勇者大庭亀夫はかく語りき2

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「目がさめる」って、こんなにぼんやりした感覚のものだっけ?
(生きているのか、死んでいるのか)
(それに、ここは、いったいどこだ?)

毛唐というけどな。
どうして、おれの腕には金色の産毛が生えているのか。
妙に長い腕、長い指、おおきな手のひら…
第一、こいつは、どんだけ長い身体なんだ。

いったい、おれは誰だ?

おおお。
思い出したぞ。
こいつ、この鏡に映っている、ふざけた野郎は「ガメ・オベール」とか自称している奴だ。
ニセガイジンなのか。
おれを、バカにしているのか。
どんなバカでも「ガメ・オベール」がGameOverで、もう終わっているおれの人生へのあてつけなのは判る。

終わっている?
なに言ってんだ。
あいつら。
「世界」とかいうものを代表しているつもりの、気取り屋のマヌケたち、
あいつら。

あいつらは、おれがもう死んだのだという。
「大庭さんも良い人だったが、精いっぱい生きてみたが、
報われなかった。
でも、それなりに全力をつくした立派な一生だった」

馬鹿野郎!
勝手に、おれを葬るな。
おれは、ここにこうして生きて…
あれ? おれの肉体は、いったいどこにいったんだ?

庶務の早苗ちゃんに会いにいかなくてわ。
「年の差なんて、たいしたことじゃないじゃないか」と言いに行かなくてわ。
早苗ちゃんは、おれが寄り添うたびに、なんだか嫌そうな顔をするが、
きっと、おれが好きなので、好きすぎて、防御反応を示すのだろう。

俺はなあ。
こら、お前、聞いてんのか。
頑張ったんだよ!
それなのに、ちょっと会社が傾いたら….えっ? 傾いたら、どうしたって?
言いたくねえよ、そんなもん。

いかん。
ついコーフンしてしまった。
なんだっけ?
ああ、そうか。
あの反日外人ガメ・オベールの話だった。

何より許せんのは、このガキが金持ちらしいことだ。
僻(ひが)みじゃないかって?
僻みなんかじゃねえよ!
だって、この野郎のブログ読んでみろよ。
「わっしはビンボーなのでビジネスクラス」って、なあああーんだとおおお、
ビジネスクラスって、俺の会社、いやもういまは「俺の会社」じゃねーけど、
まあ細かいことは言うな、
俺の会社でも部長以上じゃないと乗れないクラスのことだろーが。
こーゆーところだけでも、「反日外人監視サイト」の仲間が言うとおり、こいつがほんとうは北朝鮮のスパイだというのがわかるな。
ガメ・オベールの検索語でたどった「反日外人を見守るスレ」に書いてあるとーりだと思う。
西洋人版の金玉姫(ガメ・オベール謹注:「金賢姫」の間違いらしいです)に決まっておる。

あれっ?
興奮したら、なんの文脈だかわからなくなったな。
そうか、夢の話だな。
このガメ・オベールという反日外人にはわからんことがいっぱいある。
どうやらアパートに住んでいるらしいが、アパートのくそ贅沢な階段を下りてくそみたいに飾り立てたくそデカイ、くそ扉を開けると、いきなりどこかのスペインの街に出る。
どこだかわからんが、絶対スペインだ。
街はイタリアのようにも見えるが、バス停の広告が「¿倒産はてな?」だからな。
夢の中ではいつも隣に誰かがいて、どうも、あの、夢の中でも明瞭ななんだかこの世のものとは思われない良い匂いは、その人間からしているようだ。
第一、 現実の世界に、こんな綺麗なねーちゃんがいるのか?
第二、 この不思議な、部屋を満たす、圧倒的な、「静かな音」は、どこからくるのか

「夢を見続けるのは異常だが、そのくらいいーじゃないか」って?
バカ野郎!
そーゆーわけには、いかんのだ。
昨晩の夢は、細部まで結構はっきり見えた。
このクソ反日外人は毎日いくつかの言語で「ブログ」を書く。
それもコンピュータを言語別に持っている、ヘンな仕組みだ。
俺はこいつが台所のテーブルらしいところで「日本語コンピュータ」に向かい合っておるところにたまたま、こいつの頭のなかに居合わせた。
そのとき初めて気が付いたのだ。
こいつのブログ、
「大庭亀夫の生活と意見」というタイトルが付いておる。
ガメ・オベールだから、Game Overで、 Game->亀 Over->大庭(おおば)
というつもりのジョーダンなのだろうが、ひとの名前を虚仮(こけ)にしやがって、
俺は絶対許さない。
氏名僭称罪にあたるのではないか。

