秋になった

秋の風が吹いて木々の色が変わるようになってきた。
モニやわしが起きてくる正午の頃の気温は暖かくても朝早くやなんかの気温は低いのでしょう。

twitterの友達はみな知っていることだが、わしは運動ばかりして暮らしています。
その結果初めはシャツの腕が今度は胸がはいらなくなった。
モニはこのあいだからどういう弾みかPCゲームをやっていてときどき「Diablo II」で遊んでいるよーだが、「バーバリアンになって遊んでいたらガメの人生観が少しわかった気がする」とゆっておった(^^;)

ジムから帰って、サンドバッグをなぐりつけたり、蹴り板を力が入りすぎて蹴り割ったりするのに飽きると、本を読みます。
日本語の本は殆ど読まなくなってしまったが、いまは三島由紀夫を読んでおる。
全集の初めから少しずつ再読しているところです。
この家には三島由紀夫と夏目漱石の全集と古典体系があるからですが、「豊穣の海」を読んでいると自己顕示欲が強い見栄っ張りの小役人の倅だった三島の文学的的誠実さが胸に迫ってきて涙が出て来ます。三島由紀夫が人生の最後に辿り着いたのは日本人という民族の卑しさへの絶望と悲劇というものの本質への畏怖だった。

三島由紀夫には漱石のような「江戸文化」という逃げ道がなかったので、物事を肩をすくめてやり過ごすというわけにゆかなかった。
正面から自分が滑稽に見えることを自覚しながら「日本」という卑劣と戦って死ぬしかなかった。
その秘密を最も深いところで知っていたのは、三島がノーベル賞の運動のつもりで出かけたニューヨークで誰にも相手にされずに真っ暗な部屋で窓際に腰掛けて泣いていた姿を目撃したドナルド・キーンだけだったでしょう。

「相手が悪いが、あなたにも悪いところがある」
「あれはひどいひとだがマジメなところもあるひとなのに、ちゃんと答えてあげなければだめではないか」
「喧嘩は両成敗という」

こーゆーものは、すべてドビャクショウの理屈だ、と公言し、「武士の情け」とか「武士は食わねど高楊枝」と言うやつは、みな決まって根性の腐った百姓の息子ばかりなのはどういうわけだ、とバーで呵々大笑した、という三島由紀夫にとっては、日本社会の「自由」も「平等」も唾棄すべきものと映ったのは当然とゆえば当然である。

本を読むのも飽きると、あとはもちろんモニと遊ぶ。
ラウンジでChris Brownの「Crawl」をマネして踊るとモニがたいへん喜ぶ、とゆわれておる。

夜が更けてくれば家のバーで飲むこともあれば近所のバーに出かけてカクテルを飲むこともあります。

いったい、わしの家の家系をずっとたどってみると、父方も母方もあんまり仕事をしていたらしいひとはいないよーだ。
そ。プーばっかし。

400年くらい遡ってみても、毎日お勤めしていたようなマジメなひとはおらないよーだ。

それ以上さかのぼっても無駄であるに決まっておる。

ときどきなんだかえらそーな役職に就いているよーですが、あんまり長続きしていないところを見ると遺伝子ごと怠け者なのでしょう。
わしも個人の努力ではいかんともしがたい遺伝子の不可抗力のせいで遊ぶこと以外は考えたことがない。必死に努力しようと願っても出来ないのね。

秋の風が吹いて木々の色が変わるようになってきた。
寒くなると困るので、モニとふたりで、暖かいところへ行く相談をします。
前にも書いたが、今年と来年はモニがニュージーランドのパスポートを取る都合で、こっちの冬のあいだはずっとニューヨークにいる、という訳にはゆかない。
二ヶ月くらいしか旅行に出かけられない。

日本のひとたちは「古い歴史がある国」が好きだがモニとわしは、古い国があんまり好きでないので、たいした用もないのにロンドンやパリに帰る気はしない。
ほら、初めの予定ではスウェーデンに行くはずだったでしょう? あのKというストックホルムから200キロくらい西にある街には、わしの仕事上の友達がいて、会いたがっている。それがダメならアイスランドは、どうだろう。
わしには、あの国へ行って学びたいことがたくさんある。

モニは、(ローワー)ラウンジの入り口の階段の上に立って、(緑色のローブを着て)立ち机に手をついて、わしの話を(やさしい顔で)聞いておる。なんだかそうやっていると女神のようです。きみは笑うだろうが、ほんとうに女神みたいに見えるのだから仕方がないではないか。

