Daily Archives: August 19, 2011

Hotel Ambio

かーちゃんに連れられて歩き回っていたガキわしの頃は、ホテルというのは部屋がふたつ以上はあるものだと思っていた。 後年、自分ひとりで旅行するようになって初めて、たとえばマンハッタンの5番街にあるヒルトンのように、「部屋が狭すぎてスーツケースをふたつ置けない」というようなホテルに宿泊して世の中の厳しい現実というものを学習したのだった。 いまは、そのヒルトングループの合理化が裏目に出て名前だけのくだらないホテルに成り下がってしまったがウォルドフアストリア http://www.waldorfnewyork.com/photo-gallery/waldorfastoria.cfm?LinkToGo=waldorfastoria1 はむかしは子供心にも良いホテルであって、機転の利く下町訛りのボーイさんや、愉快な部屋係のねーちんたちがいたのは、20世紀の終わりくらいまでだったろうか。 その頃は、ニューヨークにアパートを持っている人達も、部屋の支度が終わるまで、とか欧州との行き帰りには随分このホテルを利用していたように思います。 いま振り返ってみると、かーちゃんの旅行は万事欧州式で、ヴェニスのようなせまこしい町でも、狭い水路をはいって、玄関につくと、その先に案内される部屋は広大なもので、 万事が合理的快適であることをめざすアメリカ式の宿泊施設とはだいぶん違っていた。 わしなどは、ケチなのと甲斐性がないのとで、たとえばカリフォルニアに行くと 「 Embassy Suites」というようなところに泊まる。 Embassy Suites http://en.wikipedia.org/wiki/Embassy_Suites_Hotels というのは、アメリカ中、特に西海岸にたくさん転がっている家族向けのホテルで、気楽で快適な、いかにもアメリカ式のホテルです。 名前通り、全室がスイートになっていて、安い。 往々にしてレインフォレストカフェ風のコートヤードにレストランがあって、朝食がただである。 メキシコ人のにーちゃん、とかが卵を焼いて、ベーコンやハムを添えて出してくれます。 あとはブフェになっていて、自分でテキトーに盆にとって食べる。 あんまり安いホテルに泊まらないかーちゃんが、大昔、わしをディズニーランドに連れてきたときにアナハイムの Embassy Suitesに一週間泊まって以来、わしはこのホテルが大好きであった。 欧州人にとっては、アメリカのチップの習慣はビミョーによく判らん。 ルームサービスには初めからチップが含まれているが、食事をもってきたおっちゃんと面と向かえば、やはりなにがしかあげないと悪いよねえ、と感じたりして、一時が万事ビミョーだが、 Embassy Suitesの場合は、簡易的な台所もあったり、荷物のワゴンも自分でおしていこうと思えば、そう言って押して行けばよい、チップを払う機会が少ない。 全体にリラックスした雰囲気が好きなので、いまでもよく泊まります。 こういう庶民的なホテルにまったく泊まったことがなかったモニも、すっかり喜んで、わしらは夫婦で愛好しておる。 団体が来て週末にバカ騒ぎがあるとコートヤードにバーがあるせいでうるさいそーだが、予約するときにレセプションに訊けば、うるせー団体がくるかどうか教えてくれるので、そのときは、もうちっと良いホテルに泊まればよい。 一般に欧州の良いものは、普通の人間、というか外国人には見えないようになっていてアクセスを拒絶しているが、アメリカという国は、そこがよいところで、誰にでもアクセスできる快適なものがたくさんある。 大学生のビンボーわしが俄然気に入ったのは、日本のひとも当然しっているひとはたくさんいるが、「All-inclusive」という、たとえばカンクーンのようなアメリカ資本の巨大開発で出来たリゾートの習慣で、いったんチェックインすると、「オカネ」ということを考えなくて良いようにした工夫である。 プラスチックの腕輪を腕につけて、ピッと外れないように留める。 腕輪に色が付いていて、その宿泊客が何日まで滞在するか判るようになっている。 わしがよく泊まったホテルは、ホテルのなかに軽食からフォーマルな食事まで5つのレストランとプールのまんなかにあるのを含めると6つのバーがあるが、そのどれで何を食べて飲んでも、タダである。 オカネを払わなくてもいいのね。 初めに支払った宿泊代にすべてが含まれているのです。 これは考えてみると、アメリカ人の、豊かな国の国民らしい考え方に立脚してもいて、たとえば、どうせ同じ金額を払うのだから、3食全部いちばん高いレストランで食べよう、という客が多いと、もうすでに崩壊するしかないサービスである。 払う金額が同じでも、ホットドッグが食べたいときには、「得」だからといって無理をしてステーキを食べない国民性だから成り立つ。 むかし欧州から旅行でブロンクスにやってきた人が、ビールを一杯たのめばローストビーフサンドイッチから何から食べ物が全部タダ、という肉体労働者のおっちゃんたち向けのパブに紛れ込んで、すっかり仰天してしまい、アメリカにだけは勝てない、という愉快な文章を書いていたが、アメリカという国は、もともとそういう「ランド・オブ・プレンティ」な、おおらかな豊かさに良いところがあるのだと思う。 … Continue reading

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