航跡のない海図

菅原通濟は鉄道建設に伴う闇の世界の実力者菅原恒覧の息子で昭和電工事件
http://jikenshi.web.fc2.com/newpage135.htm
の中心人物日野原節三の義兄、顔は小津安二郎映画が好きなひとにとってはお馴染みの顔で、「秋日和」「秋刀魚の味」のほか数本に端役ででてくる。
本人は、この「映画にちょい役で出る」趣味が好きだったようで、名刺にふざけて
「映画俳優」と刷り込んだりしていた。
鎌倉人にとっては鎌倉山の開発者としての顔がいちばん有名で、大船から日本で初めての有料道路を強引につくって無理矢理鎌倉山までもってきてしまったのもこのひとです。
作家や有名人との対談が好きで、50年代から70年代にかけての古本の対談集には、このひとの名前が出てくるものがいくつかある。
話がまったくかみあっていない吉行淳之介との対談などはたいへん面白くて、誰とでも話しがあわせられた吉行淳之介が珍しく憮然として、そのうちには怒りだしたらしい様子が書き起こした文面から伝わってきて、へえ、と驚いたりした。
「売春・麻薬・梅毒」追放でよくテレビに出た。
買春は日常で麻薬の世界にも若いときから馴染みだったことを考えると、案外、本人にとっては「俳優業」と同じくいっぷう変わった諧謔のつもりだったのかもしれません。

尖閣諸島の所有者栗原國起はこの菅原通濟の運転手だったひとで、テニスボーイやヨット好きのポーズをとった、はね返りとして政治経歴のほとんどを過ごした石原慎太郎にとってはいつも怖い視線を投げてくる世界の住人だった。
野田佳彦首相は内側の事情のみをじっと眺めていて、それなら国有化する以外に方法はない、と考えたもののようである。

風が吹けば桶屋がもうかる、というが、尖閣が国に売れれば江沢民が棺桶から蘇る。
野田首相が尖閣諸島を国有化することを決定して最も利益を得たのは政治的にはほぼ「死に体」であった江沢民と上海派、それに対外強硬派の「武闘派」というべき一群のひとびとで、大打撃を蒙ったのは胡錦濤たち「経済派」、中国にとって最も大切なのは経済の発展であって、そのためには日本等近隣諸国との問題はすべて棚上げにしてゆくのがよい、平和でなければ中国は破滅する、という一団のひとびとだった。

ブログでもツイッタでも、自分でもうんざりするくらい何度も書いたので、またか、といわれそうだが、日本が自分で自分の絞首刑台を建設しているというか、自分が銃殺されて倒れ落ちる穴を掘っているというかな、いまの不思議な状態は傍からみていて(皮肉ではなく)不思議でしかたがないので、やはり書き留めておかないわけにはいかない。
日本は中曽根康弘が胡耀邦に対して、ほぼ正確に同じことをやって、天安門事件を引き起こし、いまの中国人の日本への広汎な敵意を育てたので、中枢に中国がずっとスパイを飼っているのでもあればともかく、まさかそんなことはあるわけがないだろーから、どうなっているのかさっぱり判らない、と思う。

でも見ていて脱力する、といえばいいのか、日本はあれよあれよというまに自分の国の経済力と国民とを支払いの資とする、これからの悲劇的な運命を決定してしまった。
名前を挙げたほうがわかりやすいというただそれだけの理由で、いまは表徴としての意味しかもっていない老人の名前を挙げれば江沢民たちが経済音痴のまま膨大な経済テクノクラートを抱えた胡錦濤たちを凌駕してゆくためのゆいいつの可能なシナリオは「日本を犠牲にする方向においつめる」ことで、まさかそんなうまくゆくわけはないだろーに、とわし友達などが冷笑しているあいだに、日本のほうから屠殺場の複雑な追い込み口に自分で走り込んで、救い出せないところまで走って行ってしまった。
なんだか、ボーゼンとするような成り行きで、かろうじて、そういえば日本は原爆まで落とされる断末魔にスウェーデンの周旋の可能性も断ってよりによってソビエトロシアに和平の斡旋を依頼したのだったな、というようなよくわかならない歴史的な事実を思い出したりしただけだった。
ときどき、他者には絶対に理解不能な外交決断をするのが日本という国で、石原慎太郎はむかしから、そうと名の知れた跳ね返り右翼のごろつき政治家でも、どうも見えないところに、石原慎太郎のようなケーハクに深く共鳴して、もういちど鬼畜米英、白豚どもをぶち殺せとわめきちらしたいようなタイプの衝動を日本のひとは精神の奥深くに秘めていて、ときどき、それが出てきてしまうのかもしれません。

