Daily Archives: May 3, 2011

値札の付いた絵を見にゆく

1 オークションに出品される作品の下見に行った。 マンハッタンのサザビーズはルーズベルト島へのロープウエイの駅がある、(わしのアパートから見ると)すごおおおく北のほうにあります。 遠いんだよ。 わしはあんまり寝てなくてへろへろなので「タクシーで行くべ」と提案したが、モニさんは「良い季候だから歩いていきましょう」という。 うそおおお、眠いよお。 75thだよ、あそこ。 60ブロックあるねんで。 タクシーで行こうよお。 ダメならせめて地下鉄にしてくれ、とさんざん駄々をこねたが、ずっと駄々をこねながら歩いていたらグラマシーの辺りで調子がよくなってしまって元気になってしまった。 これだから、自分の身体は信用できない、と考えました。 懐かしい感じのするサザビーズの回転ドアをまわしてはいると、そこには大きな美人が艶然と微笑んでおる。 生姜色の髪に血色のよい頬、聡明を形にしたような額に、きみの眼ん玉にはクリスタルがしこんであるのかね、とゆいたくなるようなキラキラと輝く明るい青い眼が眼鏡の奥に輝いておる。 だから「美人」というほうは衆目の一致するところ問題ないとして「大きい」というほうは説明がいります。 ブログに書いちまうべ、と思ってさりげなく身長を確かめたら6フット2であった。 わしはごく最近までフットからセンチメートルへの変換に失敗して自分の身長も186センチだと思っていたくらいであるから、わしのcm感覚はあてにもならない。 今回はこの女びとの身長をグーグルセンセイにマジメに計算してもらったら、189センチであるそーです。 センセイ、計算、すごい。 モニさんは細っこいまま、ぴょおおおんと伸びて背が高いが「大きな美人」Kは、5フット6くらいのひとが微妙に縮尺を間違えて電送チューブから転送されてきました、ちゅう感じです。 全体に均整はとれているが、普通のひとが1割がたおおきくなったと思えばよろしい。 このひとは、美術型Rロボットみたいなひとであって、出展される作品についてすみずみまで知識をもっている。 美術史的な知識のみならず、前の持ち主、そもそもどういう経歴で作品が会場にたどりついたか、作家が美術史に占める位置、なんでも知っている。 帝国美術データバンクですのい。 画家が倒産したりすると、もう次の瞬間には知っているかもしれない。 与論島に住んでいる画家の年収を訊いてみようかしら。 ゴーギャンがでっち上げた胸像が12億円くらい。 マグリットのQuand L’Heure Sonneraが6億円くらい。 ピカソのFemmes Lisantが25億円。 たけえー、と思いながら、「説明するかね」というKに、「絵を観るだけでいいぴょん」とゆって、主にわしひとりとモニ+Kの二手に分かれて会場をうろうろするたわしたち。 こーゆーものも、当然ながら経済と連動していてたとえば合衆国の景気がよくなると現代絵画、とりわけピカソがびよよよよよおおおーんと高くなります。 おおむかし、日本の景気がよかったときはルノアールやゴッホ、シャガールの値段がやけくそみたい、っちゅうか、0が集団で行進しているようなバカ値段になった。 ところが合衆国の経済がおっこちてきても値段は案外こけないで高値で安定するので、だんだん「投資」として美術品を買うバカタレが出てくる。 バカタレというものは衆を為すという傾向があるので、みるみるうちに市場にバカタレが充満して最近はなんだか商業ビルの競売かこれは、という雰囲気になってきた。 なかには「俺が死んだら愛するゴッホの『ひまわり』と一緒に葬ってくれ」とバカタレが10乗されたようなキチガイバカタレの日本の生命保険会社の社長まで現れるようになった。 クリティーズだかサザビーズだかの社長が日本を名指しで「このクソ成金のおおばかたれが」と罵倒したのもこの頃だったが、それを聞かされたほうの反応は「あんたの言うこっちゃおまへんがな」であったと思います。 両方ともはっきりゆって不良会社だからな。 わしは「におくえん」とかゆわれると、もう自動的に美術物欲にシャッターがおりて、ゆってみれば長谷の大仏を眺めるように、ごく清明な清らかな気持ちになってしまうので、目玉の作品群は「たけえええー」と思っただけであった。 … Continue reading

Posted in アメリカ, ゲージツ | 2 Comments