二目と見られない未来

第一報は、「荒天下での単段ロケットの発射」だったが、だんだん判ってくると、二段式ロケットの発射で、実験に影響するほどの嵐ではなかったようでした。

北朝鮮のミサイルは、もっか、ふたつの解決すべき問題を抱えていて、以前から述べているが、お温習いをすると、
ひとつは、大気圏再突入における姿勢制御、もうひとつは核弾頭の小型化と量産化です。
両方ともに専門家の意見が分かれていて、もっとも厳しい評価をくだしているロシア人たちは、北朝鮮はどちらの技術的な難関も解決に至っていない、という立場、NASA系やシンクタンク系、あるいはアメリカ軍系のアナリストたちは、実はてんでばらばらで、両方とも出来てしまっているのだと述べる人もいれば、どちらも出来ていないという人もいて、いや見ればわかるじゃないか大気圏再突入技術は確立されているのさ、というアナリストがいるかとおもうと、冗談じゃない、大気圏再突入というのは、もっとたくさんデータの積み重ねがいるということをきみは知らないのか、と憤慨している。
CIAなどは小型核弾頭の完成を祝賀した北朝鮮のパーティの写真を指して、金正恩のいうことは信ずるに足る、と述べる。
あんなの、ただのモックアップの木型なんじゃない?と反論する核専門家がいる。
「だって、小型核弾頭をすでにもっているのだとしたら、地下核実験のデータの説明がつかないじゃない」

韓国勢になると、「あの地下実験データは水爆実験を巧妙に偽装しているのだ」という人までいて、最後の水爆説をなす奇特な人を別にすれば、この侃々諤々の人々は、いずれも元NASA研究者、元国防長官、CIAの極東アナリスト、ジョージタウン大学系シンクタンク…と錚々たるメンバーで、日本でよくいる、「わたしはきみたちと違って軍事経験がある専門家だが」と述べて、とんでもないトンチンカンなことを述べ続けている、たいていは「元自衛隊員」の予想屋おじさんたちとは異なって、見識によって敬意をもたれている人々なので、つまりは、「さっぱり、わかんねえ」が正直な気持ちなのでしょう。

 

過去の戦争が国家的な野心や征服欲によって起きたのに較べて、現代の戦争は誤解と偶発によって起きる。
誤解と偶発を防ぐための情報の共有が、いまの平和とは到底いえないが世界全面戦争は70年にわたって避けられてきた最大の理由です。
キューバ危機に見られる絶体絶命の全面核戦争のピンチをすでに1962年に持ちながら、どーにかこーにか、やっとこさ核戦争を回避し続けて、ヒロシマ・ナガサキ以来、70年の長きにわたって核戦闘が起こらず、フランス人たちが述べた「核の脅威による人類全体の失語症、言語の意味の喪失」の世界から、われらの「なんにもしないおじさん」バラクオバマの演説に象徴される「核廃絶」への動きに至って、胸をなでおろしかけたところにあらわれたのが、ドナルドトランプでした。

このおっさんの最大の特徴は頭が悪くて考えが粗雑なことで、自分で堂々と認めているとおり、本を読むことと考えることが大嫌いなこの老人は、政治教養そのものが大統領に就任するまでの、インテリの極右狂人である家庭教師のスティーブバノンとの対話だけで出来ている。

イスラム教徒のアラブ人は悪いやつらだからやっつけなければいけない。
まともな人類は白色人種だけだから有色人種は区別して扱わなければ道理にかなわない。
日本人や中国人のようなマネだけが上手で、はしこくて、狡い人間たちに盗まれてきたアメリカ合衆国の冨を奪い返すのは自分たちの使命である。

以前に書いたとおりバノン自身は、さらに向こう側の黙示録的思想の持ち主で、核兵器よりも危ないおっさん

バノンという厄災
https://gamayauber1001.wordpress.com/2017/02/01/steve_bannon/

だが、トランプのリアリティショー頭で理解できたのは、だいたい、有色人種とイスラムは悪い、わしつおい、そのうえ、えらい、くらいのもので、その先にまでバノン思想の理解が到達した徴候は見られない。
可愛くてたまらなくて、ハグするのにお尻に手を回したりしているので、「ほんとは近親相姦なんじゃない?」とまで言われた娘の婿はんが、シェークスピアが悪意で絵に描いたようなユダヤ人であることの影響もあるでしょう。
トランプの人種差別は欧州人の人種差別よりもずっと単純なもので、
ユダヤ人でも東欧人でも、白ければえらい、色付きはゴミ
という歴史上初の単純を見せている。

