前世代の「ツケ」としてのデフレ

日本にいる外国人には外国人なりの「素朴な疑問」 というものがある。
なんで日本のスポーツ番組は北朝鮮のニュース番組に限りなく似ているのかとか、日本の猫はなぜ尻尾が短いのか、とだいたいそーゆーことです。
ニュージーランド人は難しいことを考える習慣をもたないし、テキトーなので、あんまりそれ以上たちいったことは考えぬ。
そーいうとテキトーなのはきみだけだろう、というひとがいそうだが、それをゆってはいけません。物事には一般化することによって話を曖昧にする、ということがある。

とはいうものの、わしはアホを装っているが実はカシコイので(ほんとよ) 、猫を騙して膝の上に載せて尻尾が短い悲しい猫に生まれついた気持ちをインタビューするよりも複雑なことを考えることもあります。
鼻の頭に青いプーさんのバンドエイドを貼ってコンピュータスクリーンに向かっている姿からわしの知能を推し量ってはいかんのだ。
なにをゆっているか判らないひとはツイッタを参照するよーに。

もう何年も世界中のメディアが日本のデフレについて合唱しているが、あれはほんとうに教科書的なデフレとゆえるだろうか、とわしは今日の午後考えました。ほら、カシコゲでしょう。アホはこういうことは考えぬ。
アホというのは愛国心がどうのこうのとかガイジンが増えたらどうのこうのというようなことしか考えないので、もうここでわしがアホとは一線を画したカシコイ青年であるのがわかりますね。
しつこいからこのくらいでやめるが。

だってさあああ。商品っちゅうのは価格があって、価格があるということはその商品を欲しいひとがお金を払うから売れるんだかんね。

最近は、ほら、留学とかするやん。
そうすっと、一年とか住むからスーパーマーケットとか行くやん。

いまちょっと見るとニュージーランドでは特に高いほうでも安い方でもない
「New World」の価格を見ると
http://www.newworld.co.nz/content/42618/NW2806web.pdf
最近無茶苦茶物価が高くなったとは言え、

牛肉のスコッチフィレ(価格が高い部位なんどす)が 1kgで16.99ドル (1000円)
トーストブレッドが2斤で 120円
コカコーラの355ml缶が18本パックで12.99ドル  (780円、一本43円)、 くそ旨い グラニースミス・リンゴ が1kg1.99ドル(120円)とかです。

こういう価格は全部ニュージーランドの消費税15%を含んでおる。

西友スーパーの特売チラシ
http://ipqwww.shufoo.net/c/2010/06/30/c/933784663050/index.html?sid=asp/common&shopId=16841&chirashiId=933784663050
を眺めると、
牛肉バラカルビ用(ステーキ用の肉よりはだいぶん安いであろう)が 1キロで6980円
トースト用のヤマザキパンが2斤では280円
とかであって、だいたい牛肉みたいなものはニュージーランドの10倍以上、工場大量生産パンで 2倍以上、チーズは20倍以上、というわしのニュージーランドと日本の物価比較の感覚に合致してます。

はっはっは。たまにはちゃんと憶えてるやん。
ところでついでに言うておくと、わしは実はパンとかハムとかはニュージーランドではスーパーマーケットでは買いまひん。手作りでおばちゃんやおじちゃんがつくっておるところで買う。
こーゆーものになると、日本ではたとえばわしがいつも一斤3ドルで買ってくるトーストブレッドと同じくらいの品質のトーストは1000円とかなので、ニュージーランドの5倍お金をつまないと買えない。日本は「手作り食品」 がぶわっか高いので有名な国なんです。

ニュージーランドでチーズの値段を見て、げっ、うっそおおお、と思った日本人の年長の友人が理由を日本に戻って調べてみたら、関税が(実質)800%であった。ははは。ハッピャクパーセント。80%とちゃいますねん。800%。

もっとオモロイのはパンの素の「小麦」で、これは民間人は輸入できまへんねん。ホーリツで小麦の輸入は禁じられておる。コカインと同じ扱いですね。
必要に応じて政府だけが輸入できる。
で、時価ではなくて政府が勝手に「えいやっ」と値段を決めて」畏れかしこんでおる無知な民のものどもに下賜する。
言うに忍びないのでゆわないが、すげえええー値段です。

と、そうやって一個づつ見てゆくと、だね。
こんなに価格が政府によって勝手に恣意的に操作されている国で「デフレ」 とかっちても、本来のデフレーションとは全然意味がちゃうやん、とわしは考えるに至った。

ニュージーランドに留学した若者SD_Sieやjosicoは習慣であるからコカコーラをスーパーマーケットで買うとしますわな。
そうすっと、しばらく食品の価格を見ているうちに、「ありいいいいー?」 と思うはずである。
なんか日本と高いモノと安いモノの種類がえらい違うなあ。

いまはほれ、欧州もバブったあとなので、まだ後遺症でだいぶん高いんだけどね。でも牛肉とか乳製品とかは、それでもまだ日本のほうがダントツで高いのは800%の関税とか、政府が一手に輸入している食品とか、訳のわからねーものがいっぱいあるからです。

チーズの価格の仕組みを研究した日本人ジジ友達は「まー、なんだ、日本という国は貿易においては北朝鮮みてえなもんだな」 という感想でした。
わしは北朝鮮、チーズの関税、もっと安いと思うけどな。

こうやって無理からに高くしたものの値段は、市場の当然として、日本人のみんなは買わなくなってゆく。だって非現実的に高いんだから、よっぽどのマヌケじゃなきゃ買わねーよ、そんなの。

前にもゆったが日本では2600円の宇多田ヒカルのCDと、まったく同じCD(日本製)にしかも中国語の歌詞カードまで付いてシンガポールのタワーレコードで500円で売っているのを見て普段日本のCDなんて全然買わないわしでもキレまくりました。
わしはそーゆー、消費者をマヌケと前提した商売をする人間が嫌いなのじゃ。
あとで聴くと、やはり同じことを考えたのでしょう。むかしは日本音楽CDを逆輸入している会社があったが、それも「法律」で禁止したそーだ。

そうやって価格が世界の標準にゆっくりゆっくり近づいていく過程が日本で「デフレ」と呼ばれておるものには含まれているに違いない。

他の、暴力団を野放しにしていたせいで銀行の簿外債権が膨大な金額にふくれあがったり、道路公団の放漫経営を許していたせいで世界中で笑い話になるようなベラボーな高速料金を払うことになったりしたのと同じ、長い間けったいなことをしてきたことの「ツケ」 なのだと思います。

(後日談を記す。この記事に出てくる「友人」とはむかしからブログを読んでくれているひとは知っているシャチョーです。
シャチョーはわしと同じくらいえーかげんなひとなので、自分で関税表を見てみたら29.8%とある。
「あっ、シャチョー、おおうそやん」と思いました。だから電話した。

そしたらシャチョーのお話にあった関税は「実質」であって、何でも「29.8%+985円/kg」という計算式であって、なぜそうなるのかというと「農畜産業振興機構」という団体を通さなければ輸入でけへんのだそーだ。すごい、と思いました。こうしておけば他国からいちゃもんがついたら関税29.8%やん、と答えられて、しかも関係団体でがっぽり、という図式なのだそうだ。なんだかコワイような知恵です 驚いたので、これから自分でも調べてみるところ)

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