ひまなし たそがれ


クライストチャーチとオークランドを往復しているうえに、中東がボロくなったので客人の数が増えて、忙しくなってしまった。
「ガメが忙しいなんて、言葉の矛盾だな」とゆってモニは笑うが、そう気楽なことをゆわれても一週間に二回も、しかも一日に4時間、とか仕事をすると気が遠くなる。
わしは労働みたいに下品なものには向いておらぬのだ。
自然、ワインを飲みながら仕事をする。
昼から、ずううううっと、ワインを飲みながら仕事をするので夕方になると、もう酔っぱらっておる。
そーゆー暮らしを続けていると「ありっ?これはフランスとかの基準に照らしてもアル中なんちゃうか」と思う(アメリカ基準ではゆうまでもなく立派なアル中ですね)ので、好きなワインをやめて素面で仕事をする日まで出てきてしまいます。

たいへんなんです。

もともと一年に3回くらいしか仕事をしないやつに、週に二回も仕事をさせるとどうなるかというと、著しく機嫌が悪くなります。
育ちがよいので他人を怒鳴りつけたりはしないが、ときどきいちばん速いコンピュータに電源をいれて、オンラインゲームに乗り込んで、あんまり強くもない相手をなぶり殺しにしたりする。
そういうときのゲームの勝ち方に容赦がないので、しみじみと、わしの前世は猫であったに違いなし、と思います。
むかし、わしがチョー可愛がっていた猫は小鳥をみつけると、まずおもむろに両目をつぶしておいて、それから思い切りいたぶって、飽きてしまうまで存分に残虐の限りをつくすのを午後の愉しみにしていた。
猫というものが「言葉」というようなものを持ち合わせなくて、神さまと同じくらい純粋だからでしょう。
目もあてられないような殺し方をする。

なんの話をしようとしていたんだっけ?

おー、そうだ。

しかし、そうこうしているうちにシンガポール人達がおっとり刀で駆けつけて中国人たちの面倒を見てくれたり、ロシア人達がピザをとりそこねてマヌケにもタイで座礁したりしているあいだに、事態は進捗して、あと2週間もすれば。また毎日プーが出来るだろう、というところまで解決した。
相変わらずひとびとの期待に反して運がよいわしは、クライストチャーチの凍死物件すら無傷であって(タッチウッド)、人々の手伝いをするためだけにクライストチャーチに出かけるだけ(たっちうっど)、友人達の手を握りしめたり、肩に手をまわすだけが仕事だが(Touch wood! Touch wood! Touch wood!) それももう終わりに近づいている。

前にも書いたように町が復興するには15年がとこは必要で、当面はクライストチャーチの人口は一割くらいが減って、国全体のGDPも5%から7%くらい低下すると言われているが、しかし、ニュージーランドというのは苦難が生じるとたちまち助け合って結束が強くなる、という貧乏人根性にみちみちた国なので、案外あっというまに「New Normal」(クライストチャーチ復興の合い言葉)に到達できるようにも思います。

わし自身は、そういうわけであるから、あとは自分の仕事のひとびとに任せて、来週もう一回クライストチャーチも出かけたら、予定通り、6ヶ月の大遠征に出かけることにした。

大遠征、ちゅうても、もう日本は遠征地、ちゃいまんねん。
5年間、11回に及んだ日本遠征は、いかにも身内の評判が悪かった。
わしはごく少数の人間を除いては英語しかちゃんとできひんことになっているので、
(ほら、脳がない鷹は爪を磨く、というではないか)
「言葉も出来ない国に何をしに行っていたんだ」とか「あんな変態趣味で旅行先を決めるのではモニさんがかわいそうだ」とか、甚だしきに至っては
「ガメはくだらん遠征にうつつをぬかすくらいアホなんだからモニさんは是非すぐ離婚して残りの世界の男たちに希望の扉を再び開かなくては」とかいう言語道断なバカタレまでいるそうだが、
なにゆーてんねん。

思わず、かっとなってしまった。

しかしたわけた遠征をしていて2年間の長きに亘ってマンハッタンにも欧州にも戻らないあいだに、いかにも事情がわからなくてたわけてきたので、戻らないわけにはいかむ。

そー。
すなわち、わしは、むかし取った杵柄、いやじゃ有馬の水天宮、あの懐かしいマンハッタンと欧州に戻ることになったのだ。

結局、今年はニュージーランドに4ヶ月半しかいないことになってもた。あとで二週間くらい戻ってくるが、半年はいるべ、という計画が狂ってしまった。
でも、いちばん良い季節にいられたし、もって瞑すべし(ははは、「 もって瞑すべし」使ってしまった。かっこいい)であると思う。
4ヶ月半の滞在だと他の国でゼーキン払えるし…あっ…

