再びピザを食べる

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ブルックリン・ブリッジを歩いて渡るのは、散歩コースとして楽しい。

古い橋なので、歩いている足下のスリットから下が見えます。

まだマンハッタンになれていない頃は、この橋を歩いて渡って

「Grimaldi’s Pizzeria」

http://grimaldisnyc.com/

に行くのが楽しみだったこともあった。

壁に書いてある能書きによれば「アメリカピザ発祥の店」で、食べると、なんだかイタリアのピザとアメリカのピザの中間みたいな味がする面白いピザです。

もう何年も行っていないので、ちゃんと味をおぼえているとは言い難いが、少ししょっぱいピザだったと思う。

 

英語圏ではピザは「幸せな感じがするジャンク・フード」で、わしが家でも普段は食べてはいけないが、ときどき、かーちゃんの機嫌が良い時をじっと見計らって「今日、ピザを食べてもいいですか?」と聞いて、かーちゃんが、ちょっといたずらっぽい顔で、にっこり笑うと、妹とふたりで台所の床もしくはカウチの上でとびはねて、「いえーい!」をする食べ物だった。

夕食がピザの日は、チョー自堕落でよいことになっていて、暗くした部屋でカウチに腰掛けて借りてきたDVDを見ながら、高校生になってからは14インチのピザをひとりで二枚食べるのがあたりまえになったが、わしガキの頃は、まだひとり一枚のホールピザを食べるだけだったと思う。

こーゆーときには、イタリア式のマジな店のピザを食べるのでは台無しなので、

「Domino’s」のようなジャンクジャンクしたピザチェーンのピザを食べる。

http://www.dominospizza.co.nz/menu/pizzas

オークランドならインドのひとたちのビジネスなので、たいてい店のひともインドの人で、電話をかけてインド訛りの英語が聞こえるところからピザ・ナイトは始まる。

サイトをみるとわかるが、「Value Pizzas」で十分で、わしは単純な「ハワイアン」とかが好きだが、これはでっかい奴で4ドル、300円です。

日本だと2000円くらいしたよーな気がするが、「日本のピザ会社はぼりまくっている」という、英語人にはむかしからお決まりのようになっていた東京についての冗談のネタが、インターネットは偉大なり、日本のひとにもここ数年は伝わるようになって、ときどきスレッドが立っていたりするので、他国なみに安くなるのも、もうすぐに違いない。

家ではコーラは厳禁だったが、ピザ・ナイトのときだけは飲んでも良いことになっていた。

ピザを食べながら、息を詰めて観た映画のなかには、「ポルターガイスト」や「スタートレック」のような映画の「クラシックス」が多かったと思う。

マンハッタンの良いところは、若いオオガネモチが、5番街の噴水のそばのベンチに腰掛けて1ドルピザのランチを食べていても、それがふつーの光景でしかないことで、昨日、日本語インターネットを眺めていたら、大阪十三のドンキをひとりでうろうろしているSteven Tylerを目撃して、「あんなに有名なオオガネモチでも、さびしいものだ」と書いているひとがいたが、それは逆で、オカネがあるからといって、そういう余計なものがいっさい落ちてしまった時間をもてないひとのほうが「さびしい」人なのである。

欧州では地位があるとフォーマルでさびしい時間ばかりで一日が埋めつくされてしまうが、ニューヨークやオークランドのような町はそれがよいところで、たとえばウエストヘイブンのマリーナのベンチで富豪のワカモノがビッグマックをぱくついていても、誰もそれを「さびしい」ことだとは思わない。

マンハッタンも同じで、アメリカでもイタリア料理屋のマジなピザも人気があるが、どちらかと言えば、1ドルピザのような、日本で言えばたこ焼だろうか、野外で、ひとりでほくほくしながら食べていて幸福がこみあげてくるような、ジャンキーなピザのほうが人気があると思う。

 

バルセロナ人には「ピザが世界でいちばんうまいのはバルセロナだ」とイタリア人が聞いたらのけぞるようなことを信念に満ちた態度で述べるひとがいくらもいるが、バルセロナのパスタが、ヘロヘロでほとんど「食えない」程度のものであるのに比して、事実無根とは言えなくて、ピザは、イタリアのものとは随分趣が違うが、おいしい店がある。

現に、(というのもヘンだが)わしのグラシア(バルセロナの上っこのほうにある町です)のアパートのすぐ近くに、いつもひとが群れているピザ屋があって、ここのピザはうまい。

同じツナのピザでもイタリアなら「トンノ(ツナ)とチッポーラ(タマネギ)」のピザと決まっているが、バルセロナではオリブとチリペッパーがどうしてもついてくる。

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いろいろもりだくさんに載せないと辛抱できないもののよーである。

