日常茶飯

今年は冬に2ヶ月旅行に出るだけなので、ほんまに「里帰り」モードだなす。
モニがニュージーランドの永住ビザだけでなくパスポートが欲しいというので、今年と来年はあんまりあちこち住んで歩くわけにはいかない。
仕事も今年のぶんは2月で終わってしまったので、家でのんびりころころしておる。
なんだか、どこにもいかないで、ずううううっとここにいたような気になる。
朝起きると朝ご飯をつくって食べる。
卵を二個目玉焼きかポーチドエッグにする。「目玉焼き」は日本式作り方。
フライドエッグっちゅうのは、ほんとうはたっぷり油をフライパンにいれて卵をいれる。
黄身は油を黄身の上にかけて料理する。半熟にしたり簡単に調整できるのは、油をかけて調理するからです。ところが日本式はちゃうねん。
油はちょっとだけひいて、蓋をして蒸す。ちょっと水をいれる、というシェフのひともおった。このやりかただと黄身の加減が難しいが小さいフライパンを使えば間違いなく綺麗に出来るのがわかったので、わしもいまは「日本式」。
卵の他はベーコンとソーセージ、ハッシュドブラウン、トマトときのこの焼いたやつ。
ベーコンはショルダーでもミドルベーコンでも、どっちでも好きなのでその日によって違う。合衆国人のようにカリカリにしません。

ニュージーランドはベーコンがおいしい。世界一、だと思う。だからあんまり焼かない。オーバークック専門家のニュージーランド人が、あんまり料理しないで食べるものの代表です。トマトときのこはフライパンで焼く。
で、あとは地元のベーカリーで買ったトーストを付けて出来上がり。
トーストに塗るのはベリー・ジャムかマーマレード、ベジマイト、バター。
ビーフソーセージかポリッシュソーセージをつけることもあります。
あとフライド・バナナがつくこともあるな。

朝食を食べ終わるとだいたい10時半か11時で日本の友達とtwitterで遊んだり、新聞を読んだりしているとモニさんが起きてくる。
モニさんの朝食はたいてい、わしの朝食に較べると極端にちょっとなので、つくるのは簡単です。日によって全然違うものを食べるがブリオシュとかペストリ、チョコレートサンドイッチでとかにカフェオレとかが多いようだ。

テレビも日本にいるときはまったく観なかったがニュージーランドではよく観ます。
火曜日水曜日木曜日の午後7時半から10時半はテレビにはりついているよーだ。
Cold Case, The Good Wife,CSI.NCIS.SVU,Criminal Minds…ははは、テレビっ子ですのい。

オークランドはロンドンやなんかに較べると土地が安いので都心に近くても家が大きい。
わしの住んでいる辺りは、オークランドのいちばん大きな繁華街まで2キロくらいですが、土地の大きさは「フルセクション」(もともとの分譲地の大きさ)が1500平方メートル。いまはハーフセクションの家も増えましたが、それでも半数以上はいまだにフルセクションで、そこに床面積が300平方メートルくらいの日本の数え方で言う5LDKをつくってあるのが普通です。プールやテニスコートをつくるのが好きな人はつくる。
そんなに「ゼータク」というのではなくて、ふつーのことです。
モニとわしの家はフルセクションの家よりも、もうちょっと大きい。

日本でモニとわしがいた広尾のアパートは200平方メートルというちっこいアパートだったので、それだけで鬱病になりそうであった。
広いところで、のおんびり出来るのがニュージーランドに戻ってきていちばんよかったことかもしれません。

夜中に猫が横切ってセキュリティライトが点灯したり、Tui(ニュージーランドのかっちょいい鳥)が生け垣の上で鳴いたり、芝の匂いがしたり、そーゆー細部がいちいちなつかしくて気持ちがどんどん落ち着いてゆくのが判ります。
ヘーキなつもりでも習慣や言語が著しく異なる国では案外くたびれていたのかなあーと思うこともある。

一日、なにをしているのかというと、モニさんと遊んでいる時間がいちばん長いが、そうでないときはサンスーのリハビリをしたりゲームをやったり外国語の読み書きをして遊んだり。家の周りのセキュリティカメラを動かして外の様子をみながらぼけえーとしたり、たいへん非生産的です。

