Daily Archives: October 13, 2011

太陽を待つ

1 嵐が来そうなので、わしは船をみな艇庫にいれるように言いにいった。 案外、明日も低い空が垂れ込めるだけで嵐は来ないかもしれないが、文句をいう奴はいません。 素人バンドのようにして始めたのに、いつのまにか、お互いに言葉が通じるようになってしまった。 いまでは、あんまり説明しなくても、考えていることを共有できるようになった。 世界中の経済が破綻の危機に瀕しているのは誰の目にももう明らかになった。 余剰の金を持つひとびとから欲望を募集して、それを「運営」して幾許かの利益を常に出し続けなければならないファンドマネージャーたちや金融家たちは別だが、わしのような零細な投資家は、(自前なので)手綱をひいて、郎党どもと家に帰るだけである。 モニさんは、まるで神が宿ったような集中力で、自分の身体のなかで育ってゆく未来を見つめている。 風が冷たいからやめておく、といって暖かい家のなかにいます。 ばかたれなわしは、相変わらずTシャツ一枚で、うろうろしているが、ゆるやかな芝生の傾斜を降りて、ガゼボのテーブルに紅茶をおいて、午後の雲のむこうの小さな太陽を眺めている。 自分は、ほんとうに、あの日本という国に行ったことがあるのかしら、と考える。 前にブログに書いた頃、あのときには場所の名前を書かなかったが、ニューオータニ・ホテルのてっぺんのバーでモニとふたりで、頬杖をつきながら、東京の夜景を観ていた。 「ガメが、この国を好きなのはなぜだろう?」 とモニが言う。 モニの目の前には、鮮やかな緑色のグラスホッパー。 「別に、好きじゃないよ」というと、 モニが、あの5歳児みたいな、無垢のなかできらきらと輝いているような笑顔を浮かべて、おもしろそうに笑っている。 前に「純粋」ということについて書いたことがあった https://gamayauber1001.wordpress.com/2009/10/01/%E3%80%8C%E7%B4%94%E7%B2%8B%E3%81%95%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/ が、モニのようなひとの純粋さは、そういうものとは、また違うもののよーである。 いや、やっぱりおんなじものかしら、と思っていると、 モニの国の言葉から英語に切り替わって、「頑固だな」という。 You’re so stubborn. そーですか。 自分では、そう思ったことはないけどね。 チビガキのときから、そーゆわれる。 一度、心を閉ざしてしまうと、ガチガチに頑固で、中央銀行の地下の金庫の扉のよーだ。 神様の言う事だって聞きやしない。 もちろん、そーです。 この世のなかで、わしに声が聞こえているのは、モニだけである。 そのモニにまで、頑固、とゆわれる。 そーゆえば、東京のどこかで頑固寿司、っちゅう看板を見たことがあったな。 2 中国のひとには、自分達を遠くから見つめる能力がある。 「中国人は」とゆって、一般化する能力ももっている。 日本のひとが、「日本人」と言って批判されると、「わたしは日本人だが、わたしは違う。同じ日本人だからと言って、『日本人』と言って一緒くたにされるのは不愉快だ」と必ずいうのと、好対照をなしている。 前に住んでいたパーネルの近所に、一日中、電動鋸で自分の家の庭の木を切り倒している中国人の夫婦がいた。 この夫婦は、パジャマで、ドライブウエイを歩いておりてきて新聞をとってゆくのでも近所中で有名だった。 … Continue reading

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