新しいひとびと

日本にいる日本の人たちが、日本にいて、グリーンカードもなにもなくて、アメリカの銀行に口座が開けるだろうか?という質問にアメリカ在住の日本の人達が答えているところだった。

州によるのだという。
カリフォルニア州が最も厳しくて、ハワイでだけは開ける。
ぼくは仕方がないのでハワイまで行って口座を開きました。

読んでいて、相変わらず人が悪い笑いを噛み殺してニヤニヤしているのは、自分でも悪い癖であるとおもう。
「そんなことはない。どこに行っても口座は開けますよ」と親切心を出して述べていたのはおおむかしまでで、最近は日本語社会になれたというか、そんなことをすれば「わたしはアメリカに20年住んでいます」「わたしは30年居住している」
はては「おれはアメリカ人だが」という人まであらわれて、いっせいに罵りはじめるのを学習しているので、めんどくさいから何もいいません。

何も言いはしないが、ひひひ、と笑ってラテをひと飲みしているので、
むろん、 誰でも口座は作れるので、現にアメリカのぶわっかたれな課税制度のせいで、 グリーンカードもパスポートも持たないことにして、なるべくアメリカのような国と関わりをもたないように心がけているわしは、このあいだオレンジカウンティに行ったときに、アマゾンのプレミアムサービスが使いたいので口座をつくってクレジットカードをつくってきた。
銀行に虚偽を述べたりもしません。
クレジットカードはニュージーランドの住所に送ってもらった。

旦那さんがメキシコ人だという銀行の担当の人と、おもにトランプの悪口を中心にだべっていたので手続きをするのに1時間くらいかかってしまったが、駄弁らなければ10分くらいのものでしょう。

多分、面談の印象によって決めているところはあって、少し離れた席の、アフリカ移民の人は、居住ビザをもっていて、住所がカリフォルニアにあるにも関わらず、なかなかOKが出なくて、支店長が出座したりしていた。

「カリフォルニアは厳しくて、まず口座がつくれない」と述べていた、カリフォルニア在住歴20年だかなんだかの人は、きっと、見るからに凶悪な人相であったのではないかと思われる。
あるいは英語を話したくなかったのかもしれません。

他のポリネシア族同様、もともとは台湾が故地であるマオリ人が、ある日、ポリネシアの島の浜辺を出て、俄には信じがたいことに、えっちらおっちらと太平洋を漕いで縦断して、ニュージーランドにたどりついたのは、だいたい700年前のことだった。
オーストラリアのアボリジニとマオリ人の違いは、動物あつかいでライフル猟の対象として狩りで遊び半分に殺されていたりしたアボリジニ人と異なって、上陸してきたイギリス人と要塞をかまえて戦争をして、ワイタンギで和平条約を結んだせいで、さまざまな特権を持っていることで、たとえばバイアダクトといういま流行りの海辺の繁華街は、マオリ人以外には所有が許されていなくて、欧州系人やアジア系人は、土地をリースしてもらう以外には開発の方法がない。
詳しいことを書いても、退屈でしょうから書かないが、沿岸漁業で穫れる魚介類も法律上はマオリ族の財産で、帆立貝をとって開いてみると、必ずマオリの紋章が刻まれてあります。

というのは、まさか冗談だが、帆立も彼らの財産で、場所によっては、昨日まで自分の農場だと思っていた土地が、マオリ人に要求されて裁判になって、マオリ族に返還しなければならなくなった、ということもあって、首が赤い(←意味が判んない人はredneckを辞書で引いてね)人々は、「マオリ語の名前がついている地域には土地を買わないほうがいい」とマジメな顔をして述べたりする。

あるいは首相だったヘレン・クラークの官邸にあるときジョージ・ブッシュからお手紙が来て、ラブレターだとは思わなかっただろうが、なんだろうと開けてみると「ニュージーランドのような国が先住民を甘やかすからネイティブアメリカンがつけあがって要求がエスカレートする。迷惑だ」と書いてあって、気が強い女の人であるヘレン・クラークはぶちきれてマスメディアにばらしたりしていた。

でも、ここまで読んで気が付いた人もいるとおもうが、マオリ人が「先住民」だと言っても、たった700年前に初めのグループが移民してきたというだけで、日本で言えば鎌倉時代後期にやってきた、先住民というよりは「最も早くニュージーランドにやってきた移民」というべき人達です。

オランダ人Abel Tasmanがニュージーランドを「発見」したのは、日本でいえば江戸時代初期の1642年で、イギリス人のJames Cookがニュージーランドの沿岸を航海して地図を作成したのが1769年のことです。
とりあえず戦争をおさめる休戦条約的なワイタンギ条約の締結が、幕末の1840年、マオリ族と欧州人がそれぞれまったく正反対に近いボロ翻訳を手にしていたせいで、その後100年以上つづいた対立と争いの決着をつけるためにマオリ族と欧州人が和議を執り行うためのワイタンギ審判所が出来たのが1975年で、他の、例えばアメリカやカナダというような英語国に較べるとニュージーランドがどれほど若い国か判ると思います。