ともかく、ここまで来てしまえば欧州勢は未来の予想図を書き直すしかなくなってしまい、アメリカ側はヒラリー案を採用しておいてひとまずよかった、なんちゅうタカババ(タカダノババではありません)だと思っていたが、なんのなんの、玄人やんね、どうも旦那の治世も女房の知恵でやってたんだな、やっぱし、と考えて人心地がついたもののよーでした。

前に「ヒラリー・クリントンの奇妙な提案」の話をしたが、南太平洋には、「ジョン・ハワードの奇妙な捨て台詞」という小咄もあって、これはなんのことかというと、このひとが選挙に大敗して首相の座を去る直前、「オーストラリアには百万人の中国のスパイがいる」と述べて、百万人もスパイがいるわけねーだろ、と奥さんが中国との付き合いで大規模な利益をあげて、人民服を着て毛沢東語録をかざしているコラージュ写真がばらまかれたりした(丸顔に人民服がたいへん似合うと話題にもなった)ケビン・ラッドたちに嘲笑され、ハワードの発言を伝え聞いたオーストラリア人たちも、「とうとうハワードも頭がおかしくなった」という感想をもった。
オーストラリアの人口は2000万人なので、全人口の5%が中国のスパイだと述べたことになって、これは自国にいる推定外国スパイ人口の見積もりとしては世界最高で、申請すればギネスブックに載ると思う(^^;)

ジョン・ハワードは笑いものになって政界を去ったが、ところが、スパイ百万人説は、またくの失言かというと、ほんとうらしいところがあって、なぜならば中国のスパイは「パートタイマー」が多く、専業ではなくて、たとえばたまたま解放軍が欲しい技術の研究をしている若い研究者に綺麗なねーちゃんを派遣してイッパツやらせておいてから、「図面やなんかを5万ドルでもってきてくんね?」とささやく、というふうにスパイになることを依頼する。
簡単に想像がつくことだが、むかしのKGBとは違って、美人女スパイのほうもパートタイムのねーちゃんで、ここのこいつを、この部屋につれてってイッパツやってきてくれれば5000ドルあげよう、とゆーふーに育成というか即成されるもののよーである。

ジョン・ハワードの発言をパーティで聞いた政治学者のアメリカ人おっちゃんPが「百万人?もっと、多いだろう?」と不思議そうに述べたのをおぼえている。

ニュージーランドでも中国政府のダミー会社の社長がつかまりそうになって逃亡したりするが、会社だったのがダミーになったりするのもあって、勝手が違うので、欧州でも困じはてている政府はたくさんあるよーです。

島嶼の強襲であるとかへたをすると塹壕がイメージされそうな防衛戦とかはすでに古い思想で、オスプレイをみればわかるとおり、強襲戦も防衛戦もロングレンジで機動的なものになったのは、要するに中国が空母をもったことが引き金で、ここからは世界の暴力バランスは新しい局面にはいってゆくように思われる。
軍事でいっても、いままでの感覚のひとでは役に立たないので、制服組以外は若いテクノクラートが大量に投入されている。

1937年に日本が始めて1945年に中国の勝利で終わった17年間に及ぶあの長い悲惨な日本と中国との戦争は、「局地限定」の紛争を企図する軍人のケーハクが、いかに重大な事態を招くかをあますところなく教えている。

魚がとれないので有名だという尖閣諸島に蝟集した中国漁船の写真を眺めながら、
どーなるんだ、と考える気持ちは、暗くなってゆく一方なのであることを書き留めておきたくて、記事にした。
2012年11月16日に、ぼくが描いた海図には、デッドロックがそこここにあって、こんな剣呑な海図はみたことがない、と考えたことを、ここにメモしておきたい、と考えました。

This entry was posted in 兵器と戦争. Bookmark the permalink.

コメントをここに書いてね書いてね

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s