衣食住_その1


衣食住、というが、日本の物価のオモロイ点はこの3っつが3っつともぶわか高いことである。
というと、きみは「そんなことはわかっておるわい。日本は他のいろいろなものと同じく物価もベスト5なのよ。なんでも高いのさ」 というであろう。
でも、違うんだね。
なんでもかんでも高いというわけではない。
たとえばPCのパーツなんちゅうのは店頭で在庫のものを買う限りは世界で最も安いうちにはいると思う。
わしがアキハバラに行くと7200rpmの500G2.5インチHDD とか、いりもせんものを思わず買ってしまうのは、価格があまりに安いからです。
南半球にいるときは、シンガポールのフナンシティやシムリムセンタに買いに行くが、アキハバラのほうがまだ全然安いな。
卸屋の仕入れ値はシムリムのほうが安いんだぜ、あれは、とシンガポール人の友達がゆっておったが、店頭ではシブク交渉してもまだアキハバラのほうが安い。

「必要なものほど高い」というのが日本の物価の特徴であって毎日金を使わないわけにはいかない食べ物がいちばん高い。
外食に出るとする。
例としては夕飯がいいであろう。
なんでかとゆーと、会社員が昼ご飯を外で食べる、とかちゅうのはたとえばニュージーランドでは最近の習慣なのね。
前は、家で食べた。
ぶっ、とクルマで戻って(クライストチャーチなら5分以内オークランドなら10分かのい)、奥さんといちゃいちゃしながら食べます。
いちゃいちゃもんもんに至ることもあるが、18歳未満のひとびとも読んでいると思われるこのブログでは詳細を書き立てるわけにはいかむ。

オークランドでちょっと散歩してその辺でご飯食べるべ、とゆーよーな場合、統計カテゴリとしては「20代・夫婦」 という範疇にはいるモニとわしはたとえばGPKというようなところにゆくであろう。
おいしいレストランだが高級ではねっす。
なにしろ屋号からして元々はグレーテスト・ピザ・キッチンというくらいで本来ピザ屋だもん。
ふつー、だな。
市長とか大臣とか首相とかが友人や家族とよく食べにくるが、フォーマルな晩餐とかはやらん、というその程度である。

テーブルに案内されて、まず初めにモニとわしは「バブリー」 を頼むであろう。
バブリー、というのはシャンパンとかカバとか、そーゆー発泡性のワインのことである。
たいていはグラスで頼んで一杯づつだが、うんと喉が渇いているときはふたりでボトル一本頼むこともあります。
で、これが一杯30ドル、とかでしょう。
なんにもないとさびしいから、オリブかプロシュートは頼むわいね。
これが15ドル。
で、シャンパンを飲みながらメニューを眺める。

高級レストランなら夏でも岩牡蠣の天ぷらがあって、これがすげーうまい食べ物だが、GPKくらいだと生です。
わしは生の牡蠣は食わないのでパス。
TENDER SPICED SQUID があって、ここはイカさんがおいしいので、オントレはこれだろ(15ドル)

いくら赤ワインが好きでもイカさんと赤ワインではあわないので白ワインをグラスで頼みます。 また10ドル。

メインはGPKに来ればわしは頼むものは決まっておって、500gの骨付きリブアイ(55ドル)か アイフィレ 350g(45ドル)

グレインフェッドとか「和牛」とかもあるねんけど、わしはステーキはグラスフェッドが好きですたい。

サイドディッシュは 、Truffle potato mashとCauliflower Gratin (どっちも8ドル)と決まっておる。

ワインはステーキなのでシラーかシラズが良いが、オーストラリアのワインが世界でいちばん安いのはニュージーランドなので45ドルも出せば無茶苦茶おいしいシラズが飲めます。

で、そのまま「いえーい」と思いながら食べて、デザートのメニューを真剣にみつめて珈琲を飲んで帰る。

午後6時にくれば午後10時には席を立つであろう。

とこうやって書いてから「お勘定」を足してみると、ええーと、ふたりで300ドル(2万円)であるな。

東京で同じ食事をすると、どうなるかというと、バブリーが同じくらい、たとえば東京にもよくあるMoët et Chandon Brut Imperial だとグラスで3000円、プロシュートは量を同じにすると2500円くらいか。 イカさんが2000円、メインのステーキが12000円、サイドディッシュは日本のは量が少なすぎて較べるのが嫌だがそれそれ1000円、ですかいの。
最も値段が異なるのは赤ワインでニュージーランドで40ドルくらいのたとえば Grant Burge ‘Barossa Vines’シラズは東京では1万円します。
だから、ふたりで5万円、だのい。