ついこのあいだまで国の体裁をなしていなかった。
いまも国と呼んでいいかどうか。
万事テキトーで、何かを裁判所で扱うときに、該当する法律が存在しないことに当事者全員が気が付いて唖然とする、ということがよくある。
早い話が、ニュージーランドには、先進国ちゅう、ただ一国、正当防衛という概念が存在しないので、例えば誰かが自分の家に侵入してきて家の主人がナイフをかざして襲ってくる侵入者をクリケットバットで殴り倒した場合、二件の犯罪がほぼ自動的に立件されて、他人の家に侵入したという犯罪と、クリケットバットで赤の他人を殴り倒したという傷害罪のふたつが争われることになる。

去年、社会を賑わした事件でいうと、泥棒が塀を乗り越えるときに足を滑らせて骨折して、家の主人を危険な塀を設置した罪で訴え、勝訴したりしている。

閑話休題

今朝のNew Zealandにワークビザでニュージーランドに移民してくるひとびとが、どの国からやってきたか、トップ5が出ている。

Top source countries for migrant workers are not Asian
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11842859

たしか、ここ20年ほどトップ5に名を連ねていた日本の名前がないことがニュージーランド人たちの茶飲み話の話題になっている。

どうやら英語試験で必要な点数が、またしても引き上げられたことが最大の理由であるようでした。

追い打ちというか、今度は雇主が保証する給料が$49000に引きあげられてしまったので、若い、低技能の移民が多い日本移民にとっては、新たな大打撃で、今年は日本からのexpatはますます減るだろう、という予測でした。
トップ5は記事にあるとおり、

1位 連合王国
2位 ドイツ
3位 オーストラリア
4位 南アフリカ
5位 アメリカ合衆国

で、なんだか家の近所のひとびとの国籍が並んでいるようで笑ってしまう。
これはワークビザ取得による移民数のリストだが、それ以外の手段による移民もアジアからの移民は締め出される傾向にある。

移民と言っても、おおむかしに、かーちゃんがニュージーランド大使に電話してビザをもらうというチョーええかげんな方法で永住ビザを獲得して、内務省にヘロヘロとでかけてパスポートをもらいながら、「手数料、ずいぶん高いね。少し、まけませんか?」と述べて嫌がられたりしていたダメ移民の典型のようなわしが知らないあいだに、移民制限はどんどん厳しくなって、移民を管轄する長たらしくて書く気がしないくらい長い名前の省に勤めるパブ友に聞くと、やはり昔に較べると遙かに柔軟に毎年移民条件を変えられるようになったポイント制移住プログラムのなかでも、特に英語試験のIELTSの点数が毎年のように引き上げられているのがアジア諸国からの移住を難しくしているらしい。

このブログの過去記事のどこかにIELTSの水準が引き揚げられて以来、日本からの移民はぐっと減って、アジアからはインドとフィリピンくらいしか移住するのが難しくなったようだ、と書いてあるはずだが、このあいだ話してみると、そのインド人とフィリピン人たちにとっても、新しい点数の設定は高すぎて、ニュージーランドへの移住は「見果てぬ夢」になってしまった、と述べていた。

マリールペンが決選投票に残って、舞い上がって、文字通り欣喜雀躍しているフランスも含めて欧州諸国もそうだが、最近の移民受けいれ側の特徴は「自国の伝統文化にすぐに溶け込める移民」を求めていることで、移民局の面接に紺づくめのリクルートルックで行ったりすると問答無用で不許可になるのではないかと思います。(冗談です)

 

オークランドでは移民受けいれに好意的な人の目にも、「ここでせめて二三年は移民流入をしぼらないと都市機能が崩壊する」ということは明らかで、ニュージーランドでは初めての地下鉄が2020年に開通するが、高速道路はすでに渋滞の連続で、朝の通勤時、昼のランチタイム(ニュージーランドでは、まだまだ昼食を家に戻って摂る人が多い)、午後3時頃の学校から帰る子供のピックアップ渋滞、午後4時半からの帰宅渋滞と、一日4回の渋滞で、しかも年々眼に見えてひどくなる交通渋滞だけでも、「このままのペースでいくわけにはいかない」と思われるようになってきた。
教育や医療のシステムへの移民増から来るプレッシャーはもっと強烈で、よい学校と目される学校の校区は、通りを隔てた校区外の家と較べて、日本円で2000万円ほども価格が異なる。校区プレミアムで、これも上昇する一方です。
2010年には、まだ一億円台で買える家があった近所も、小さな家でも2億円で、住宅事情はひどいものになっている。
日本の国民保険にあたる制度を利用して手術を受けようとすれば、心臓の手術で2年待ちなどは普通で、待っているあいにだ死んでしまう人が多いのは、言うまでもない。