「ガメ、東京に『スシ』を食べに行こう」という。
「へっ」とモニの頭のなかで起きていることが把握できないでいつものごとくマヌケな返事をしてしまう、わっし。

わしのほうに歩いてくると、顔を覗き込むようにして、「わたしは東京に行って本物のスシが食べたいと言っているのだよ、ガメくん」という。

中継地としてもちょうどいいから東京に2週間くらいいるのはどうだろうと思う、という。

妙にマジメな顔をつくろっているところがモニだのい。

どーせウソをつくなら「ヤキトリ」のほうなら信じられたのに(^^)

モニさん、スシなんて全然好きやないやん。
このあいだワードローブのなかでこそこそ日本語twitterをやっていたのがばれたのかしら。

しかし機会を逃すわけにはいかんので、わしはソッコーで航空券を予約したもんね。
ははは、東京2週間。夢みたい。

いえーい。

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6 Responses to 秋になった

  1. ほう、ちゃらんぽらんな先祖か。余の祖父の一人も(誰でも祖父は二人おる)三十代で役人を辞めたそうだ。役に立たないから辞めたのかもしれない。役に立たなければ役人ではないからだ。他にも似たような者ばかりで気が滅入るほどだ。

    それはともかく、余は、もちろん録音でだが、三島の英語(イギリス英語)を聞いたことがある。日本の文人の(武人かもしれないが)中では正統で上手だった。近頃変な題名の小説が売れてるあいつ(名前忘れた、嫌な奴は忘れることにしている)よりうんとよい。学習院は初等科から英国人が教えたのだろうか。百姓は学習院には行かんので余はわからん。

    秋か。逆さまの世界にいると、頭も逆さまになるのかな。中味だよ。しかし、雰囲気はよくわかった。

    • マルクスヒロシ先生、

      >三島の英語(イギリス英語)を聞いたことがある。日本の文人の(武人かもしれないが)中では正統で上手だった。

      デビューが戦中(たしか17歳のときの「煙草」)であることを考えると、「どこでおぼえたんだろう?」っちゅう不思議な気がします。
      大学入試も英語はなかったのではなかろうか。
      三島由紀夫のイメージがだいぶん変わりました。

      だいさんきゅ。

  2. ブブリキ says:

    結局ガメさんにとって日本は嫌いになれない国なんだな。しかしこの『嫌いになれない』つう状態はきついと思う。相手のいやな部分はもとよりいいところまでが悩みの種になるし。
    アイスランド。いいところですよ。他の国では絶対見られそうも無い『ここほんとに地球!?』みたいな奇観がいっぱいあります。10年近く前に新婚旅行で行きました。

  3. じゅん爺 says:

    三宅坂の国立劇場で歌舞伎照明のお手伝いしてた時、(椿説弓張月やってた時だったと思う。玉三郎が可愛かった。楽屋で会ったら背が高くてびっくり)屋上で制服着て行進の練習してて、エライさんに叱られてました。
    ソファに座ってれば美丈夫なのに、立ち上がるとチンチクリンで可笑しかった。
    そんな姿思い出すように心がけないと、三島読んだあと死にたくなるんだもの(笑)

    • じゅん爺、

      じゅん爺は三島と同時代を生きてきたひとなのだな。未来のひとは三島を読んで、あの時代の日本人は格調が高かったのだ、と思うだろう。それが真実であるにせよ誤解であるにせよ。偉大な才能をもった書き手をひとりもつ、ということはすごいことです。
      たとえば中国人たちはただひとりの「三島」も持てないでいることで文字通り悩み苦しんでいるように見えます。

      >ファに座ってれば美丈夫なのに、立ち上がるとチンチクリンで可笑しかった。

      ゲーテもそうだった、という。

      >三島読んだあと死にたくなるんだもの

      三島は「老いをおそれて」ではなくて卑小なものを拒絶して死んだのだと思います。いまだに才能をちゃんと認められない小説家なのかもしれません。

  4. ブブリキ殿、

    >アイスランド。いいところですよ。他の国では絶対見られそうも無い『ここほんとに地球!?』みたいな奇観がいっぱいあります。

    友達に「アイスランドに行きてえ」とゆったら「冬に行け、冬に。アイスランドの冬はいいぞお」とゆわれました。ほんとうだろうか。

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