再び開かれた核戦争へのドア

*この記事の燃料種別の部分は北朝鮮ミサイルについて最も信頼されているDr. Jonathan McDowellの考察に従って書かれている。

鬱陶しいので消してしまったが、ここに書かれていたupdateで述べたとおりNASA研究者系(固形燃料)と韓国国防省系(液体燃料)で意見が分かれていた燃料種別は、その後、だんだん液体燃料のKN-17だろうということに落ち着いてきたよーです。

固形燃料は日本標的に特化して別シリーズになっているらしい。こちらも技術が完成して大気圏再突入の実験がうまくいくかどうかだけの段階らしいので、ま、記事はここにそのまま置いておきます。

余計なことを書くと古い知識に基づいて「〜に決まってる」という専門家ふうの断言コメントが両方の側でいっぱい来たのに驚いた。

自分の国の運命がかかっていることに競馬予想屋なみの言辞を述べたがる人が多いので笑ってしまった。

日本の病気は根が深いようです。

 

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Hwasing-12という。

Hwasingって、「火星」という意味なんだって、と誰かが述べていた。
화성って、読みをアルファベットで表すとhwaseong じゃないんだっけ?と韓国語初学者は思ったが、ほんとはどっちでもおなじことで、そういう訓詁的な質問をするのはみっともないので、なんとなくうやむやに納得することになってしまった。

北朝鮮が5月14日に発射実験に成功したミサイルには大きな意味がある。
日本にとっては、

1 日本を核攻撃するために小型核弾頭を開発しなくてもよくなった。
あくまで、大量に在庫を持っていて、いわば安上がりな改良型スカッドで攻撃するために核弾頭の小型化を懸命に進めていくだろうが、推力からみて、日本に対してならば旧弊な大型核弾頭でもミサイルに搭載できるようになった。

2 固形燃料なので、パーツが少なく、メインテナンスが簡単で、いままで以上に移動性、隠蔽性が強くなった。
固形燃料ロケットは、むかし糸川博士が率いる日本の宇宙ロケットチームが固執した技術で、有名なミューロケットを初め、糸川系の技術が日本の宇宙開発を支配していたあいだは、ずっとこれにしがみついていた。
結局、技術上の難点が克服できずに日本人は諦めてしまったが、有名な例だと、たとえばスペースシャトルの打ち上げロケット(SRB)がこれで、それでもなおチャレンジャーのように好い加減な工作をすれば,爆発するが、基本的には液体燃料よりもずっと簡便で、故障も少なく、安価で、大量生産に向いている。
北朝鮮側からすれば劃期的な技術革新で、多分、次の軍備ステップへのビジョンとしては、大量生産された固形燃料ロケット筐体に、やはり大量生産の小型核弾頭を搭載することでしょう。

3 2000kmへの上昇能力を見せることによって、イージスミサイル防衛網を無力化することに成功した。

THAAD、イージス、パトリオットのアメリカ合衆国推奨三段防衛網のうち、THAADは未知数なうえに技術人や元国防長官の「ゴミ技術。カネのむだ」という証言があったりして、「ほんとうは単なる対中国情報収集ネットワークなんじゃないの?」の声がおおきくなっているが、それを別にしても成層圏を飛来するミサイルに現実に対応できそうなのはイージスシステムだけで、それが理由で日本は現在保有しているイージス艦と日本海を遊弋するアメリカ軍のイージス艦に加えて日本海の海岸線に「イージス・アショア」つまり艦載のイージス管制を地上施設に移したイージスシステムを数カ所つくろうとしている。
ところが、日本語ニュースでも「ロフテッド軌道」と健気に報道しているが、ロフテッド軌道で打ち上げてみせることの意味は、日本に対して「イージスじゃ、もうわれわれのミサイルを迎撃するのは無理なのね」と伝えることにある。

報道をみると、角度を変えれば4500kmとんで、グアムに届くことの意義を強調しているが、それは政治的意義にしかすぎない。
真の意味は、アメリカ軍と日本軍(旧自衛隊)が北朝鮮のHwasing-12に対して何の対抗手段ももたないことを悟ったことで、従来の防衛体制は、ここで、「ダイジョブなふり」をするだけの、お飾り防衛になってしまった。

アメリカ側は「われわれは北朝鮮をみくびりすぎた」と声明をだしてみたり、ひらたく述べてパニクっているが、では驚天動地周章狼狽のあとに、どんな対抗策があるかというと、「なんにもない」が答えで、中国と語らっておおきな政治的妥協におもいきって踏み切って、少しでもそれが中国の弱腰に見えるように持っていくくらいしかトランプ政権には方策が残っていない。
トランプのいつもの反応だと、ここで激しく中国を、あることないことをすべて動員してワルモノにしたいところだが、どうやら娘婿を通じてすさまじい利権と資金を手にしたのと、ブリーフィングの結果、真剣に本格的な戦争をやると、当初の素人らしい思い込みと異なって、ほぼ人民解放軍の完勝に終わるのがわかって、中国をワルモノにして、最近の傾向ではGOサインが出ればいつでも日本とアメリカに躍りかかってかみつこうと猛っている人民解放軍の手綱を中南海に放されでもしたら、いちかばちか、西太平洋全体の支配をあきらめならなくなるので、それも叶わない。

