「落ちこぼれ」の弁


「ガメ、きみは騙されているんだよ」と言ったときのTさんの真っ青な顔色を忘れられない。
わしは、その頃、大きな開発をまるごと買い取る話をすすめていて、仕方のない成り行きでほぼ自分の人生がかかっているような具合になってしまっていた。
去年の二月頃の話です。
ブログを昔から読んでくれているひとたちのために言うと、あの最初から最後までバカバカしい(というほどの価値もない)なりゆきの「ごぼう」の頃ね。
みなが憶えているように、いつのまにか英語の達人になった500人ばかりの「はてな市民」たちによって、わしは「ニセガイジン」ということになったが、だから、そういうことはどうでもよかった。
どうでもよかった、というのが不適切ならば、それどころではなかった、のでした。

詳しい経緯を書くわけにはいかないし、そういう気持ちも起こらないが、Tさんが自分の会社の金庫から盗んできた一枚の紙は、わしを騙して何○億円という金額をまきあげようとする、そういうことを計画することを得意とする人達特有の巧妙さでつくりあげた、およそ現実味に欠けるといいたくなるほど、精妙な計画が記されていたのでした。

わしは、混乱して、ぶっくらこいて、あわあわしていただけだったが、BKやPCをはじめとする、わしのスタッフは素早く活動して、わしを救い出すのみならず、相手を破滅に追い込んでいった。

ずっと後になって、わしは、わしを陥れようとしたあの香港人の「右腕」だったTさんとモナコに近いフランスの町であったが、そのときも「なぜ助けてくれたのか」を訊いたのに、Tさんは、なんだか不思議な、悔しそうな表情を浮かべて、わしを見つめるだけだった。
別れるときに、ふと、思いついたように「ガメ、きみは自分というものに感謝したほうがよい」とゆった。

たった一瞬しか時間を共有しなくても、強い友情を感じるということが人間にはある。
旅行しているときにもあります。
28年も生きていれば、だいたいどういう人が自分の友達なのかもわかってしまう。
でも誰が自分を救ってくれるのかは判らない。

わしは、どこまでもアホなので、むかし、まるで理屈というものを無視して、わしと一緒にいようとするモニに、なぜ、そうまでして、わしという不良と一緒にいようと思うのか訊いたことがあった。
いま振り返ってみるといかにも幼かったモニは「あなたを愛しているから」というだけだった。
泥酔したわしがからかうように、なぜわしを愛していると判るのか訊くと、「あなたには判らない言葉でわたしには判るのです」という。
わしは、モニの子供っぽさに笑ったものだったが、ここまで読んで気がついているひともいるに違いない。
賢しらなわしの魂よりも一途なモニの魂は、遙かにたくさんのことを知っていたのであって、わしは、ほんとうにくだらない人間だった。

モニがわしに向かって差しのばしてくれた腕にすがって、わしは、ここまでやってきたのに過ぎない。
日本人の友達から来たメールによると、件の作家のひとは、あの後も、わしには見えないところでこそこそわしの悪口を言いつのっていて、そのなかのひとつで、わしのことを「白豚の落ちこぼれ」とゆっているそうだが(^^)、わしは太っていないので「豚」はあたっていないが、落ちこぼれは当たっているであろう。
学歴という意味ならば、わしの出た学校は「世界大学ランキング」みたいな進研ゼミの企画なのかこれは、ちゅうようなランキングではよくわからん評価が高い大学なので作家の出た大学がどこか知らないが、あんまり、そういう譏りを受ける必然性はないようだ。
とゆーかあの作家がトーダイなのかキョーダイなのか知らないが、そーゆーのって、「イジメ」ちゅんちゃうのか(^^)
でもさ。
わしの学歴やなんかは作家がわしのバカっぽい文章から想像したよりも高いようだが、「天才作家」にゆわれなくても、「おちこぼれ」だよねえー。
あまりに当たっているので笑ってしまいました。
あの自他ともに認めるエリート作家のように、他人を絶対者として裁判するほどの大才に恵まれた人とは違って、わしは、わしの友人達と同じで、神様の世界が信じられなかった「おちこぼれ」なんです。
お互いの知性に相談しながらちまちまと暮らす、謂わば、零細知性者の群れなのである。

おちこぼれ同士手をとりあって、なんとかやってゆくべ、と呟いている心象風景というようなものは、作家やインターネットでもっともらしいこと(放射性物質は危険でない、私は言葉など信用していない云々)を盛んに発言して言いつのる作家のネット相伴のような「天才集団」には判らないもののようだが、
いいも悪いも、
それしかやりようがないからな。

「人間の真実」みたいなものは、落ちこぼれと罵られる、わしらの側にしかないと盲信してやってゆくしかないと思うのです。

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