2倍半。
この「2倍半 」はオークランドと東京を頭のなかで較べるときの「夕食代」
の目安になっていて、たとえば銀座で食事をするときに、だいたい2倍半だと「そのくらいだべな」 と思うし、それよりも高くて3倍なら「ちょっと高いな」 と考える。いままでの経験で2倍を下回る、ということはないよーだ。

高い方は食べ物の質の問題があるので較べても仕方がない。
実際銀座の「久兵衛」で鮨を食べるためにプライベートジェットで飛んでくる人などはごろごろいっぱいいるので、食べ物アホというのは上のほうは価格というものが存在しない。(日本では「すきやばし次郎」のほうが人気があるのは知っているが外国人には「久兵衛」のほうが全然評判が高い)

安い方、たとえば麺類でゆえば、「おいしい」 ということを必須にいれても日本でも結構やすく食べられる。
ラーメンなんちゅうのは、わしはあんまり好きでないが800円も出せばかなりおいしいものが食べられるのは明らかです。
たとえばニュージーランドでおいしい麺が出るところと言えば安いほうでは「シシュアン」(四川料理)と思うが、いちばん人気のある担々麺や怪味麺は十分日本の高級四川料理店に伍して考えるだけの実質があって7ドル(480円)くらい。餃子は6ドル(400円)で30個くらい、これでもかこれでもか、どーだ、全部食えるもんなら食ってみろ、という感じで出てくるのがふつーなので、較べてもしようがないよーだ。食べ物として思想が異なっておる。

何れにしても「だいたい2倍」 が実感だが、ほら、「丸亀製麺所」とかあるやん。
あれは神戸のファミリーレストランチェーンの会社がやっているブームにのっかった便乗企画のレストランだが、雰囲気作りやなんかもとてもよく出来ていて、オークランドで「ダンダンミー」(担々麺)を食べるのと同じくらい出せばおいしいうどんが食べられます。だから安いほうは日本の食堂とゆえど侮れぬ。

スーパーマーケットに出かけると、「もうダメ」というか比較を絶して高いので外食みたいに較べる気が起こりまへん。だいたい4倍払って量は半分、というのが実感でしょうか。
洋物で言うとニュージーランドでは牛肉の良いところだけで作った挽肉が2キロで500円とかなので、比較してもしょーがない。
この頃はニュージーランド人も魚を食べるが真鯛とかは挽肉と同じくらい値段が違うよーです。

なぜこんなに無茶苦茶値段が違うのか、と思って考えると、まず田中角栄時代に爆裂に上がった土地代ということがある。
いちばん大事なことは、その後、世界中「その土地がどの程度生産性を持っているか」、つまり簡単な例で言うとひとつの住居用の建物があって、それが一年にグロスで10万円の家賃だとすると年間120万円で、住居用の建物というものは8%のリターンがあるものだから価格は1500万円でなければなんねえべな、という不動産や土地の「生産性」ルールが日本では何故か採用されなかったことである。
なんでそーなんだべ?と想っていろいろいろいろ読んでみると、おおもとの根本のコンポンチキのところには農業に対する「補償金」というものがあるよーだが、まだちゃんと因果関係を把握していないのでここに書くのは早い。

次は中間業者が全然排除されない流通というものがあって、この記事の初めのほうで述べた日本のPCパーツの安さは、まず第一の理由が台湾流通業者が日本の流通業者に市場において勝利したことであるのは世界中で有名です。
どういう理由か日本の姓名に変えていたりするそーだが、あの賢い台湾のひとびとは実質的に日本のPCパーツの流通を支配していて、その恩恵を日本人消費者は被っている。

…食から始めて「衣」のユニクロや「住」の「中古住宅の怪」に話をすすめようと思ったが出だしのメニューですっかりオークランドの食べ物が恋しくなって話が破綻してしまった。

長くなりすぎたので、今日はもうここでヤメチ。

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2 Responses to 衣食住_その1

  1. kochasaeng says:

    ラーメンのこと。
    国民食というには国籍不明で、あれを和食と呼ぶのは、どうかと思う、あのラーメンです。
    中華ソバなんて呼び方もあるんだが、中国人に言わせると「あれは日本食だよね」って言われちゃう料理界のコウモリ野郎。
    中華料理とどう違うのかっていうと、そんなに違わないと思うんだけどね。
    「中国の麺は、ウドンに近いようなもので、しかもクタクタに柔らかく茹でちゃうじゃん。日本のとは違うよ」ってのは、よく聞く。
    でも、かん水を使って麺に歯ごたえを持たせるのは、もともと中国が発祥で、広東地方の麺なんかは日本のラーメンに近い。
    スープのひきかただって、そんなに大きくは変わらないですね。
    違うのは、日本蕎麦で言う「かえし」でしょうか。味醂と砂糖と醤油を沸騰させないように沸かして寝かせるやつ。味噌を使う場合も日本味噌だしね。そのへんの味付けの違いかな。

    せいぜい1000円もしないような食べ物だからね、贅沢でも豪華でもない。ウマイとかマズイとか言うほどの大層なもんじゃないかもしれない。

    17年くらいまえだ。日清が「ラ王」って生麺タイプのカップ麺を発売して、ちょっとした衝撃だったわけです。
    「こりゃ、変なラーメン屋よりもウマイぞ」って。おれもそう思ったの。
    「いや。それがね」とTは言った。Tは、この製品の開発をよく知る男です。「もっと旨くするのは簡単なんだよ。いくらでも美味しくできるけど、それはダメなんだよ」
    ははあ。コストの問題だな。
    「違うの。あんまり美味しくしちゃいけないんだよ」
    …それは、全国のラーメン屋さんに遠慮して?
    「まさか。そうじゃなくて、美味しいと売れないんだ」
    ごめん。意味がわかんない。
    「だから。あんまり美味しいのは売れないんだよ」
    どうしてなのかは謎なんだけど、旨いことと売れ行きは別のことらしい。
    「旨すぎると満足しちゃって、しばらく買ってくれないんだ」
    そんなばかな。

    昭和40年代半ばに「劉昌麺」ってインスタント・ラーメンが発売されて、これが旨いと大評判だったわけです。売れた。ヒット作。
    だけど一年もしないうちに、ぱったりと売れなくなって店頭から姿を消してしまった。その後、再発売を望む声がメーカーに寄せられて、それは今でもあるんだが、再発売されることはないですね。
    だって昭和50年代半ばにいちど、ひそかに売ったんだもの。「お。懐かしや。これ旨かったんだよな」って、買いました。確かに旨かった。それからしばらく経って、もういちど買いに行ったけれども、もうどこにも売ってなかった。
    やはり前回と同様、リピートしなかったんだろう。
    その後も、いろんな新商品が店頭に並ぶけど、昔ながらの定番商品には太刀打ちできない。
    チキンラーメンとか出前一丁とかサッポロ一番。冷静に味わうと、そんなに旨いもんじゃありません。新商品のほうが、まだマシだろう。
    でも、ぼくたちはラーメンに「旨さ」なんて求めてないみたいだ。
    「なんか、ひと味たりないんだよな~、ってかんじじゃないと定番商品にはなれないんだよ」とTは言う。「それと、コドモのころの舌に叩き込まれた銘柄をひっくり返すのは難しいんだ」
    とうぜん、その味はコドモの代にまで引き継がれるわけで。

    中京で圧倒的な強さを誇る「すがきや」のラーメン。
    他の地方のひとがこれを食べると「これ、旨いかぁ?」って言うのね。馬鹿にしちゃいけない。心を込めてグルタミン酸ソーダを投入しています。あの手のラーメンは全国どこでも、そんなもんだ。
    だからラーメンは旨さなんかじゃないんです。
    コドモの頃の記憶とか幸福みたいなものと何か関係あるかもしれないが、よくわかんない。
    あれは、へんな食べ物だと思うんだ。

  2. 子茶殿、

    >ラーメンのこと。
    国民食というには国籍不明で、あれを和食と呼ぶのは、どうかと思う

    わしにとってはラーメンは「謎の食い物」です。最近は一風堂だかなんだかがマンハッタンに開業したりして世界中で人気があるそーだが、わしはおいしいと思ったことねっす。まずい食べ物なのではなくて「わしには判らん食い物」なのだな、きっと。

    >チキンラーメンとか出前一丁とかサッポロ一番。冷静に味わうと、そんなに旨いもんじゃありません。

    くやしかったら、その名も「マジイ」という会社の即席ラーメンを食べてみたまえ。まじいぞおおおおおー。
    ひと口食べただけで死にます。わしが保証します。

コメントをここに書いてね書いてね

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