Daily Archives: July 12, 2015

水の上に描かれた町で

ウェリントンは最高にカッコイイ町だとおもう。 世界でいちばん都会的なちいさな町。 都会って、あんなに小さな町が都会のわけないよ、ときみは言うかもしれないけど、きみはたとえばTe Aroのカフェ「オリブ」 http://www.oliverestaurant.co.nz/ に午前10時に行ったことがあるかい? モニとぼくがパーティで遊び疲れた次の朝には必ず出かけるその店には、 朝の「おすすめの飲み物」としてブラディメリーがメニューの下に小さく書いてある。 一口食べてから、まじまじと皿を眺めなおしてしまうくらい旨いエッグベネディクトや、予想を完璧に裏切って朝食むきな、スモーキーなスペアリブが、ウエリントンでしか聞けない「都会的なニュージーランド英語」のアクセントのウエイトレスたちの手で運ばれてくる。 なんで急にウェリントンの話なんかはじめたのかって? ウェリントンのオカネモチの友達の家で開かれたパーティで嫌な話を聞いたからなんだ。 ぼくが大好きなキューバストリートの「再開発」が、どうやら決まってしまったらしいのさ。 キューバストリートは、身体の半分、下半身がキャピタリストたちに食べられてしまった通りなのだとおもう。 ぼくが子供のときには、まだ、なんだかガレージセールがそのまま店になったようなへんてこな店がいっぱいあって、古本や古着や、リストアした家具や、オカネがないけど生活を美しくしたい若い夫婦が必要としそうなものはなんでも売っていた。 いまは高いリースを払える店…チェーン店…だけになってしまったけど。 ずっと上のほうまでいけば、まだ昔の面影が残っていて、あのむちゃくちゃ居心地がいいカフェ「フィデル」もまだ残っている。 http://www.fidelscafe.com どんな気分を求めているかを説明すれば、その場で調合してくれるアロマショップや、ニュージーランド人がコーヒーなんか飲まなかったころからやっているエスプレッソバーがある。 オペラハウスレーンを通って、冬のウエイクフィールドを、ビクトリアストリートの交差点の先にあるフードコートに向かって歩く。 Capital Market http://www.wellingtonnz.com/discover/things-to-do/shopping/capital-market/ って言うんだよ。 アルメニア料理や、ぶっくらこいちまうくらいうまいフィリピンの、表面をこがしてパリパリにしたチキンのBBQや、店員が寝坊してランチタイムになってもまだ開かなかったりすることはあるけど、猛烈においしいスペアリブを出すアメリカ人の店がある。 隣のベトナム料理店には、例の、きみやぼくがシドニーに行けば必ず飲む、コンデンスミルクに凶暴なくらい濃いコーヒーをのっけったベトナムコーヒーを出すカウンターがある。 そこでお腹いっぱい食べて、途中のどこかのバーでカクテルを一杯か二杯やってから、裏口を出て、キューバ通りをあがっていくのが楽しいんだ。 大陸ヨーロッパ人に人気があるカフェ「フィデル」は、フルシチョフや「チェ」ゲバラ、フィデル・カストロの写真やなんかがたくさん貼ってあるけど、ほんとうは、ただのダジャレで、だってキューバストリートのキューバていうのは、ただの船の名前だもの。 そういうおごそかな来歴みたいなものがなんにもないところがニュージーランドらしくて、ものすごく長い文明の歴史が積み重なって、人間の魂のうえにどっかと腰をおろしてしまっているような欧州で生まれたモニとぼくにとっては、この上ない魅力になっている。 「新しい国」が、どれほど魅力があるか、ぼくの言葉では、まだうまく説明できないのだけど。 カラマリがうまいんだよ。 ピザもうまいけど。 ニュージーランドの「世界最高だが魂がない」と交通事故で死んだフランス人の天才醸造家に言われてしまったワインのなかでも、これだけは誰もがうなってしまうソーヴィニョンブランのなかで、Te Mataというヴィンヤードがつくっているのがあって、中国移民の夫婦がつくってるのだけど、こんなうまいSauvignon blancがあるだろうか、というくらいおいしい年がある。 その白ワインで、カラマリを食べながら、近くのテーブルのフランス人留学生たちやアルゼンチンからやってきた旅行者たちやなんかと話していると、 まるで、ニュージーランドではなくて、ずっとむかし、まだ都会だった頃のマンハッタンにいるような気がしてくる。 ここはアメリカじゃないから、学生というよりはスーパーモデルふうな美人のフランス人たちが立ち上がって「キューバ万歳!資本家豚どもに死を! 共産主義革命万歳!!」と叫んでもぜんぜん大丈夫(^^; うまく言えないけど、商業主義をするりとぬけて、まんまと自分たちの魂がリラックスできる場所をつくってしまったとでもいうような、都会の人間の呼吸にあふれている。 ぼくの大好きなニュージーランド人の歌手Gin Wigmore … Continue reading

Posted in Uncategorized | 1 Comment