ふざけやがって。
俺様の名前を騙るなんて、とんでもない奴である。
俺が、ほんとーの日本人、真人にして勇者大庭亀夫のブログを書いてやる。
俺の人生をバカガイジンに乗っ取られてたまるかよ。
ガメ・オベールよ。
真の勇者大庭亀夫の名前を騙(かた)ったことを懼れよ。

近所のガキは、「あのおっちゃん背広着てっけど、ほんとは会社クビなんだって。
フローシャだって、ママ、言ってだぞ」とか、バカ親にゆわれてバカにしやがるが、
ガメ・オベールよ、第三小学校(近所の小学校です)のクソガキどもよ、思い知れ、その真実を。
失業した中年サラリーマンとは我の世を忍ぶ仮の姿、
われこそは暗闇世界の君主、人間の悪徳と欲望を糧として栄える、暗黒世界の真実の王なるぞ。
ありとあらゆる幸福を断罪せよ。
太陽を処刑せよ。
光に死を。

エロイムエッサイム、我は求め、訴えたり。

画像は、1月に俺の夢に現れたガメ・オベールが見た夜明け。
なんで、そんなものが写真に残ってるのかって?
うるせーなー。
念写だよ、念写。
そんなことも知らねーのか、ボケ。

2025年のことをおもいだす。

庶務の早苗ちゃんに会いに行かなくては。
32歳の年の差がなんだというの。
(あの胸の小さな膨らみ)
(おれを少年にもどす、あの微笑み)

早苗ちゃんは、真剣におれを愛しているので、あの夜、午前2時に早苗ちゃんのアパートのドアを、おおきな音をたてて叩いたときには、警察を呼んだりしていたけど、
あれも、もちろん、おれへの愛情の屈折した表現であったにすぎない。

そうして、おれの身体じゅうには、精気が甦ってみなぎる、
二次元絵の、「金剛さん」の短いスカートから、ちらと白い下着が見えたときのように、オダキン的にコーフンする。

(オダキン? オダキンって、誰だ?
この考えているおれは、いったいおれなのか、このガメ・オベールとかいうクソガイジンなのか)

お前たち若造に、おれの悲哀がわかるものか。
タクシー代をけちって、というか、もっと正直に言うと、そんなカネは残っていないので、会社から、遠い、地下鉄の駅まで傘もなしに、
ずぶ濡れになりながら歩く、おれの気持がわかるものか。

牡蠣もホタテ貝も、「Porn Hub」の日本人ねーちゃんたちも、黙りこくっている!

おまえなんかに、おれの気持がわかるものか。
おれはな、おれはな、おれはな!
おまえなんかが考えるよりも、まして、この、ふざけた毛唐野郎のガメ・オベールが考えるよりも、ずっと偉大な人間なのだ。
なにを笑ってやがる。
お前が笑うのは、こんなにも長いあいだ生きてきた人間が見てきたものを知らないからだろーが。

おれは、銀河と銀河が衝突するのを見た。
小隕石が惑星を破壊する一瞬や、太陽が、
死の一瞬、巨大に膨張して、須臾の栄光のなかで爆発するのを見た。

おれは、もう何もかも知っている。
宇宙の秘密を。
もう、すみずみまで知っている。

おまえなんかに、それがわかるものか!
I am ripper… tearer… slasher… gouger.

おい。
ガメ・オベールよ、
聞こえるか?
James F.よ

I am the teeth in the darkness, the talons in the night.

聞こえるか?
わしの魂の声。
(映画Beowulfの科白だけど、だから、なんだというのだ)

I am the teeth in the darkness, the talons in the night.

そうでも思わなければ、人生なんてやっていけるかよ。

いったい、この世界で、知性的であることに意味なんてあるのか?

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