Daily Archives: April 8, 2017

柴戸を閉じて家に帰る

ふつうに考えればトランプのシリアのアサドに対する変心は、Kushnerに対して行われているロシアとトランプサーカスとの繋がりへの審問との関連だろう。 ロシアの顔に泥を塗ってみせたのはトランプなりの「おれはロシアの操り人形ではない」のジェスチャーで、こういう安っぽい言い逃れは、この人のこれまでの行動パターンに合っている。 どんな国でもそうだが、外交上、え?と思うような奇妙なふるまいを見せるときは、だいたい内政上の理由によって外交をすすめるからで、外交であるとおもって観察すると判りにくいが、内政だとおもって疑ってみると、簡単に動機が判明することが多い、という政治の文法にも、トランプの180度の変心は符丁があっている。 トランプが人道にめざめる、などというお伽噺を信じるのはめでたすぎるが、さすがにアメリカ人であって、そんなことを考える人は、広大なネット世界でもひとりも見あたらない。 第一次世界大戦は、当時の外交政治常識からは、ほぼ冗談のような理由で始まった。 オーストリー=ハンガリー帝国の皇位継承第一位だったフランツ・フェルディナント大公がひとりの男に射殺されたという、通常ならば戦争の契機にはなりえないことが、ちょうどいまの安倍政権に似て、戦争をやりたくてたまらなかったドイツに煽られて小国セルビアに対してオーストリー政府がハンガリーの反対を押し切って懲罰のための限定戦争を始めたのが、すべての始まりになった。 いまでは第一次世界大戦は、戦争というものが、大戦争であってすら、理由にもならない理由で始まるという教訓として知られている。 「戦争をやってもいい」という為政者の意志あるいは気分は、地面にしみ込んだガソリンのようなもので、愚にもつかない理由の、マッチの燃えさし1本が落ちただけで、爆発的で巨大な戦火が起きてしまう。 ケネディとフルシチョフの時代に米ソ間にホットラインをひくことが合意される時代に至るまで「諸国間の意志の疎通」が現代の安全保障の基本になっているのは、そのせいです。 背景には第一次世界大戦も市場で起きた大恐慌も「情報が共有されない」ことによって起きたという認識があった。 昨日(2017年4月7日)、英語世界で述べられていることを眺めていて思ったのは、普段は「大丈夫ですよ」をしている専門家たちが怯えたように戦争の影を考えていて、普段「警鐘を鳴らす」ことが好きな素人や批評家のほうが、暢気にかまえている。 通常とは逆の反応になっていて、素人以前というか、ただぼんやり眺めているこちらは、面白いなあ、という間の抜けた感想を持ちました。 バノンがNSCの常任の席から弾きだされるという、なんとも言えないほど安堵させられる朗報があった。 バノンという人は、ヒットラー型というか、世界を地獄の業火に叩き込んで、その業火のなかの破局から再生することによってのみ強大な白人支配が完成するという思想をもっていて、隠しもしていない、その思想の現実化を自らの政治目標にしている人で、つまり大戦争をいかにして起こすかが政治的テーマで、この人がNSCという「どこでいつ戦争をするか?」を企画検討しうる機関の中心に座ったのだから、それはそれは大変なことで、見ていて可笑しかったのは、普段は威勢が良い右翼人たちですら、「それでは世界の終わりになってしまう」と慌てていた。 ところがバノンと、バノンが打ち出す途方もない政策に怒ったアメリカ人たちが、連日街頭にでて拳をふりあげ、ジャーナリストたちがホワイトハウスから閉め出されてまで、トランプ政権がいかにデタラメで危険な政権であるかキーボードを叩きつづけて、早々と政権がレームダック化して、ほとんど大統領府としての機能が停止してしまう事態になって、初めは狡猾に、自分達には指弾が及ばないようにトランプを支持していた共和党員たちの離反も始まって、どうにもならなくなったトランプは 娘のIvankaと、その夫のKushnerと謀って、元職業軍人のテクノクラートグループを代表するマクマスターを実行勢力にしてバノンを追い出すことにした。 トランプという人は日本の人が理解したいとおもえば、要するに「中小企業のおやじ」をイメージすれば判りやすい人で、バノンの肩を抱いて、「ここは、ひとつ我慢してくれ」と囁いたのは、まるで目に見えるように判りやすい。 そんなのがアメリカ大統領なのか、と思って信じられない人もいると思うが、トランプというのは昔からそういう安っぽい人です。 もちろん、日本語世界の習慣にたまには従って余計な言わずもがなをつけ加えておくと、ロナルド・レーガンを思い出せば判る通り、まともにものが考えられない程度の知性で、ケーハクで安っぽい人間性だからといって結果として良い大統領にならないとは限らなくて、アメリカのように手続きで公正が保障されている国では、All Correctの綴りを知らなくて、ACであるべきところをOKと署名して語源をつくったという伝説をもつジャクソンの昔から、アホなおっさんが意外や大統領としては実効性をもって、根っからバカなドナルド・トランプといえど、大統領としては、振り返ってみればオバマよりもよかった、という可能性がなくはない。 