Daily Archives: September 24, 2014

Haters

予想どおり、というべきなのだろう。 エマ・ワトソンの素晴らしいスピーチ、自分が女優であることを忘れて、ひとりの、正当に扱われたい、「女」ではなく一個の人間として認められたいと願う若い人間に立ち返っての、だからこそ声が震え、女優らしくない張り詰めた緊張と戦いながら述べたgame changingなスピーチに対して、 「おまえのヌード写真を盗りだして晒しものにしてやる」と、日本の2ちゃんねるの模倣サイト4chanにたむろするひとびとが述べだしたのを嚆矢に、 「エマ・ワトソンの男への偏見はメル・ギブソンのユダヤ人への偏見と変わらない」 「あんなアイドル女優にしかすぎない女を国連が大使に選ぶなんて信じられない」 「なんにも新しいことは言ってなくて、もう何十年も言われてることを繰り返してるだけで、バカみたい」 という声が広がっていって、いまの3つの例はredditのAskMenだが、もうちょっと下品なほうにおりてゆくと、 「おれがイッパツやって黙らせてやる」 というようなのがいっぱい並んでいて、インターネットといえども現実世界の反映なのがよくわかる。 男に限らないところが面白くて、女のひとびとが集まるサイトを見ても、 「あんな程度のことは私たちがずっと言ってきたことじゃないの、かわいい顔の若い女が、うんざりするほど私たちが言い続けてきたことを芸もなく繰り返しただけで大騒ぎするなんて、それこそ世界がセクシストである証拠」 「あの程度の悪い認識しかジェンダー差別にもっていない人間を国連大使にするなんて国連はおやじ趣味かよ」 「ブラウン大学の卒業スピーチかなにかと間違ってるんじゃない? あんな幼稚なスピーチを許すなんて国連も落ちたものね」 というようなのが並んでいて、自分が仲が良い年長の「フェミニスト」の友人たちの顔を思い出して、なんだか、にんまりしてしまう。 わしの「フェミニスト」の友達は、言うなればフェミニズム原理主義者で、「男のような邪悪な生き物は地上から抹殺すればいい。人工授精のような科学はそのためにある」というひとびとで、だいたい女同士のカップルで住んでいる人が多い。 「ガメ、おまえはいいやつだけど、余計なもんは切り取っちゃって、わたしと同じものを医者につけてもらって女になれ、ガメじゃでかすぎて不細工だけど、そっちのほうがまだ目障りにならんわ」と乱暴なことをいう。 シモーヌ・ド・ボーボワール、スーザンソンタグのようなひとびとから始まって、アニー・リーボヴィッツ、マーガレット・モス、ジョディ・フォスター、ロザンナ・アークエット… 無数の人間が立ち上がって声をあげては、男や女の暗闇から飛んでくる矢によって傷ついてきたが、 エマ・ワトソンはロケに出れば必ず群衆に取り巻かれる職業人なので現実問題としても怖いだろうと思う。 この人達には様々な脅迫や冷笑、おおっぴらな嘲りにあって、カウチに座り込んで両手で顔をおおう夜がある。 自分に向けられた憎悪の声が強いだけ世界にうんざりしてゆく。 人間性というものに信頼を失う。 そうでなくても「著名な友達」たちを見ていると、たいへんだなあ、と思うが、なかでも、むかしもいまも、「男性と女性は平等であるべきだ」と公然と述べることは、ひとりで全世界に宣戦を布告することなのである。 女の人間が「自分は女であるより人間だ」と述べることがなぜか自動的に世界への宣戦布告になって、往々にして、女のひとびとまで敵にまわすのでは、ぜんぜん理屈が立たないが、現実にいつもそうなのは玄妙なほどである。 Haters、とよく言う。 若い英語人のあいだで、このごろ、頻繁に「haters」という言葉が口端にのぼるようになったのは案外、Taylor Swiftのヒットソング、「Shake It Off」のせいだろう。 こういう歌詞です。 I stay up too late, got nothing in … Continue reading

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