モニに会いにいく

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モニに会いにいく。
10年前の「おれ」。
マンハッタンという都会の砂浜の、ちっちゃな一粒。
迷子の粒子。

小さなひと粒が、この世界につぶされてしまわないで生きていくには、たくさんの「支え」が必要だった。
小さな頃の、親の溺愛の記憶。
裏庭の小川を友達たちと行ったりきたりした思い出。

ガメは、いいもわるいもないでしょう?
あなたは、そのままでいい。
よりよい人間であろうとすることに、どんな意味があるの?

ガメが、世界で最悪の人間でも、でもわたしは、それでも、わたしはあなたを最高に愛している。
ガメこそが人間であると考える。

そのままでいい。

わたしは、あなたのすべてを許すでしょう。

モニに会いにいく。
10年前の「おれ」。
都会という砂浜の、ちっちゃな一粒。
迷子の粒子。

クリスマスプレゼントを腕の中に抱えて、雪が降るマンハッタンで、
ぼくは、そんなふうに考えていたのさ。

ダメでもいい。
もう、身捨てられても、別れて一生を別別に暮らすことになったっていい。
でも、どれほど自分がモニを愛しているかだけは、どうしても伝えたい。
あなたのためなら、死んでもいい、と考えたことを伝達したい。
どうしても、それだけは伝えたい。
死んでもいい。

雪が降って。
雪が降って。

雪が降って。
雪が降って。

個人が幸せになること以上のことが、
モニが幸せになって
ふたりで幸せになる以上のことが、この世界に、あるのか。

モニに会いにいく。
10年前の「おれ」。
都会という砂浜の、ちっちゃな一粒。
迷子の粒子。

チェルシーの南の端にある、ぼくの馬鹿アパートを出て、パークアベニューの、クソ通りを歩いて、アップタウンをめざす。

(雪が降って)
(降り積もって)

わたしどもの息子がご迷惑をおかけして

(畳は沈む)
(畳は沈む)

やさしい女びとたち。
世界を肯定するひとたち。

肯定。
(それも100%の全肯定で)
(女びとたちの、天賦の才能である)
(きみや、おれの、ケチな男たちに、あるわけがない才能だとは思わないか?)

モニに会いにいく。

10年前の「おれ」。

(宇宙がどうなったって、構いやしない。
ぼくは、モニと一緒にいたいだけさ)

(畳は沈む)
(畳は沈む)

もののけたち、中空に佇んでいる。

眺めている。

(でも、それは、自分達の骸かもよ)

波打ち際では、破砕された帆立貝の貝殻や、「浸蝕された夜」が、
モニさんが述べた、「耳を澄まさなければ聴こえない音楽」として流れている。
「聴き取りにくい声」が闇の隅から聞こえてくる。

われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり
われは求め訴えたり

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