天気がよいとモニとふたりで散歩に行く。twitterの友達はわかると思いますが嫌がるモニをひきずってジムへ行ったあとです。近くの繁華街かポンソンビーというモニとわしが好きな街へいって夕食を食べる。ステーキハウスでステーキとワイン、っちゅう感じのことが多い。モニもわしもエスニック料理が嫌いではないが夕飯は人間の保守性が顔をだすようだ。

壁に棚をつけたり、ドアにノッカーを取り付けたり、壁を塗り替えたり、そーゆーことをしていると、あー帰ってきたなあ、と感じる。
のんびりはいいなあ。故郷は楽しいなあ、となんだか嬉しくなります。

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4 Responses to 日常茶飯

  1. kochasaeng says:

     今日は四月馬鹿でした。ふだんからデタラメなことを言って笑っているおれは、そんなのどうでもいいです。毎日が四月馬鹿だから。
     四月一日は、年度始めでもあるから、挨拶とかあって、そういうのいいよ、意味ないじゃん、と思うんだけど、それはおれだけの料簡で、やっぱりいろんなひとと会わなくてはいけなかったりして、メンド臭いのね。ほら、社会人だから。
    「こちら今度、福岡支社から来たヤマダさん。こちらは小茶さん(おれのこと。そう書くことにします)。面白いんだ、このひとは」なんて言われて、軽くユーウツになるんだけど。
     今日、なん組か会ったひとたちに、それぞれ言われたのが「小茶さん。いつも四月馬鹿ですもんね」
     うっせーよ。でも表向きは社会人で常識人だから「あ。ええ。まあ」なんて。
    「なんか面白いウソついてくださいよ」って言われた日にゃ、うんざりしちゃう。これからウソつきますよ、って話が面白いわけないじゃん。
    「馬鹿なこと言っちゃいけない。だいたい、おれが今まで一度でもウソついたことありますか」と、おれが言うと、みんなアハハと笑うのね。「おれぁね、ウソと坊主のアタマは、ゆったことがないン」
     
     あ。だめだ。いけない。
     思いがけず鼻の奥がツン、となって、涙が出てきそうになったので、あわててソッポを向きました。
    「ウソと坊主のアタマは、ゆったことがないン」これはFさんが言っていた地口です。
     Fさん。そう書くとなんだか他人行儀で、遠いかんじ。Fクダさんだ(仮名になってないような)。
     Fクダさんは、いつもそんなことばっかり言ってるオジサンだった。

     ちょっと昔。平成に入ってからのこと。おれが小さな新聞社に勤めたころです。
     おれみたいに大学中退者でも新聞社に勤めるのは、チェーンソーで大黒柱を切るよりも簡単なの。
     新聞社の会長と酒場で出会って、ヨタ話して笑わせたら、「おまえ面白いな。ウチに来い」ってハナシになります。
     でもね、入社したらけっこうイジメられるんだ。ヨコハイリ。横入りは、ずるいじゃん。「なんなんだ、あいつは」って。
     まあ、そんなこと細かく書いても面白くないので、それはいいんだが、Fクダさんは、その会社の駐車場のオジサンだった。若い頃は、先代の会長の運転手さんだったと、あとで聞きました。おれにクルマの運転を教えてくれた。ハンドルは握っちゃいけない。押さえるものなんだとか、正しいヒールアンドトウのやりかたとかそんなこと。おれA級ライセンス持ってたんだよ。あれは運転がヘタでも取れるんだけど。
     おれの特技のひとつに、駐車場のオジサンとすぐに仲良くなるってのがあります。あ。そういえばタイの事務所では駐車場のオバサンに「今日も綺麗ですね」とか「そんなに美人で疲れませんか」って挨拶してたら、本気でデートに誘われて往生したことがあったな。会長に「ほら、言わんこっちゃない。からかうからだよ」って叱られちゃった。ま、それも関係ない。
     Fクダさんとは、すぐに仲良くなりました。
     このひとは昔ながらの古典的な地口が好きなひとで、「さすが小茶ちゃんだねえ。絵に描いた地震だ。びくともしねえ」とか、そんなことばっかり言ってた。
     あるとき、おれがイジメられて浮かない顔だったときも「おい。どしたい。元気出しなよ。ひとはいろいろ。タコはイボイボだよ、小茶ちゃん」って。あんまりバカバカしくって笑っちゃった。ありがとうFクダさん。
     バンコクに出張してて、しばらく会わなかったときなんか、「ああ、良かった。病気じゃなかったんだね。おれぁ小茶ちゃんが、お猿の小便で」って言う。
     お猿の小便? なんすか、それ。って訊いたら、Fクダさんは、うふふ、と笑って「きにかかるんだよ」って。なるほど。
     おれ、Fクダさんが大好きで、自宅まで遊びに行きました。なん度も。お酒を飲まないひとだったので、饅頭とか果物を持って行ったな。奥さんが喜んで、「夕食いっしょに、ね! ね!」って。息子さんは銀行員で転勤が多いとかで夫婦のふたり暮らしだった。Fクダさん72歳、奥さんはひとまわり下の60歳だったと思う。がんもどきの煮物とか、年寄り臭い料理なんだけど、旨いんだ。奥さんの料理は。
     もう、くだらない地口をいっぱい知ってんだ。そのたびにおれが「ぐうですよ、ぐう! Fクダさん。ぐうですねえ」って受けるもんだから、そのうち地口を言ったあとでテレたように「小茶ちゃん。これは、ぐう、かい?」って訊くのが、かわいかったです。

