなもうかっちった状況になって、ほんとに3000万円とると、半分は単純に利益とみなされて、ぐわっと世界に名高い高率の法人税でもってゆかれる。

ついでに税収が減ってきたので、日本の友人の報告によると、去年からは役員報酬を決める株主総会をさかのぼってひらくことは認められん、とゆいだした。

いまどき、あんなクソ法人税でほうっぽらかしておって、「会社を興す人間が減った」とかっちたって、わしなんかは「あたりまえなんちゃう?」としかおもわんが。

これは「笑い話のように細かい話」と思うかも知れませんが、出来たばかりの零細IT企業とかにとってはたいへんな難問なんです。

「悪いことしちゃえばいいじゃん」というなら別だが。

下請けじゃねーんだから、そんなに毎月毎月決まったお支払い、みたいにして会社の収入があるわけはない。

税金のとりかたそのものがもう旧産業体制を前提にしているのです。

これで、どうやって、おれの「どおりゃあ背負い投げ、イッポン!」型のカッチョイイビジネスをやれとゆーんじゃ、と呟いて合衆国に去った若いビジネスマンも多いであろう。

いつからビジネスは有効ポイント制になったのであるか。

こうやって日本の社会というのは「小技の膨大な堆積」で社会のありようをコントロールしているのね。

社会がどうやってここまで個人を直截掣肘しているか、というのが日本では見えにくいのはこのせいである。

為政者の側にたって考えると、非常に精巧に出来た、しかも、真に、驚嘆すべき優れた知恵です。

だって自分がつながれている鎖が見えへんのやから。

日本には自分の足首にでっっかい鎖がついていることに気が付かないで「おれは自由だ!」と叫ぶバカまでおるのはそのせいでしょう。

鎖につながれていることに気がつかないのは、自分の二本の足で自由に歩きまわろうとしたことがないせいにしか過ぎないのだが。

静的な状態から動的な状態へもってゆこうと思えば、まずカオスを起こさなければ何もはじまらない。

そして、そのカオスを起こすのにもっとも有効なのは日本のひとのばあい、みながもっと「横につながる」ことでしょう。

そのときにつなぐ手の役割を「議論」がするのでなければならない。

ばらばらで微振動をしていても、やがてはすべてが静まって自分という孤独な粒子もやがては溶解して滅びてしまうだけに違いない。

いままでのように単なる悪罵の投げつけあいや、「ぼくカシコイし」ゲームをやっている場合ではないであろう。

外では、ドアを叩く大きな音がしておる。

「HURRY UP PLEASE IT’S TIME」

それぞれの立場から見えた「自分を押さえつけている小技」をブログでもよろしい、なんだったら「チラシの裏」に書いて自分の家の玄関のドアに貼っておくのでもかまわないから、

「なんとかして他人に伝えようとする」ことです。

それを他のひとびとは立ち止まって他人に対する想像力を全開にして、相手の目が自分の目と重なるまで必死に頭を働かせて読むのでなけれならぬ。

わからなければ、感じればよい。理解できなくとも、相手の目にうつっている世界を自分の目にもうつしてみればよい。

それが「他人事」という日本語の語彙の終わりであり、「革命」という死語の復活のはじまりである。

他人というものがいかに自分自身であるか理解できたときに初めて「社会」というものが誕生する。

社会というものは、そうでなければただの「死せるカオス」なのだとかんがえました。

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