大阪

成田に着いた次の日は広尾でそのまた次の朝はクルマで東名高速を西へ行った。
スーパーお手伝いさんのYさんがいれておいてくれたRodrigo y Gabrielaをずっと聴いておった。日本でのコンサートの録音だ。ずっとずっと前にブログに書いた
https://gamayauber1001.wordpress.com/2009/09/26/%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A0%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%81%8C%E6%AE%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AF/
が、わしはこのふたりのギターが大好きなので東名みたいなクソ高速を運転していても音楽のせいで疲れない。途中でガブリエラが異例なくらい長い日本語での挨拶をするところがあってモニがそれを聴いて涙ぐんでおる。
理由ですか?
理由は日本のひとにはわからないのさ。
日本にいたことがある外国人以外には、きっとわからない。

名古屋で一泊してモニとふたりで日本酒を飲んで遊んだ。帰りにワインを買って部屋でも遊びました。ホテルのひとが泊まった部屋は防音になっているのでダイジョーブだ、というので、B&Wのラグビーボールが間延びしてとんがったような形のステレオでGinやToni Braxtonやなんかをかけて踊りまくって遊びました。夜中の人気のない栄を散歩して遊んだ。
午前2時のテレビ塔が見える通りを半分踊るようなステップで歩いている巨大なガイジンのにーちゃんと傍らで笑い転げている妙に背が高いすんげえ美人のねーちゃんを目撃したきみ、それはモニとわしである。

名阪道路というパチモンの高速みたいな訳の分からん道を一路奈良にくだった。
上半身が美人のPL教団タワーがかっこよかったのでクルマをとめて写真を撮った。
道路際の八百屋でイチゴとニンジンを買って、両方洗ってもらってモニはイチゴ、わしはニンジンをかじりながら高野山の奥の院までまっすぐ走りました。
途中で幸村が押し込められていた九度山を通ったので、ちょっとカンドーした。

奥の院はかっちょいい杉に囲まれた墓地であって、黒田家の墓や其角や徳川よりもいちだん高いところにある豊臣家の墓がある。そういう歴史的ユーメイ人のものものしい墓に混じって陸軍上等兵勲八等前田豊作之墓もひっそり建っていて、モニとわしは、この若い兵士の墓にだけお祈りしました。

後ろから見ると禿頭がきらきら太陽に輝いていてかわいい、尼さんの集団が読経しておるのにでくわした。引率しているエラソーな尼さんふたりは黄色い僧衣で他は白い僧衣。
大黒さんに祈っているように聞こえたが、日本語の修行が不足しているせいでちゃんと聞き取れなかったのでよーわからん。

(写真家組合の墓は死んだフォトグラファたちの写真付きでギリシャ人たちの墓のようだ)

帰りには九度山の川でモニと水をぶっかけあって遊びました。途中でモニが本気で怒り出して2リットルぶん全部わしの頭からぶちまけたのでわしはマジでびしょ濡れになった。

大阪帝国ホテルと帝国ホテル大阪は違うホテルだと知らなかったので、初めは目的地を誤解したGPSに大阪帝国ホテルにつれてゆかれた。
ずいぶん小さな帝国ホテルだなあー、と感心した。

しばらくしてロビーに屯っていた欧州人たちと話していて、全然違うホテルだと気が付きました。
ホテルの近所は大阪帝国ホテル(道頓堀)のほうが帝国ホテル(造幣局近く)よりも面白そうであった。

お上りさんそのままに道頓堀へゆくと、そこはディズニーランドよりもずっとオモロイ遊園地でモニとわっしはすっかりコーフンしてしまった。
モニもわしも人混みが嫌いだが、日本での人混みは気にならん。
日本のひとはかわゆくてちっこいので、わしの肩くらい。モニ(6フット)もハイヒールはいているので、やはりあんまり気にならないようです。
(途中でわしとモニのあいだをすりぬけようとしたおっちゃんの顔がモニの胸にあたったとゆって怒っていたが)

うわあああーと輝く訳が分からないのを通り越して現実が爆発して粉々になったよう極彩色のネオンの文字通りの洪水に、甲高い声で絶叫するひとたち。鳥族の群れが祝祭を行っているような不思議な光景。
法善寺横丁のかっこよさにふたりとも痺れた。

友達が待っている料亭にタクシーをつかまえて行ったが、その用事がなければずっといたい感じがしました。
大阪はすごい。
とても破壊的でとても魅力がある。
鉛の臭いがする汚い空気、よく見るとなんだか白い糸みたいなものが漂っている濁った水道水、こわれたファッションのひとびとにしかつくられない「美」があって、とても日本だ、と思いました。
化粧の仕方や歩き方やレストランへの行列の仕方まで、ありとあらゆるものが異様であって常軌をいっしていてウソと偽りに満ちていて現実の要請を遙かに下回って極限まで通俗で安っぽくて19世紀のパリのようだ。
こんなに素晴らしい街だと知っていたら、もっと前に来ていたのに、と考えました。

大阪には東京にはいない「大都市のデーモン」が住んでいるよーだ、とわしは思います。
うぬぼれ鏡にうつったパチモン西洋みたいな田舎じみた日本でない、もっとストレートな文明存在としての日本がある。
料亭を出た後、バーのホステスと客のカップルだとばっかり思っていたら主婦のおばちゃんと旦那だと判明した酔っ払って顔がまっかの女のひととオールバックのえぐいおっちゃんのふたり連れとバーで話した。
「コアクマ」ファッションだという、極端に過剰な少女漫画ファッションみたいなかっこうのねーちゃんたち3人づれがモニと話したがって、わしに通訳を強要した。
でもなんだかなにもかもが自然に人工的であって楽しいのです。
すっかり機嫌がよくなってホテルに帰りました。

オーサカ、すごいじゃん。

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One Response to 大阪

  1. akatombo says:

    ガメさん、半年ぶりです。大阪にようこそ。道頓堀は毎朝毎夜歩いているので、ひょっとしたら近くを通ったかも。日本一「濃い」とか「ディープ」とか言われる大阪も最近は薄味です。80年代のミナミは面白かったですよ。大阪人の会話には常にボケとツッコミとオチが要求されるんだけど、ガメさんならこなせそうな気がする。

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