パプリカがどちゃっとかかった「タコとイモのピザ」もたいていの店にあって、これはすげーうめっす。

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フランス人は他国人の料理をマネして、洗練をかさねて、あげくにはもとの料理よりもおいしくしてしまう天才だが、ピザも同じで、わしはモニかーちゃんがパリの郊外にもっている(ゴルフ用)別荘の近くにあるピザ屋が好きだが、湖畔にあるその店のピザも、みためはイタリアのピザとあまり変わらないが、その実はチーズも歯触りもイタリアのピザとはぜんぜん違う、それでいて「こたえられない」くらいおいしいもので、フランスのひとの食べ物をつくる才能の深さを感じる。

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6ユーロだったと思うが、フロレンスの橋を渡って、ずっと西南に向かって歩いていったところに安くておいしいピザを出す店があって、まだ結婚する前、モニと初めての一緒の旅行でイスタンブルに行く途中、2週間を過ごしたフロレンス滞在中に二三回でかけた。

キャンドルライトがテーブルのひとつづつに置いてある店内には若いカップルばかりが、ずらっと並んでいて、居心地がよかったからです。

小さなテーブルの上に一個だけ注文されたピザが載っていて、額をよせあうようにして、まるで食べるほうはうわのそらで、恋をしている人間特有の、唐突で、13分の7拍子な話しかたで、話に没頭していて、というよりも相手の声に没頭していて、ピザはやはり「幸せの食べ物」だなあー、と考えた。

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イタリアは、押しも押されもせぬピザの本家なので、あるいは、ミラノのレストランで無暗矢鱈と仕立てが良いスーツを着た50代くらいのおっちゃんが、ひとりで昼食のテーブルに腰掛けて、「プロシュートのピザを、お願いします。ブッファーロをいっぱいのっけてね。それからバジルも多めに載せてほしい」と言って注文する。

ピザが供されると、一瞬、感に堪えたような、感動にうちひしがれたような顔になって、顔に「これこれ、おれはこれが食いたかったんだ」と如実に、神様が絵筆で描きこんだように表れている。

唐辛子がはいったオリブオイルを、うんとこさ、かけまわして、文字通り舌なめずりしながら、あっというまに平らげてしまう。

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ウン・カフェを頼んで、「ひっ」と飲んでしまうと、さっさと立ち上がって、また仕事場に帰ってゆく。

イタリアには、ちょうどアメリカやニュージーランドでワゴン型の「バーベキューセット」を売るように「ピザ窯」を売っている専門店が郊外のあちこちにあって、あれでパンも焼くのだと思われるが、ふつーのイタリア人の食事に対する豪奢な趣味を垣間見せている。

文明の分厚さが違うというか、日常的に贅沢をしてspoilされているというか、困ったひとたちであると思う(^^;)

わしはイタリアでは、もともと行く所が決まっていて、コモ湖のまわりにある2,3軒の顔を見知った料理屋にいくまでピザは我慢して食べないようにしていたが、今回は知らない店でも食べてみて、やっぱりイタリアはピザがうまいべな、と当たり前のことを考えた。

イタリアにおいて、わしが好きなピザ屋は、どんな店かというと、一軒屋で、夫婦でやっている、庭には二羽ニワトリがいて、は無論冗談だが、庭にトッピングになるバジルやトマト、チッポーラまであって、一日の初めの何枚かのピザには、庭のめんどりが生んだ卵が載ってくる、といような店です。

日本では「蕎麦屋」みたいなものだろうか。

おいしい店の「定型」が決まっていて、それ以上の規模におおきくなってしまうと、「不味くなる」というより、なんだか違う食べ物に変わってしまうもののよーである。

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プロシュートのようなものは、日本の鮨屋と同じで、ネタを綺麗に並べて、チーズと一緒に焼き上がったドウの上に、絵画的なバランスを保ちながら並べてゆく。

ピザは1ドルピザから、20ユーロの豪勢なピザまで、人間を幸福にする食べ物だという点では共通していて、窯からあがったピザが自分達のテーブルのほうに向かってくると、どんなにむっつりなひとも、わくわくしてしまう。

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イタリア人が発明した文明の光は、あまねく世界に浸透していて、恩恵を受けている方は、それがイタリア人たちのおかげでこの世界に存在するものだと、すっかり忘れているものが多いが、ピザだけは目に見えるイタリアの光で、あの間食にも食事にもなる、分類が難しい食べ物の上に並んだきのこやプロシュートを眺めながら、いいやいいや、幸福ならそれでいいのさ、と考えて、もともと世界は解釈するためにあるわけではないことにまでおもいあたって、なんとなく、ひとりごちたりするのです。

おまけにピザの画像をいくつか挙げておきます。

これはNYCにいるときはよく買って帰る「ジョンズピザ」

脇のApple電源やボールペンと較べるとおおきさがわかる (チョーでかい)

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ツナとチッポーラ

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わし製夜食ピザ(^^;)

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NYCイタリア料理店ピザ

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なぜかトマトソースがついてくる、わしNYCアパート近所のイタリア料理店カルツォーネ

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まだまだ、いっぱいあるけれども、今日はもうこのヘンにするび。

でわ

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