Daily Archives: September 27, 2014

Taking the wrong train

1 ボリウッドの映画「The Lunchbox」を観に行った。 「English Vinglish」が面白かったというと、ほとんど判で捺したように、 「じゃ、The Lunchboxも観なければ」とインド人の友達たちが言うのと、たしか、日本の人でも(インドのマンガロールに住んでいるAxiangだったかも知れないが)「ほんならThe Lunchboxも面白いと思う」と述べていて、なんとなく、行かないわけにはいかないような、曖昧な気持ちになってきたので、曖昧を解決するためにモニとふたりで観に行った。 http://www.imdb.com/title/tt2350496/?ref_=fn_al_tt_1 「Rialto」は7つの小さな映画劇場からなるシネマコンプレックスで、家からはクルマで10分くらい、あんまり商業ベースでは成功しなさそうな、イタリア映画、フランス映画、ポーランド映画、インド映画、というようなものを上演する。 日本で言えば「岩波ホール」が7つあわさったようなものだろうか。 ニュージーランド人の体格にも少しおおきめな座り心地が良い椅子が並んでいて、肘掛けには小さなトレイがついている。 チェーン映画館のHOYTSのLa Premiereのようにレイジーボーイ式のカウチにゆったり腰掛けて、ウエイターが注文したシャンパンやピザをもってくる、というわけにはいかないが、バーで買ったボトルのワインとスナックをもって、週末、のんびりワインを飲みながら質の良い映画を観たりするには十分です。 実際、他の映画館のバーに較べると、ワイン屋で1本50ドルくらいのワインも置いてあって、だいたい1本10ドルくらいのワインをワインリストに並べている他の映画館に較べると、少し懐が暖かい層を狙っているのでしょう。 http://www.rialto.co.nz 隣には以前は小説家が経営している気の利いた冗談が言える店員のいるコーヒー屋と良い本ばかり並べた書店の複合体があったが、なくなってしまった。 クライストチャーチにも支店があったが、こちらは地震で建物ごとなくなったあと、再建するつもりはないようでした。 Irrfan Kahnが出ている。 ぼくが大好きな俳優で、微妙な感情を目だけで、あるいは、ちょっとした指先の仕草であらわせる人です。 http://en.wikipedia.org/wiki/Irrfan_Khan Mira Nair は自分が1991年に撮った「Mississippi Masala」で投げかけた疑問に自分で答えるように「The Namesake」(2006)をつくったが、 この映画で息子を自分が専門のロシア文学の作家にちなんで「ゴーゴリ」と名付けてしまうインド系アメリカ大学教授がIrrfan Kahnで、そのとき以来、 インドの志村喬とでも呼びたくなるような、この人が好きだった。 日本語では「ネタバレ」というような奇妙な言葉があるくらいだから、なるべく筋を避けて話すが、映画自体、素晴らしい映画で、何が素晴らしいかというと、まず、映画制作上の冒険に満ちている。 映画のレッスン1は「語らしむるな見せよ」で、台詞であんまりぺらぺら状況を説明させたり、登場人物たちの思想を述べさせるのは、下手の骨頂で、絶対にやってはならないことになっているが、この映画は、映画のすべての文法に逆らって、物語は間違って届けられたランチボックスにいれたメモのやりとりだけで筋立てが進行する。 映像は朝と夕の日本の満員電車を彷彿とさせる通勤電車、家からほとんど一歩も出ないで暮らす「専業主婦」の生活の様子を飽きもせずに淡々と描写するだけです。 ここまで書くと「きっと、そうだな」と確信に達した人たちがいると思うが、打ち明けてしまえばその通りで、この映画は粗雑な観客には到底理解しえないsubtleな細部だけで出来ていて、夕方に向かって影が少しづつ伸びてゆくような微妙な陰影や表情、言葉使いの変化だけで物語りが出来ている。 56歳の初老の男が早期退職して保養地に向かう列車のなかで出会う老人の単調に動く老いた手の甲が男が次ぎの場面では保養地に行く切符を中途で放棄してアパートに戻ってくる理由になっているし、通りでクリケットをすることを許す子供たちへのひとこと「クリケットをやってもいいけど、窓ガラスを割るなよ」が、男の人生への希望の復活を表現している。 なんだか異様なくらいよく出来た構成の映画で、映画が終わった途端、 映画館のあちこちから、「えっ?ここで終わりなのか?」と言う言葉が出ていたが、この映画全体の哲学の鍵でもある 「Sometimes the wrong … Continue reading

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