Daily Archives: November 23, 2012

昆布石鹸の味

向田邦子の「昆布石鹸」という文章は 「ビスケットとクッキーはどう違うのだろうか」 という一行で始まる。 ぼく知ってるもん、という意味ではなくて、読んでいて、へえ、と思う。 へえ、ではなくて、そうか、なのかも知れないが、 へえ、なのか、そうか、なのか、 要するに「そんな感じなのか」と発見して軽い驚きを感じる。 ビスケットとクッキーがどう違うかというとビスケットがある世界にはクッキーがない。 ニュージーランドでもCookieTime http://www.cookietime.co.nz/ という有名な会社があるが、「クッキー」なのは、この会社だけで、残りは「ビスケット」です。 クッキーはアメリカ語で英語では普及していない言葉であると思う。 ニュージーランドは狡い国で、英語圏で「うけた」番組を、あちこちから集めて来てテレビ番組の一日を形成する。 わしが子供の頃は、まだイギリスの番組が圧倒的で、再放送もラブジョイやインスペクター・モースで、だいたいAbsolutely Fabulous http://en.wikipedia.org/wiki/Absolutely_Fabulous の全盛期、ダジャレをいうと、すなわち前世紀までは、テレビから聞こえてくる英語はイングランドの英語やスコットランド訛りが多かった。 それが「Friends」 http://www.imdb.com/title/tt0108778/ を境に、アメリカ人の「R」がやたらと響くヘンテコな英語に耳が馴れて、まあ、いいか、というふうになってきたのだと思われる。 いまはアメリカの番組がぐっと増えて、次がイギリス、次がオーストラリアで、 残りは「ショートランドストリート」 http://tvnz.co.nz/shortland-street のように、イギリスのコロネーションストリートほどではなくても、まだわしガキの頃から、毎日延々延々と続くニュージーランドドラマがある。 (Rachel http://tvnz.co.nz/shortland-street-characters/rachel-mckenna-3106235 などは16年も毎日テレビに出ているわけで、いま番組のページで顔をみても、むかしのお子供さんぽい顔とは全然別の顔で、どひゃあー、と思う。わしジジイやん、と考える) アメリカの番組を観ていて「パンティ」とかゆわれると、耳にするのは、もう何千回目であるのに、いまでもやはり頭のなかで「なんじゃ、そりゃ」という反応が起こっている。 いったい、なにをどうやったら、このひとびとはニッカーズをパンティとかいう、けったいなパーぽい言葉で呼ぶのであるか、と自動的に思う。 折角、女優がナイトショーのホストに機知を機動させてコート狭しと応えているのを観て、頭のいい女のひとだなあ、と感心していたのに「パンティ」というひとことで、実はこのひとは頭が弱いのではなかろーか、と心のどこかで邪推を始めている。 イギリス人とアメリカ人は、ケミストリの良い相手と巡り会うと、なにしろ外国人同士でもあり、お互いが新鮮で、意気投合して、結婚にまで至るカップルが多い。 一方で離婚も多いので、観察していると、毎日に使う単語の意味範囲やニュアンスがビミョーに違うのでだんだん疲れ果ててくるもののよーである。 もうひとつ、同じ「英語」を使って欧州系同士アフリカ系同士なら見た目も同族なので、すっかり同じ部族だと妄信してしまうが、実はまったくとゆってよいほど考えの習慣が異なる外国人同士なので、なぜそこに絶望的な理解の壁が生じてしまうのかが判らなくて、 離婚に至ってしまう。 ニッカーズをパンティと呼ぶ相手が疎ましくやりきれなくなってしまうのだと思う。 パンティと言う側は、ニッカーズという呼び名しか自然に受け取れない辛辣な皮肉屋たちのとげとげしさが、どうにもいたたまれなくなってしまうのだと思量される。 日本のひとはやむをえない便宜と思うが「欧米」という言葉を使う。 あたりまえだが、「欧」と「米」はまるで異なる世界で、明瞭に対立的な世界です。 なぜわざわざ日本語でこんな小学生でも明らかでありそーなことをわざわざ書いているかというと、日本は便宜によって「欧米」「欧米」と述べているうちに欧も米も一緒というか、まるで欧州とアメリカが同じ枝に止まっているかのように思ってしまうひとがいるようで、その誤解は歴史的にいって何度も日本を破滅的な危機に追いやってきた。 そろそろ「欧米」という言葉を辞書から削除しないと、巡り巡れば日本は東アジアブロックに閉じ込められて中国が閂をかけたドアから出られなくなってゆきそーだと思う。 … Continue reading

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