アメリカの報道が伝えるよりも遙かに知的な人間であるらしい若い独裁者の金正恩は、おとなしく核を持たないでいたサダム・フセインやニコライ・チャウシェスクがどうなったか熟知している。
特にイラク独裁政権の運命は細部に至るまで調べて見た痕跡があって、その結果うみだした方針が、軽業的なオポチュニストだった父親の金正日と、ほとんど180度転換した、祖父の金日成を念頭においた理念による支配であり、大国を相手に一歩もひかない強気の外交方針で、そのパワーの中心に核戦力をおいてきたが、いまの時点では、アメリカや中国やロシアの思惑を遙かに越えて、試みに成功して、完勝している。

今回の固形燃料ミサイルの打ち上げの成功は、例えば技術的にもさまざまな(アメリカと中国にとっては)衝撃的な意味があって、液体燃料ミサイルの打ち上げが成功しても実戦でのミサイル打ち上げが安定的にうまくいくかというと、そうでもなくて、長い経験と実績の積み重ねがいるのはナチのV2ミサイル以来、ミサイル技術に関心がある人間ならば誰でも知っている常識中の常識で、アメリカや中国やロシアが北朝鮮が大陸間弾道弾ミサイルの打ち上げに成功しても、「まだまだ時間はある」とのんびりしていられたのも、そのせいだが、
固形燃料ロケットは、いったん打ち上げに成功できる型ができると、液体燃料ロケットとは比較にならない安定度で実用化できる。

実用化できる、というよりも現に実用化してしまったので、推力のおおきさから推察する搭載弾頭のおおきさから考えて、例えば日本にある標的へなら「いつでも核を送り込める」状態になったといえます。

このブログや、むかしは親切心をだして日本語で書いて、喧嘩ばかりしているわし友物理学者のオダキン先生やなんかと公開議論を繰り返して情報を交換して、衆知を集めようとして、場が出来かけていたツイッタで何度も繰り返し確認されていたとおり「小型核弾頭の開発に成功するかどうかが鍵」であったのが、大型弾頭でも大丈夫なことになってしまったので、なんのことはない北朝鮮が絶対の優位に立ってしまった。

みなで衆知を集めて、なんだか途方もなくいいかげんでインチキな政府やマスメディアのデタラメ告知に対抗しようとする試みは、しつこいトロルと桁外れに程度が低い議論を平然と自分のほうが賢いような顔をしてふきかけてきては、こちらの時間を浪費させて、すべての議論をスタートラインに押し戻して、日本社会が大得意の堂々めぐりに囲い込んでしまう無数におもえるアンポンタン人のせいで、うんざりさせられてやめたので、誰かまだ日本人を救う志がある人が勝手にやればいいが、仮にそういう努力をどこかのコミュニティが行っても、その努力と衆知全体を吹き飛ばしてしまうくらいの安定した核のパワーを北朝鮮はもうすぐ獲得する。

2050年という、政治の世界では無限遠点に近い未来を想定すると、多分、朝鮮半島は、いまはボイコット運動まで展開して個々の国民レベルでいがみあっていて、歴史的にも仲がいいとは到底いいえない韓国と中国の共同のパワーによる半島統一がなされているはずだったが、金正恩の意外な指導者/独裁者としての優秀さで、ゆいいつの安定点統一朝鮮の成立は、また少し遠くなって、その代わりに2017年を起点とする長い渾沌が日本と朝鮮半島を支配しそうな雲行きになってきた。
最も政治的に脆弱と見られてきた台湾が当該地域では安定していきそうなのが国際政治のおもしろさだが、それはともかく、日本は(良い言い方ではないが)不治の癌を抱え込んだ状態になったのが傍目には明らかです。

マストドンで、トロルおやじたちを嫌悪して日本語ツイッタから引っ越して来たひとたちの会話を眺めていたら、

「今日はテレビの情報バラエティ番組とやらに心底腹を立てたけど、ああして北朝鮮の軍事力を過小評価して嘲笑し、ミサイルが落とされる国は韓国であるとして物見の見物を決め込む報道は、母のような老人の心の安寧を保つのには一役買っている。」

という知らない人の発言があって、北朝鮮の軍事力を過小評価しているのは日本のマスメディアのいつも底抜けの不勉強だから仕方がないとして、「ミサイルが落とされる国は韓国」というのは、ちょっと驚いてしまった。

