Daily Archives: July 8, 2011

ビルバオへの道

バスクのフランス国境から歩いても行けるくらい近い町にいる。 コモ湖から1500キロだが、神速はわしの特徴である、なんちて。 窓から見ているとダムバスターみたいな飛び方で双発ジェット機が海面をなめるような低空を飛んで突っ込んでくるが、それは空港がそばにあるからです。 空港といえば、ピレネーの山の中をエメンタールとハムのサンドイッチをかじりながら追い越し車線を内緒な速度で神速していたらモニが「ガメ、あの飛行機、あんなにゆっくり飛んで何しているのだろう?」というので、指さす方を見ながらトラックを追い抜いていたら、もう少しで激突するところだった。 フランス人たちは干し草を移動するのにカバーをしないままトラックで移動するので、激突したら干し草が飛び散ってさぞかしかっこよかったと思うが、シトロンの接近センサーがピーーーーーとひきつけでも起こしたようになっただけですみました。 失速寸前の速度で、ゆっくりゆっくり高度200メートルくらいの低空を旋回するC4からは、人間が次々に飛び降りてあっというまに6個の落下傘がひらいて、低空からの標的降下練習をしているもののようであった。 スウェーデンに行くつもりだったが、やめた。 フルが流行っているちゅうので、あんなクソ退屈なところで風邪をひいて寝込んだらやだもんね、と考えました。 お菓子がおいしい国なので、いいかなああーと思ったが、また今度にすることにした。 コモ湖の外れの村から700キロ。昨日はニームの郊外にあるむかしの農園主の家を改造したホテルに一泊して、サーモンのテリーヌから始まってフランス人の料理らしい複雑な構成のソースがかかったフランス式の焼き鳥(シェフが日本に行ってベンキョーしたきたそーだ)を食べた。赤ワインを一本とロゼを半分飲んでモニとふたりでちべたい水が気持いいプールで泳ぎました。 天気が34度で湿気付きだったからな。 娘が大阪に用事があって出かけるので放射能が心配な受付のおばちゃんも、こんなクソ天気は早く終わってもらいたい、と嘆いておった。 フランスは、前にも述べたようにクルマでフーコーがメイビーな、風光明媚の、田舎道をクルマで神速しながら移動してまわるために出来ている。 「ミシュラン」というタイヤの会社がつくったガイドブックは、フランス人が世界一の休暇ドライブ国民だから存在するのです。 そこいらじゅうで妍を競っている三つ星から三つ星へ渡り歩いて、食事がおいしかった料理屋や見るからにカッチョイイ建物と庭のたたずまいの門のなかへクルマを乗り入れて、宿はあるかのお、と訊いて歩くのが最も安全だが、英語なんか金輪際話さない、と顔に書いてある頑固ばーちゃんがやっている、蒸し暑い空気を天井の扇風機がぶんぶんかきまわいているようなバーがある、二つ星のホテルにも途方もなくカッチョイイホテルがあります。 そーゆーホテルのおばちゃんやねーちんは著しくプロ意識に欠けておるので、 あーあぢーと思いながらシャンパンを飲んでおると、一緒に飲むべ、とゆってカウンタに肘をついて飲みながら相手をしてくれる。 客が来ても、酔っ払ってくると、めんどくさそーに追い返したりする。 フランス語を話さないよーなメンドーな客はお断りである。 なまっているフランス語の客はもっとカンに触るよーである。 どーしよーもない、というべきだが、わしはいつでもどーしよーもない人が好きなのです。 客室はボロイが広い。 中庭には、ホテル全体と釣り合いがとれない、(花に囲まれた)豪勢なデカイプールがあったりする。 夕食のメニューないの?と訊くと、 はっはっは、と笑って、ラムのカバブなら、わたしが作ってあげるよ、といったりする。 本来四つ星のホテルなのに、経営者、すなわちおばちゃんがやる気が全然ないので二つ星なのが判ります。 二つ星ホテル、というのは、このアンバランスな所が魅力である。 それ以下でももちろん良いホテルはあるが、もとから知っているホテルであるか、僥倖というものが必要であると思う。 むかしは、そういう大陸のホテルのバーの昼下がりに、冷房くらい買ってつけろよクソジジイと思いながら、酒を飲んでいると、そのクソジジイが突然おもいついてかけたモロッコの曲がかかって、その見知らぬ強烈にもの悲しい旋律に涙がこぼれたりしたものだった。 閑話休題。 町外れのピンチョスバーで、(ピンチョスという食べ物はバスク人の発明なので、あたりまえだが)この世で最もうまいと思われるピンチョスを6個大皿に載っけて、ビノ・ティント・デラ・カサを一杯、「もうちょっと多めにいれてね」とゆっていっぱいついでもらったのを、おっとっとと思いながらテーブルにもっていて食べる。 きみ、バスクでピンチョス食べたことありますか? あれば、判るはずである。 なければ、はっはっは、けっけっけ、ぷいぷいぷいのぷい、この上なく気の毒である。 パンにペーストやハムやチーズを載っけただけなのに、なんでこんなにうまいんだ?と いろいろなひとが悩むが、あんまりうまいので、すぐ悩むのをやめて、うっとりするほうに専念します。 ピンチョスのつけあわせの、オリーブ油にどっぷりつかって、白アンチョビさんが悩ましい身を横たえているのはバルセロナと同じだが、なにしろ、社交クラブで、いーとしこいたおっちゃんたちが毎週末には、一週間考え抜いたレシピで料理をつくって、「どーだ、うまいだろ。意外な味だろ−。驚いたか」と料理の腕比べをするというアンポンタンな(あ、失礼しました。モニさんのゆいかたに変更すると「かわゆい」)土地柄である。 そのアンチョビさんの白いなめらかな肌に、生ニンニクやみじん切りのペッパー、白タマネギ、ちゅうようなもんがどっちゃり載っておる。 マオリ人たちのボートによく似た伝統的スタイルボートを漕ぐガキどもが夏の空によくひびく声で、これも伝統にしたがった歌のようなかけ声をかけあっておる。 石畳の坂道では、赤ちゃんのバギーを手で押さえた若い母親がものうげに煙草をふかしている。 … Continue reading

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