     おれがバンコクに赴任するときは「そうかい。南方へ行くのかい。ま、お国のためだ。しゃあねえな。淋しくなっけど」って涙ぐんでた。で、ボソッと「タイしたもんだよマレーシヤ」って呟いたの。くだらねえ。ほんとに、くだらねえよ。Fクダさん。

     で、いろんなことがあって、じつにもう、いろいろあって、それから6年半くらいあとのハナシになります。
     おれ、日本に戻ってきて会社を作ったのね。落ち着いたころにFクダさんに電話した。
    「あ。小茶さん! 元気だった?」Fクダさんの奥さんです。「おとうさんはねえ、…馬鹿になっちゃって…」
     え?
    「去年の冬、脳溢血で倒れちゃったのよぅ。それからは、ちょっとね。あたしのこともわかんないみたいで、でもね、ときどきはわかるんだよ」って淋しそうに言う。
     こまったな。どうしよう。
    「ねえ! 小茶さん。遊びにいらっしゃい。あたし、会いたいな」閑居してるもんで、遊びに来るひとも少ないんだそうで。
     よし。おれのいる街の名物饅頭を買った。ついでに枇杷も。だから、あれは春の終わりか夏の初めだったんだろう。

     どうぞ、つまらないものですが。
    「あら、あら。ほんとに来てくれて」
     Fクダさんの家は昔とちっとも変わってなかった。でも、奥さんとふたりで向かい合うことなんてなかったから、家がばかに広く思えました。
    「おとうさんは、奥の部屋にいるんだけどね。出てこないの。いちにち座ってんのよ。おとなしいのが、せめてものアレかしらね」
     しばらく昔話。居心地わるかったです。「もう帰らなくちゃ」って言い出せない。

    「だれか、きたのかい」襖が開いた。とつぜんだったの。
     Fクダさんだった。
     あれ? こんなに小さなひとだったっけ? 目の光が、おれの知ってるFクダさんじゃない。アタマが寝癖でボサボサ。お洒落なオジサンだったのに、毛玉のついたジャージなんか着てる。ああ。こんなになっちゃって。
     Fクダさんの目が、おれに向かって、ぴたり、と止まった。目が合ったの。そらしたいけど、それはダメだ。でも、なんだかな。帰りたい。
     Fクダさんの目の焦点が少し、合った。目に光が戻ってきた。
    「…小茶さん…」とても小さな声。「小茶ちゃん。小茶ちゃんだろ?」
    「おとうさん!」隣で奥さんが息を飲んだ。「わかるの? ねえ、わかるの?」
    「ああ」Fクダさんだ。この微笑みかた。Fクダさんが、戻ってきた。「わかるよ。小茶ちゃんだもんな」