このやたら頭が粗雑なおっさんが判っていない政治上の常識のうち、日本人にとって最も危険なのが、軍事という棍棒は相手に見えないように上衣の下にこっそり忍ばせておくからこそ有効なので、頭の上でぶんぶん振り回して威嚇すると、たいていは弾みで戦争になる、という人間が長い歴史を通じて、痛い思いどころか何千万人という死者を生みだしたあげく、やっと理解できるようになった事実で、どうやら現状は、ぶんぶん振り回してみたあげく、不思議にやあるらむ、北朝鮮は全身を緊張させて、にらみ返し、中国は「核戦争になったって、おれたちの責任じゃないよ。これは日韓米と北朝鮮のあいだだけの問題じゃん」とそっぽを向いてしまって、その結果、世界中の人間がぶっくらこいてしまっていることには、話全体が誰もひとりも望んでいない北朝鮮と日本・韓国・アメリカ連合軍との全面戦争に向かっている。

以前から散々述べてきたように、戦争経済の皮肉というべきか、北朝鮮は通常兵器による戦争を戦うにはあまりにビンボなので、最も安上がりな破壊兵器である核ミサイルをぶっ放しまくるほかには方法がない。

中距離ICBMを高々と打ち上げて近距離核ミサイルとして使われてしまえば、イージス艦による防御などは夢のまた夢で、まして、いままでの戦闘でミサイルの筐体は撃墜できても、返って、弾頭はあらぬ方向に落下して爆発するのが常で、中東では「民間人殺し」とまで言われたパトリオットなどは、低い弾道で飛来するミサイルに対してすら、いっそ撃たないほうがマシな程度の防御力しかない。

昨日、英語紙と日本語記事への翻訳を見較べていて、日本語版では綺麗さっぱり該当の箇所が削除されているので笑ってしまったが、いまの諸条件を見渡して、全員が合意して、なんでもいいから新しい突破口を探さなければ、と焦っているとおり、現況では少なくとも韓国・日本の相互の連絡が全く悪い、まるで仇同士にしか見えない「連合軍」と後ろ盾のアメリカと、アメリカが全く計算にいれていないことには、戦前の日本人の気質そのまま、撃ちてし止まんで、民族の性質として戦争になってしまえば、無我夢中で国家的にアドレナリンを全開させて、文字通り最後のひとりまで徹底抗戦して玉砕することしか考えていない北朝鮮との戦争は、避け得ないコースに入ってしまっている。

奇蹟的にブレークスルーが出来るとすれば、G20くらいが山で、予想もしなかった名案があらわれなければ、当初の予想の5年後どころか、今年にもアメリカの先制打撃によって戦争は始まってしまいそうです。

日本語社会は悪い癖で、真実を隠蔽して、英語記事まで、どういう理由によるのか改竄して、英語記事に較べると奇妙に短い記事になっていたりしているが、ふつーの日本人にとって、節目節目を見分けて緊張する方法がなくはなくて、例えば一例をあげると、「次回空母が朝鮮半島にもどってくるときは絶対に危ない」や、これは実は昨日現実になってしまったが、アメリカと韓国が実弾ミサイルを発射して北朝鮮を威嚇しはじめると危ない、というような、いくつかの目安があって、政治の話などはいくら書いていても退屈で、楽しくないので、この辺で今日はやめたいが、またそのうち元気がでたら書いてみます。

アメリカが「中国から北朝鮮への強い圧力」と呼んでいるのは表面には出ないが実際には人民解放軍が国境を越えて北朝鮮に地上侵攻する姿勢をみせろ、という要求を含むものであるようで、中国が頭から強く否定しているのは、だから、つまり、「バカも休み休み言え」というアメリカの常識のなさへの怒りであるに過ぎない。
ありきたりの外交知識に拠る人は「そんな中国にもアメリカにも利益にならないことをトランプ政権がいうわけはない」と言うだろうが、トランプには、中国にゴリ押しの圧力をかけて人民解放軍の国境への集結を強要する理由があるようです。

最も現実性が高い筋書きは、アメリカの「ピンポイント攻撃」による先制攻撃が起きる → 報復としてソウルへの重砲・ロケット砲群による一斉砲撃と東京・在日米軍基地に対するミサイル攻撃が即座に起きる、と全員がほぼ一致しているが、戦争は「専門家」の予想を常に越えて、あるいは言い換えると、日本の人は自分たちが1941年の12月にやったことを思い出せばわかる、専門家の常識を越えた着想をえたときに、それによる一種の興奮が支配層を衝き動かして起きる事が多いので、例えばアラスカまでの飛翔距離を延伸すればミサイルが到達できる、アメリカ太平洋艦隊の根拠地、真珠湾へのミサイル攻撃を北朝鮮が企図するというような奇想天外があるのかもしれません。

だから、どうなるのかは、作戦起案者以外の誰にも判らないが、ひとつだけ現状で確からしいことは、書いていても信じられないし現実感が湧かないが、戦争が避けられなくなったらしいことで、溜息どころではなくて、どうするんだ、おい、と言いたい気持ちが起きてきます。

神様も、異常気象で頭がおかしくなったのかもしれません。

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ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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One Response to 二目と見られない未来

  1. oniku says:

    内容はとても深刻なのだけども、今日のエントリは、言葉や文章のはこびがとてもいいなあ、と良いテキストを読んだ時のほっこり感も同時にありました。

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