日本の古典_その4 RCサクセション(忌野清志郎)

どんな音楽が好きか、どんな音楽を聴いているか?という質問くらい答えに窮する質問は珍しいと思う。
好きだと考えたり、聴いてみて、いいな、と思う音楽は音楽に浸かって暮らしている人間ほど年中変わっているからです。
音楽が好きな人間ほど、聴かれたくない質問のひとつなのだと思われる。

昨日聞いた音楽を思い出してみると
このブログ記事にも何度もでてくる

Grace Potter & The Nocturnals

Sa Ding Ding

Miguel Bose ( y Amaia Montero)

Shakira (y Miguel Bose)

Buika

Easy Star All-Stars

Mari Boine

Sinik

ちゅうような面々の音楽を相変わらず飽きもせずに聴いていて、それにうんざりしてくると、インド人たちのFM局やWBGOを聴いたりしていた。

音楽を聴いて、すっかり衝撃を受けてしまった、というのは、
むかしフィフスアヴェニューのラジオ・シティの近くにあったHMVの地下にDVDを買いに行ったら、たまたま流れていた
Salif Keita 

が最後で、それは考えてみると、もう12年も前のことである。

忌野清志郎を初めて聞いたのは鎌倉の義理叔父の母親の家で、その家にはApple IIがあったりFM7があったり、あるいはPC9801VM2という「テキストVRAM」という面白い工夫がしてあるNECのコンピュータがあったりで、そのうえ、観世栄夫の「井筒」を録画したVHSはあるは、大橋巨泉といまの奥さんだという若いアナウンサーがDJというか、リスナーのダジャレの審査をしているヘンテコな番組から突然
1910 Fruitgum Companyの「Simon Says」
http://www.youtube.com/watch?v=7k1hr2DnzPo
が流れてくるわで、なんだか家全体がとびだす絵本みたいな家なのである。

そーゆー、いっそこのまま博物館にしちゃえば、な家で「これ、聴いてみてよ」とだいぶん先のクリスマスプレゼントをかねて義理叔父からもらったのが、
RCサクセションと忌野清志郎のフルセットで、あとでニュージーランドに送ってくれた、このフルセットとやはり義理叔父が選んでくれた弘田三枝子やなんかの60年代のレコードの詰め合わせが、ニュージーランドの「町の家」にあるゆいいつの日本のレコードだった。

忌野清志郎の原点は、RCサクセションの「楽しい夕に」であるよーな気がする。
義理叔父の証言によると70年代にネットワーク局に出入り禁止になってからも「横浜テレビ」には出ていたそーで、その頃、
「九月になったのに」http://www.youtube.com/watch?v=l-NNo8sN9vA
「もっと落ちついて」http://www.youtube.com/watch?v=n9Euzdkp56w
がはいっている1972年に出たこのアルバムには、もう「忌野清志郎」がいっぱいつまっている。
とくに「もっと落ちついて」は若いというのもばかばかしいほど若かった作詞者の忌野清志郎の一生をかなりの範囲で「規定」してしまっただろう。
清志郎というひとは、途方もなくマジメなひとなので、自分でつくりだした、「ボーイフレンドのバイクに乗って」自分へのラブレターを出しに行く「あの娘(こ)」が清志郎のあまり長くはなかった一生におおきな影響を与えなかったとは考えにくい。

おおむかし「忌野清志郎」というブログ記事
https://gamayauber1001.wordpress.com/2009/07/17/忌野清志郎/

にも書いたが、その次に忌野清志郎が「素」の顔で登場するのは
1976年にまったくやる気のないバンドの、初めから売れないことが運命づけられたアルバムとして発売されてすぐ廃盤になった「シングル・マン」で、これには
「甲州街道はもう秋なのさ」
http://www.youtube.com/watch?v=5eNJGpwgnWI
という、わしの好きな歌がはいっている(^^)