そーゆーわけで、わしは、何かよーかの九日十日(念の為にいうと七日八日九日十日、という駄洒落である)と呟きながら暦を繰っては、マンハッタンの古い友達に手紙を書いたり、欧州のむかし懐かしいフランス婆の宿に電話をいれたり、モニとふたりで、きゃっきゃっ、と喜びながら、欧州横断ドライブ計画を立てたりして喜んでおる。

もうすぐjosicoはんが、かっちょいい内緒でひそひそバカたれな会話が楽しめるフォーラムをおったててくれるよーだが、お友達諸君、それまでは、ブログであうべな。
ツイッタは日本語ではいっぱい書けるから疲れるし、わしの日本語頭は話が辛気くさくなるのでいかむ。
どーも、明治文学(明治大学の文学、という意味ではありません)で日本語を構築したのが拙かったようだ。
このあいだ暇つぶしにつくった「日本語ツイッタ年齢測定ソフトウエア」で自分のツイッタを測定してみたら「84歳」であった。

ぬははは。

もっとも英語のほうは「187歳」とかだったから、ソフトのアルゴリズムが杜撰なだけ、とゆえなくもないが。

ともかくかくともとかもくもとかく。
またブログにすがって日本語能力を維持しなければ。

近況なんだぞ、これ。

でわ。

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5 Responses to ひまなし たそがれ

  1. nenagara says:

    twitterからおらへんようになってたから「どないしてはんのやろ」と思ってましたが、そーゆー日々だったですか。
    blogもまたまたcloseされるに違いないと覚悟してたけど、やや安心。日本語まだやめんといてね。

    今回の件は、本当に言葉にできない。「頑張って下さい」って言うか「大丈夫」って言うか、うん、まぁ、うん、とにかくただただ祈っております。
    それと、「New Normal」って言葉の意味は分からないけど、すぅっと心に染みこんでくるような、しなやかで明るくて強い言葉だと思いました。

  2. ぽんぴい says:

    死には何億通りもの色とりどりが在って、光ったりくすんだりしています。
    輝いたまま死んでしまう人も、腐った肉の様な死に方をする人もいます。

    医者の眠り、大工の眠り、少年の眠り、少女の眠り、
    建築家の眠り、資本家の眠り、小説家の眠り、寒い夜の乞食の眠り、と、眠りにも無数の種があります。

    同じ人にも、午後の、朝の、深夜の眠り、あるいは安らかな眠り、苦しみの眠り、泥酔の眠り、覚醒した知の眠りなど、人は無数の眠りを眠ることが出来ます。

    異性の眠りを二つ、べったりとくっつけて、二が同じ空間に眠ることを愛と言いますわな。

    眠りは覚醒の作品ですから、ボクは寝ている恋人に話し掛けることにしております。
    おやすみ! とか、また明日ね! とか。

    ともかく、過去には近付くまい、と、ボクは思います。

  3. Nenagaraどん、

    >twitterからおらへんようになってたから「どないしてはんのやろ」と思ってました

    ツイッタ、日本語に限らず、だいぶん飽きてまんねん。
    それと日本語のほうは利用する人が増えるにつれて2ch化してますのい。
    ヘンなひと増えた。
    わしのような成熟したオトナは違う遊びを発見したほーがええんちゃうか、と思ってます。
    発見したら、誘いにいくからね。
    遊びにきてね。

    >「New Normal」

    地震のあとのインタビューで、みなが自然に使うようになった。
    「これからノーマルな生活に戻さなければ…」といいかけて、「でも、こんなに見慣れたものが壊れちゃったら『元』にはもどるわけがないな」と、気がついて、「新しいノーマル」と言えばすんなり言葉が出ると気がついたのだな。

    せいぜい、小さな国の仲間同士てをとりあって、ぼちぼちやりなおしてまんねん。
    20年もすればなんとかなるのではなかろーか。

    ぼんぴいさま、

    >眠りは覚醒の作品ですから、ボクは寝ている恋人に話し掛けることにしております。

    ぬわんか、ぽんぴいの口から聞くと、実は「恋人」はとっくのむかしに死んでいて、もう死んでしまった恋人にベッドに並んで座っているぽんぴいが話しかけているよーで、猟奇だのい。
    こえー。

    >ともかく、過去には近付くまい、と、ボクは思います。

    正しいのい。過去は、いつでも邪悪なものである、と思います。

  4. ukaino says:

    日本の東北地方で地震が起こりました。
    大変な状況ですが、何とか皆冷静に対処しています。
    帰国からも援助隊をお送りいただけると報道を見ました。
    困ったときは相身互い、という言葉が思い出されます。
    本当に有難いです。

  5. 鵜飼さん、

    皆、日本の人のために心から祈っています。
    今度の地震では日本語以外の言語でしか情報の交換その他はやってません。

    ただ、ヘンな人でないのが判っている人とは日本の人とも情報の交換をしている。
    わしらが目下緊急に心配している事をメールに書いて送っておきました。
    これについて何か判っている事があったら教えてくださいますか?

    皆で検討する材料にしたいと思います。

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