Daily Archives: July 18, 2015

Guillem

犬さんと猫さんがハイタッチをしているのを見たことがある。 ペットを長い間飼っている人はみな知っているように、犬さんや猫さんには 秘密の生活、じーちゃんぽくカタカナでハイカラに述べるとシークレットライフがあって、ほんとうは人間の言葉などは全部理解していて、人間は自分が賢いとおもっているときがいちばん幸せであるのを察して、人語を解さないふりをして、飼い主のほうがほんとうはバカなのだけれど、顔を立ててあげているのに ときどき油断して、犬猿の仲の役を演じるのを忘れて、犬と猿とで湯船に浸かって、まったりしていたり、犬と猫とでハイタッチをして、二階の窓から一面の月の青い光で彩色された外を眺めていた大庭亀夫に目撃されてしまったりする。 人間もハイタッチをする。 ほんとうはhigh fiveって言うんだけどね。 人間がやることはいつもどこかが間違っていて、だから日本語ではハイタッチ。 モニさんとぼくとで、ハイタッチ。 新しい仲間ができるというのは、なんて素敵なことだろう。 きみのおとーさんのLukeが教えてくれたので、 眠っていたモニさんを起こして、ニュージーランドは朝の4時なのだけど、 小さい人びとも起きてしまって、みんなでお祝いをしているの。 そのfizzyな飲み物はなにかって? きみのおかーさんのAida(Aïdaかな、今度おとーさんに訊いておかなければ)さんの国の飲み物でカバっていうんだよ。 カバ、だとさ、hipopotamusみたいだけど違うんだ、Cava モニとぼくは、きみのおかーさんが生まれて育ったカタロニアという国が大好きで、特にそのなかでもバルセロナという町が好きで、そのバルセロナとほんとうはむかしは別々の町だったグラシアという小さな町があって、そこに、小さなピソを持っているの。 あんまりオカネモチがいない丘のうえの、買ったときは知らなかったけど、バルセロナでは夏は暑いのでぜんぜん人気がない建物のてっぺんの階で、遠くにぼくとモニが大好きなサグラダファミリアが見えている。 なんだかおおきすぎてマヌケな感じの、アパートの床面積と同じくらいおおきなテラスが付いていて、モニとぼくの魂は、きみがこの世界にやってきたと聴いた瞬間にそこに飛んでいって、テラスにパンコントマテと頭がつるりんと禿げた、ほんとうは人間じゃなくてもののけなんちゃうかしらと時々訝られるほどひとのいいおっちゃんがやっているハモン店から買ってきたハモンセラーノで、きみの到着を祝って乾杯してる。 新しい仲間が来た! それを祝わない人間なんていないのさ。 きみはがっかりするかもしれない。 なんてひどい所に来てしまったのだろう、と思うかも。 きみは、もうこんなところにいたくない、と思うかもしれない。 nastyな人間ばかりで、とても耐えられない、と思うかも そういうときは「流れ落ちる水」に手を浸してみれば良い 自分のピソの蛇口でもいいし、バルセロナの広場ならどこにでもある、彫刻の口から水がでてくる、公共水でもいい。 太陽の光のなかで、流れ落ちる水をみる。 それから、そっと、手のひらを水のなかにさしいれてみるといい。 水はきみの皮膚にふれて、きみの皮膚は水を弾いて、流れてゆく記憶のようで、きみにこの世界に生まれてきた意味をおもいださせてくれるだろう。 きみは、この世界を「感じに」来たのだもの。 きみには「魂」がある。 きみのおとーさんには、もっとでっかい魂がある。 おかーさんの魂は、もしかしたら、きみもおとーさんも包んでしまうくらいおおきいかもよ。 魂は物理学の法則に反した永久動力で、エネルギーに満ちていて、なくなるということがない。 ぼくの同族に、スウェーデンボルグという変なおっちゃんがいてね。 この人は千里眼だったり、神様の教会と大げんかして自分が生まれた国にいられなくなったりして、すごおおおく変わった人だったんだけど、 自分の身体から魂を分離できる人だった。 めんどくさい肉体はワードローブにおきぱなしで、チェックインラゲジなしで、 天国や地獄へ自由に通行できたんだ。 … Continue reading

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