零細投資家の午後

もう何年も前から住んでいる気がするほど新しい家になじんだ。モニも「新しいベッドがやっと好きになった」という。
ふたりで庭に出て、テーブルにチーズや鴨のパテやワインやパンを並べて昼食を摂る。
Tui(ニュージーランドのネイティブバード)がやってきて不思議そうな顔をして見ている。芝の上においた素足が気持ちがいい。

クライストチャーチとメルボルンから必要な機能を移し終えたので仕事も円滑になった。
夕方になると正面ゲートのリモートコントロールキーを持っているPがやってくる。
セキュリティカメラの画面でそれを眺めながら、モニとわしは、「おーかっこええー」という。こういうものもこの5年で随分進歩したのだ。
かーちゃんの家のコントロールは煙草の箱の大きさくらいもある。
いまは2ドル硬貨の大きさくらいしかない。

それに4つのボタンが付いていて、たとえばわしのこの家でゆえば、1番はセキュリティの「アーム/ディスアーム」で2番はハーフゾーン、3番が正面のゲートで4番がガレージの自動シャッターです。
1番と2番を同時に押すとパニックボタンで警備会社と警察がすっとんできます。

セキュリティカメラの分割画面もtubeから液晶のSVGA画面になった。

白黒だったのが、いまはカラー。

侵入者の靴下の色が判るようになったとゆわれている。

Pは資料の分厚い紙の束と共にあらわれるが、これはわしの趣味である。
コンピュータのファイルとお行儀が悪くてカウチに寝転がってしか仕事ができないわしにははなはだしく都合が悪いので紙に印刷してきてもらう。

どんな書類かって?
すごおおおく面白い書類ですがな。
たとえばそれがプロパティなら、建物のゾーニングとCVから始まってビルのタイトルや収益表や通りの建物の過去の売買価格、地域と通りの歴史、通りと地域の昼間と夜のひとびとの年齢層や推定平均年収まで書いてあります。
もちろんディプリーシエーションとかも書いてある。

そういう電力消費量にまで及ぶ細かい数字を眺めていると、いろいろな事がわかって面白い。カウチでごろごろしながら、「あー、このひとは見栄っ張りだったんだな」とか「こんな甘い考えの人間もなかにはいるわけだ」と考えながら、どんなひとびとだったのか想像します。

資料を読んで遊ぶのに飽きると、モニとふたりで庭を散歩する。
近所のコーヒー屋まで遠征することもあります。
ページを交換しながら新聞を読む。
ふたりでペンキ塗りをする。
芝を刈る。
カウチに膝をついてアッパーラウンジの出窓にふたりで並んで肘をついて外を眺める。
今年買ったばかりのでっかいカウチでふたりで猫と変わらんじゃれかたをする。

モニのいい匂いがする。

パーネルの家では部屋の使い途がないので撞球台やピンボールをおいて遊んだりしたがこのラミュエラの家は使いやすい。

27年も生きてしまうと人間の時間は途方もなく静かになる。
決して良いことではないだろうが他人の生活や世界のことに興味がなくなる。
どーでもいいや、と思うようになってしまうのね。
わしが組んできた投資はそういうのもばかばかしいほど「コンサーバティブ」なので、なおさらそうです。
「アグレッシブ」な投資をいまの一割くらいからせめて3割に増やせば人生そのものも変わるのは判っているが、わしは巨大なデプリシエーションがある世界が好きなんです。
(別に居直ってるわけではないが)
いまさら、お金の神様とのつきあい方を変えようとは思わん。

それとも地球が買えるほどのお金が欲しいと思うときがわしにも来るだろうか?

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