年譜のようなことを述べる気はないが、このあとRCサクセションというバンドはほとんど「消滅」してしまう。
「あんた、グルーピーだったんちゃう?」とゆいたくなるほどRCサクセションが好きだった義理叔父が、RCサクセションの「ライブ」(ヘンな日本語だのい)があると聞けば、「テーブルのあいだを這い回るゴキブリの数のほうが観客よりもずっと多いような」
(義理叔父談)
「ライブハウス」を授業もデートもすっぽかしてとんでゆく、という「どさまわりだけど、けっこうパンク」なバンドとしてRCサクセションが再び登場するのは、もう70年代の終わりだったそーである。

義理叔父が「雨が降る日に並んだのはあとにもさきにもあの日だけ」という久保講堂のコンサートにでかけて、あとでお馴染みになるスタイル、「ゴン太2号」と清志郎がステージの端から端までコント55号の坂上二郎と萩本欽一
http://www.youtube.com/watch?v=BkHSSmBrOKQ
みたいに走り回り、後ろではジャズっぽい管楽器が精確なリズムでバックアップする、というRCサクセションのスタイルを大観衆が歓呼して熱狂する、というボロイRCサクセションしか知らない義理叔父をびっくりさせたコンサートは大成功で、RCサクセションの「のり」は一挙に日本中に広まってゆく。

義理叔父はその頃頭のいかれたトーダイセイだったはずだが、清志郎たちがたくさんの人間たちに「うけた」のが嬉しくて、
「もういいや、これで、なんだか、もうなんでもいいや」、よかったなあー、こんなことってあるんだなあー、と思ったそうです。
そうして、その日が義理叔父がRCサクセションのコンサートに行った最後の日になった。

わし自身は、かーちゃんシスターと義理叔父にプレゼントされたころは、おもしろがってよく聴いていたが、すぐにほとんど聴かなくなってしまったが、
思い出してみると、
「誰かがベッドで眠ってる」や
「ドカドカうるさいR&Rバンド」

が好きだったよーな気がする。

考えてみれば、マンガやアニメを別にすれば、これからあとの未来にも、中国のひとびとや半島人が永遠にとどかないかもしれないとおもえなくもない、日本というマイクロ文明の高みをしめしているのは、
RCサクセションや高田渡のような70年代にヘドの臭いがする小さな穴蔵のような酒場で、明日食べてゆける見通しすらなく、もうやけくそ、というか、どうなったってかまやしねーや、と思いながら演奏していた「日本社会から見捨てられたひとびと」であって、「日本」という国が歴史のなかに栄光を刻んでいるとすれば、経済や学問ではなくて、マリファナとウイスキーで頭がぐじゃぐじゃになりながら、これでもかこれでもかと日本の社会に悪態をつきつづけて、あるいはテレビへの出演が禁止になり、あるいはレコードの流通を止められて、ぼろぼろになって、それでも音楽と、一方ではパフォーマーと同じに、こちらもやはり世の中から弾き出されて「やけ」を起こしていた「ファン」とだけを支えにすることによって死なないですんだ清志郎たちだった。

最近になってよく知られているように、RCサクセションには
Eddie CochranのSummertime Bluesの、あんまり出来がいいとはいいかねる
替え歌がある。

http://www.youtube.com/watch?v=GpF3hoKLiFY
反原発の曲をつくった理由を訊かれて、「うけたかったからだよ。他に理由なんかねえよ」と答えたそうだが(^^)、
「地震ももうすぐ来るってのに、こんな狭い国に37基も原子炉つくってどうすんだ」と歌う、ぶっくらこいちまう炯眼は最初から最後までパンクな不良だった、ろくでもないガキたちだけがまっすぐに見られた未来なのだと思う。

「役立たず」で「社会の余り者」だった忌野清志郎たちの魂は「フォークソング」というような優等生の臭いがする歌の形式にはいりきれずに袋を破ってとびだし、自分達の内的欲求のみによってロックンロールの身振りでものを考えだしてゆく。
失笑するしかない粗雑さの西洋音楽の学芸会的コピーというほかないKPOPしかつくれていない半島人や、そこにすら届かない「ストリップが売り物なのか?」といいたくなる「バンド」にうんざりさせられている香港・台湾人たちが、「自分達の魂の声」が聞こえる音をつくって、それがステレオから流れてくるのを当然のことであるとおもっている日本人たちを眺めて、タメイキをついて羨ましがる由縁であると思います。

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