     奥さん泣く、泣く。
     Fクダさんは、いよいよしっかりしてきて、おれの名刺をよこせと言い、それを見て「立派ンなったなぁ、小茶ちゃん」って。
     Fクダさん。おれ、ちっとも立派なんかじゃないです。でも、安心させなくちゃ。「うん。絵に描いた地震だよ」
    「そうか」Fクダさんは、いつものFクダさんの顔で、にやり、と笑った。「盤石なんだな。びくともしねえんだな」

     あっという間に夜になっちゃった。「帰ります。今度はお盆のころなら、また遊びに来られると思います」
    「おう。また来な」
    「ほんとよ。約束よ。小茶さんが来ると、おとうさんはしっかりするみたいだから、できるだけ来て、ね!」
     わかりました。お盆と言わず、なるべく早く、また来ます。

     次に行ったのは秋だった。お盆も忙しくなって仕事ばかりしていたから。
     秋のお葬式は、淋しいですね。
     息子さんに、はじめて会いました。おれよりもひとまわり上のひとで、とてもマジメそうなひと。おれの手を握って「ありがとう」って言う。
     なんかね、もう、そんな会い方しかなかったのね、おれたちは。
     Fクダさんは、おれが訪ねていった日から、ずっと最期まで意識はしっかりしていたそうです。なんか、どこかが繋がる瞬間に、おれが居合わせたんだな。

     そんなことが、いっぺんに蘇ってきて、おれはソッポを向いたんだ。
     あのときは、なるべく早く来ますなんてウソを、平気でついちゃった。
     
     さっさと切り上げて今日は帰ることにしました。饅頭を買って。
     うちのヨメは小豆の餡が好きではないのですが、今日はひとつ食べた。
     このお話をしたからです。だいたいのストーリーはわかったんだけど、でも、Fクダさんの地口はわからない。タイ語は洒落がいくらでもできてしまう言語なので、洒落で笑うことがないんです。
     ま、こんなことがわかったって、しょうがないし、それにこの話のポイントは洒落ではないんだが、それでもおれたちは、すべてわかりあえるってことではないのね。
     それも、わかってることだ。オーケーです。うん。オーケーだ。
     
     ひとはいろいろ、タコはイボイボだよ、ガメちゃん。

    • 小茶さん、

      わしはこれも返信できねーよ。Fクダさん、うんと、ちゃんと生きたかな。わしはね、ちょっとこれに似た人がいた。鎌倉の夜間警備のおっちゃんでね、子供の時に旅行できて一回はなしただけのひとが、どういうわけか十何年もしてわしがわかって話しかけてきてくれたのがはじまりでした。
      短い付き合いだったけどおっちゃんをわしは「わしの守護天使」と呼んでおった。Fクダさんも天使だったかのい。

  2. じゅん爺 says:

    ワシらのろくでもねー冬もやっとこさ行っちまったい。サーテこれから夏まで遊ぶべ遊ぶべ。

    田んぼ一枚が300坪で1000㎡、1500㎡は450坪もあるぜよ。温帯モンスーンじゃ草むしりが大変だわさ。
    爺には田んぼを四つ切にした75坪に、「起きて半畳寝て一畳」の小さな家が身の丈に合う(ニポンは量的に田んぼが基準なんだな、って今改めて思った)
    プールは歩いて10分の川向こうの温水プールだし、テニスはできないし、「天下取っても二合半(立山)」だからワイン貯蔵庫も要らんしな。
    負け惜しみじゃないよ(笑)

    • じゅん爺、

      >負け惜しみじゃないよ

      負け惜しみの必要ないっしょ。わしは日本にいたことあるから「違うもの」だと判っておる。広尾のアパートはね、万事アメリカ式なのに狭いから困るんです。なんかパチモンのアメリカ式アパートみたいで情けない。

      立山、うまいよな。吟醸じゃないやつのほうがうまい。
      富山の鮨食べ物おいしいからな。わし知ってると思うけど富山大好きだもん。ます寿司もおいしいとこいっぱいあるし。
      なつかしい。日本は西洋式みんなやめちゃえばいいのにね。

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