広い、新しい海にでてゆく

モニとふたりでアリズリーレースコースを散歩した。今日は初夏の天気です。
ニュージーランドの夏の巨大な積雲の群れが透明な青空を飾っておる。
わしとモニはこの競馬場にときどき散歩にくる。
このブログはニュージーランドに住んでいるひとも見ているわけだが、今日の午後,
緑色のBMW523iから出てきてアリズリー競馬場で散歩している女のほうがぎょっとするほど美人のふたり連れを見かけたひとがいれば、それはわしとモニである。
ふだん馬が疾走するトラックを人間がのんびり歩くのはアイデアとしてはなんだかヘンだが、実際に歩いてみると広々として気持ちがよい。
世界でいちばん散歩をするのに気持ちがよい公園のハグリーパークほどではないが、それでも馬もこういう場所だからたかが人間の賭け事のために息を切らせて走ってもよいと思うのだ、と納得できます。

モニに言ってみよーかなー、と思っていることがあって、スタンドの屋根がもう古いのお、とかわしがあのゴルフ場のグリーンからアイアンを使うと力が余ってトラックにボールが届いてしまうので馬が転んだりしないかしら、とゆいながら、どうしようかなあーと思っている。
うまく言えないに決まってるからな。

モニが急に、ガメ、やめようか、と言います。
なにを?
わたしのパスポートのためにオークランドいるのやめよう。

わしは立ち止まってしまう。
むやみに大きなニュージーランドの空を見上げてしまう。
どうしてモニはわしの考えることがいつも、なにもかもわかってしまうのだろう。

まだ先でいいよ。
わたしたち、もうちょっと、この世界で「よそもの」でいよう。

このブログを読んでいるニュージーランドに住んでいる人が、今日の午後、緑色のBMWから出てきたふたり連れを目撃していたら、そのふたりがトラックのまんなかに立って長い長いあいだキスしていたのを見ておもわず赤面しただろうが、しかし、だからそーゆー事態には、そーゆー事情があったのである。我慢したまえ。

オークランドはわしにとっては世界中の街のなかでクライストチャーチの次に快適な街です。そこに住んでいる人間にはアメリカ人たちのように狂気じみたところがないし、イギリス人たちのように(外国人には決して見えないことだが)階級的な緊張もない。
大陸欧州人の浅薄な利己主義もなければ日本のように巨大な兵営、という趣もない。

ポンソンビーのレストランに行けば、テレビのスターとでも誰とでも隣り合わせたテーブルのひとと気楽に無駄話が出来るし、知らない人間と口を利くのが億劫ならクラブに行って、カウチに深々と腰掛けて仏頂面をしていればいい。

わしは普段は一年の大半は裸足でTシャツとショーツでどこにでも出かけるが、タックスを着て出かけたければオペラでも演劇でもどこにでも行くところがあります。

広い芝生の庭に椅子を出してモニとふたりでキャノンの「手ぶれ防止機能付き双眼鏡」で銀色に輝く満月を眺める。
夕暮れのノースショアの浜辺で、いあわせた高校生どもが持ってきておるステレオにあわせて踊って遊ぶ。
リズム感がない高校生たちが涎を流しそうな間抜けなかわゆい顔でモニとわしを見ておる。

でもわしは「よそもの」でいることのほうが好きなようだ。
アジア人はひとしなみに「古い歴史がある国」が好きだが、わしは、歴史なんかくだらん、と思う。古い歴史のある国というのは死者の悪い空気がかかっていて、どーもこーもならんのが、国としての歴史は長いように見えても19世紀に歴史が切断されていてほんとうは新興国にしか過ぎないアジアのひとたちにはわからないのだ。
古い歴史のある国なんかマジでくだらん。

モニとわしの眼から見ると、世界にとっての希望などは「新しい国」である合衆国やオーストラリアやニュージーランドにしかないのは当たり前だが、そーゆー国にいてすら、一年中いると頭にもやがかかってしまうようだ。

会社を普段とりしきっているPに電話したら、「そうか」という。
本部の機能をやっとオークランドに移しおえてみたら肝腎の会社の持ち主が、また世界中うろうろしたいと言い出したのでは、いかに我慢強いPでも言いたいことがたくさんあるに違いないが、子供の時からわしのわがままにつきあい続けてきたPは、わしらだけに通じる言葉で、わしが何を考えているかわかるもののようである。
ガメは、ガメなんだな、やっぱり、とゆいます。
了解。
心配しなくていいよ。
ノーウォーリーズ。

わしは家にまっすぐ帰るなりえらい勢いで航空券屋やホテルの手配を頼む秘書のねーちゃんに電話してモニに思い切り笑われました。

モニまでPそっくりに「ガメはガメなんだな」というので文句があるのだろーか、と思ったら「ガメ、大好き」とゆわれた。

いえーい。

This entry was posted in gamayauber. Bookmark the permalink.

3 Responses to 広い、新しい海にでてゆく

  1. Chiro(yo) says:

    昼休みでいったん帰宅したら、アッチから姿を消していた…。
    で、コッチに来てみました。

    袖振り合うも他生の縁、またドコカで、たとえWeb上であっても、出会えたらイイな、うれしいなぁ。

    ステキな旅を~!

  2. Portulaca says:

    私もこの記事を読んで、「ガメさんはガメさんなんだな」と思ったよ。
    NZでのこの夏は、きっとそれまでのいろいろな毒からガメさんを清めるためものだったのかもね。

    よかったら、また旅先からいろんな話を聞かせてください。
    「ワイン3本あけてへべれけ」みたいなのでもいいし。

    悪魔じゃなくって天使にいっぱい会えるといいね。
    (あ、天使はモニさんがいるからいらないか)

コメントをここに書いてね書いてね

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s