むかしなら、ここで、反アジア人政治のチャンピオンである、マオリ人とイギリス人の混血の政治家ウィンストン・ピータースが「ほおーれ、観たことか、移民みんな追い出しちまうべ」をするところだが、最近はニュージーランドにも少しは文明が根付いて、「とにかく社会のインフラ拡大を急いで、ここ数年の移民の流入をしぼろう」と社会に合意が出来ている。

真っ先に煽りをくったのは中国からの移民で、中国はだいたい移民数2位で推移してきたが、このエスニックグループの特徴は、オークランドに集中していることと「家族ビザ」でやってきて永住ビザに切り替える人が多いことで、アジア人の大家族で、
政府が調査してみると、ひとりの就業ビザで来た人に40人の家族がついてきていたりして、ニュージーランド人たちを、ぶっくらこかせたりしていたが、今年から家族ビザがおおきく制限されることになって、中国とインドからの移民は大幅に減少するだろうと言われている。

なにしろ、英語世界の報道や記事になじんでいる人は判るとおもうが、日本の将来はよくないどころか、「お先真っ暗」で、投資家や凍死家、経済アナリストのインタビューを観ても「先進国中、日本だけは、良い未来の可能性がまったくない」と決まって述べられていて、あんまり遠慮しないで自分が確信していることを述べる癖のあるジム・ロジャースに至っては「日本の経済は大崩壊するに決まっているから、すぐにでも日本を離れなさい。それが嫌ならば農業をならって、自給自足、自分の食べる物を自分で育てるしかない」とまで言っている。

少しずつ、ニュージーランドを中心に、移民のやりかたや移民を考えている人が知っているべきことを日本語で書いていこうとおもうが、今日は疲れました。
いま、ちょっと観ると、

2010年に書いた
「ラナウェイズ」
https://gamayauber1001.wordpress.com/2010/11/28/runaways/

くらいから始まって、

個人のための後退戦マニュアル・その1
https://gamayauber1001.wordpress.com/2011/05/20/choke_point1/

個人のための後退戦マニュアル・その2
https://gamayauber1001.wordpress.com/2011/05/20/choke_point2/

個人のための後退戦マニュアル・その3
https://gamayauber1001.wordpress.com/2011/05/22/choke_point3/

個人のための後退戦マニュアル・その4
https://gamayauber1001.wordpress.com/2011/06/17/choke_point4/

個人のための後退戦マニュアル・その5

https://gamayauber1001.wordpress.com/2012/03/11/choke_point5/

ニュージーランドと日本人
https://gamayauber1001.wordpress.com/2013/08/28/kiwijapanese/

明日の移民講座1
https://gamayauber1001.wordpress.com/2012/12/28/expat1/

と、ちょっと見ただけで、日本から海外の国へ移住しようと考える人を念頭に書いた記事が1ダースや2ダースではない数で並んでいます。

「わたしは日本市民としての誇りがあるので日本にとどまって再建します」という人はネット上で何人もあったが、立派なのはいいとして、自分自身という自分にとっての最良の、生まれてからいままで、どんなにボロくなったときでも、決して自分を見放さないでついてきてくれた友達はどうなるのか?
もう、やさしくしてあげるころなのではないの?
とおもう。
社会や親の喝采を期待する人には、この自分自身という最良の親友に見捨てられる危険がいつもある。

そのことをおもいだして、自分自身という親友に報いるときが来ているのかもしれません。

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About gamayauber1001

ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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One Response to 新しいひとびと

  1. salulu says:

    いつも拝見してます。今回も示唆に富む記事をありがとうございます。
    自分は子供の頃からずーっと日本社会に違和感を感じていたものの、スウェーデンに移住したのは40代に入ってからの2012年でした。
    今海外から日本を眺めると、バカ船長率いる船が沈んでいる自覚なしに物凄い勢いで破滅に向かっているのを見ている気分です。
    今だにアジア一の経済大国だった頃の栄光が忘れられず尊大な振る舞いをしている日本人ですが、100年ぐらい前は貧しさ故に海外移民する人が多く、そのうち経済的な理由から移民せざるを得ない日本人はどんどん増えるのではと思っています。
    その時日本は崩壊してるかもしれません。でも移民した日本人は非合理的で理不尽な日本社会から自由になり、結果的にはガメさんの言う「自分自身という最良の友達」に報いることになるでしょう。
    日本は社会全体がDVを何世代も繰り返した家族みたいなもんで、自分自身を守るためには
    一旦日本社会から距離を置くことが最も手っ取り早く、かつ効果的だと思っています。それは自分自身の経験からも感じます。今は無職で言葉もままならず、まだスウェーデン社会に完全に馴染んだとは言えませんが、「日本の訳の分からない社会通念に囚われない/抑圧されない」だけでも相当の解放感があります。
    今後ますます移民と言う選択肢が日本人、特に若い世代にとって希望の道となるでしょう。ガメさんの記事はきっとそんな若者たちにとって心強い応援になるはずです。今後の記事にも期待しています。

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