北朝鮮のようなビンボな小国が戦争をするには通常兵器よりも核兵器に依存しなければカネがなくて戦争にならないのは以前にも何回か書いたが、同じ論理のグラウンドによって、あるいはそれに加えて同民族であるという気持ちが激しい相互憎悪の根底では働くという朝鮮戦争のとくに明らかになった民族心理に照らしても、15〜20年有効の弾薬在庫一掃の経済的観点からも、例えばソウルは核兵器よりも祖父の代から延々とためこんだ通常弾頭の重砲/ロケット砲のいっせい射撃によるものと自他ともに考えられていて、マッカーサーの仁川上陸のようなことが地上戦の火急の事態が生じれば短距離スカッドは撃つだろうが、たとえ小型核弾頭の開発にその時点ではすでに成功していても、理屈は整合していても、なんとも想像しにくい。

現に北朝鮮が、いわば戦争を避けるために好戦的なトランプと安倍を相手に行い続けている核ミサイルパフォーマンスは、世界中の誰の目にも「日本攻撃」パフォーマンスで、初めのうちこそ「日本にある米軍基地」と忘れずに述べていたのが、安倍政権の北朝鮮に対する恫喝と米軍との一体ぶりに怒っているのでしょう、特に断り書きがつかなくなって、よく見ていると、どうやら初めは三沢基地限定だったらしいのが、三沢と沖縄になり、
三沢沖縄佐世保岩国になって、現在はテラー攻撃の範疇にはいる東京も対象に加わったように観察されている。

英語記事には「緩慢なキューバ危機」という表現が散見されるようになったが、悪い冗談じみているというか、こののんびりキューバ危機には現代のオバマに近い世界恒久平和を願う方策に転換して、フランス人ジャーナリストにカストロへの「アメリカにはどんな譲歩もする用意がある」と伝言を託して、当のジャーナリストがカストロに伝言を伝えている正にその瞬間に暗殺されたJ・F・ケネディがおらず、世故に長け、人物の観察にすぐれていて、JFを指して、「あの男は信用できる。あの男に賭けてみよう」と娘に述べたというフルシチョフもいなくて、戦争をフットボールの試合かなにかと勘違いしている、カネモチのぼんぼんらしく現実への感覚が決定的に欠如している安倍晋三とドナルド・トランプがいて、わずかに文化大革命の苦労人習近平と、どうやら秘かなJ・F・ケネディへの傾倒者であるらしい、若い独裁者だけがいる。

いくつかある近い将来へのシナリオのうち、日本の人にとっていちばん困るのは、北朝鮮が日本に数発の核ミサイルを撃ちこんで、アメリカが空爆で応え、中国が仲裁に入る筋書きで、ロシアという国の恐ろしさを歴史を通じて、身にしみこむようにして知っている中国は、この筋書きを取る可能性がいまの様子では高いようにも思えます。

むかし中国の退役した将軍がロサンジェルスで「アメリカも中国もお互いを滅ぼすに足るだけの核戦力を持っているが、きみたちアメリカ人が核を使ってもいいものかどうか、あーでもないこーでもないと侃々諤々しているあいだに、われわれはあっさりミサイルを発射して、アメリカを滅ぼすことを忘れてはならない」とあっさり述べてアメリカ人たちを憤激させたことがあったが、北朝鮮に至っては、アメリカと日本が続けるしつこい挑発に若い金正恩が怒りで外交判断を狂わせてしまえば、そこで一巻の終わりで、ここまで人間がつくってきた、紛争に満ちてはいても、おおきくは平和と言えた世界や、米ソホットラインの敷設に始まって、指導者間のお互いに対する人間的信頼に依拠した偶発戦争の防止の歴史も、そろそろ終わってしまいそうだと思わなくもない。

子供のとき、「原爆の父」オッペンハイマー博士の有名な
“ I am become Death, the destroyer of worlds.”

を見て、ああ、冷戦の頃は恐ろしかっただろうなあ、
オッペンハイマー博士が考えたよりは人間は賢くてよかった、と感想を持ったが、このあいだ観ていて気が付いたのは、
オッペンハイマー博士は、デタントの向こう側にあるもの、アインシュタインが述べた「それでも科学者の手は動く」ということを熟知した科学人として、どんなに核軍縮をすすめても、人間はまた破壊のドアを開いてしまうのだという事実を遠い未来に至るまで知りぬいていて、この動画を残したのだということでした。
人間にはコントロールできない神の火を盗んだ人類の宿命が、手の施しようがなく燃え広がったブッシュファイアのなかになすすべなく佇むことであるのを、考えてみればあたりまえだが、この聡明な人はことの初めから知っていたのに違いない。

そして、その火は、いま東アジアから燃えひろがろうとしているのだと思います。

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ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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