いまはどうなっているかというと、共和党の資金面での大立て者であるRebekah Mercerに説得されてホワイトハウスを去る決心をひっこめたバノンは、捲土重来の努力ちゅうで、暫くはダイジョブ、という状態で、トランプのほうはといえば、プーチンはKGB出身らしく、実際にエージェントを動かして、自分がデザインした欧州やアメリカを現実のものにする努力をしているようで、どうやら、いろいろと明るみにでると拙いことがあって、対処に追われて理性的な判断をもって外交決断をくだすどころではないようです。 成金おやじの保身のために戦争が激化して、虐殺の渦巻きの中心に呑まれてゆくシリア人のほうはたまったものではないが、歴史ではときどきあることで、ときどきあるから仕方がないとは言えなくても、起きる事は起きてしまう。 ツイッタで付き合ってくれている人たちは知っているとおり、バノンが直接の影響力を行使できなくなったところで、ぼく自身の興味は途切れていて、Mercer一家の野望が現実化されだせばともかく、いまの状態では興味がないといえば興味がない。 最近はむかしの趣味にもどって、日本語の興味は続いているものの、北海文明や地中海文明の古典に頭がもどって、古典古典のコテンパンで、なんだか現代の世界は全面核戦争にでもならないかぎり、どうでもいいといえばどうでもいいと思う事がある。 日本でいえば、ほんとうは、北朝鮮をめぐる危機は去ったとは到底いえなくて、事態を救っているのは実はトランプたちがもともとアジアとアジア人の運命にはたいした興味をもっていないという事実のほうにありそうです。 先週は絶体絶命で、やけのやんぱちで核弾頭なのか通常弾頭なのか、ミサイルをぶっ放しまくることくらいにしか活路が見いだせそうもなかった金正恩は、バノンの失脚とトランプのシリア攻撃を見て、「これなら、おれにも生存の余地がある」と考えているでしょう。 習近平が石炭禁輸を解いて制裁を緩めるとか、逆に、アメリカ勢力圏と直接国境を接する事態さえ避けられれば、おまえらが飢えようとどうしようとわしらの知ったこっちゃないで、冷淡の度合いを強めるというようなことよりも、書いていてもバカバカしい気持ちになるが、トランプがシリアに続いて、国民の目をそらして自分への支持率をあげるために北朝鮮との戦争をおっぱじめるかどうかのほうに、日本の運命はかかっている。 なぜアメリカの北朝鮮攻撃に日本の運命がかかってしまうかというと、技術的な制約から、北朝鮮はまだアメリカ領土を攻撃するだけの能力を持っていないと信ぜられるからで、アメリカが北朝鮮をぶん殴ると、北朝鮮が韓国と日本を相手に殴り返すという図式になっているからなのは、英語メディアで読んだ人も多いと思います。 アベノミクスはうまくいくわけがないと4年前だかに述べたり、憲法を無視するのはダメなんじゃないの?と述べたら色んな日本の人に「アンチ安倍」「アベdisり」だと言われたので笑ってしまったが、安倍晋三さん自身がどうこうという気持ちは固よりなくて、ただの写実主義で、目の前で起きていることを自分の見たままに述べているにしかすぎない。 それでも安倍首相について「これはカッコイイのでわ」ということが書けないのは、度外れてダメというか、そもそも首相という職能に人間的に能力が及ばないのではないかというか、やることなすことヘマばかりで、いまでは他国から全くのもの笑いになってしまった「安倍外交」や、財政をどこまで悪化させれば国が破綻するか日本という特殊財政国家の強度試験をおもしろがってやっているような、(本来は独立した機能であるべき)日銀とグルの、これも外国資本家むけのエンターテイメントじみたアベノミクスというように、やってはならないことばかりに手を染めて、国民のおおきな支持を得ている不思議な政権で、今度は、まるで戦争に巻き込まれることを心待ちにしているような、当のトランプたちが呆気にとられて苦笑していると伝えられている「戦争大好き」ぶりで、いくらトランプたちがアジア人の運命に無関心だといっても、ここまで「戦争やってください」と言われれば、ほんならこっちでもイッパツとおもいかねない。 だからトランプの短慮の結果として、数十発程度のミサイル(多分、経費節約のために核弾頭だと予測されている)が基地のある町と東京を中心に降ってくるかも知れないが、いまの状況からみると、それ以上の継戦能力が北朝鮮にあるとはおもえません。 それ以前に、いまの時点で統一朝鮮が出来てしまうと最も困るのは中国で、多分、習近平は、おだやかな調子で、しかし、いまはもう本気で大規模戦争をやれば、2年という期間をしのげばアメリカ軍を圧倒するだろうと言われている人民解放軍を背景にトランプを恫喝して、中国の政府が伝統的に愛好している「棚上げ」に東アジアの状況をもっていくのだろうと楽観しています。 そうやって考えていると日本の人にとっても、核を伴ったミサイル禍くらいはあるかもしれないが、そこで終わりで、そのくらいは安倍政権の挑発の代価で国際政治の常識上は仕方がないとも言えて、バノン時代に心配された、全面戦争に東アジアが巻き込まれることはないのではないかと思っています。 ツイッタでいろいろなことを述べてしまったので、一応、ブログ記事の形にまとめておくことにしたが、そういうわけで、いったん本格的な危機は去っている、という判断です。 これで、きみもぼくも、普段の生活に戻れる。 ほっとしています。 では Advertisements

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