マレーシア

マレーシアは中東のイスラム・ペルシャ世界とアジアの文明が浸潤しあっている、おもしろい国だとおもう。
ニカブ姿(頭から黒い布で踝まですっぽり覆って、でもよく見るとおなじ黒の色で一面に美しい刺繍が施されている!)の女の人達が、たくさん歩いていて、めいめい、グッチやシャネルの紙袋をさげて、楽しそうに笑い合いながら午後を楽しんでいる。

くだらないことで喜ぶ、と言われそうだけど、昨日はニカブの女の人に道を訊かれたんだよ!
残念なことに、知らないビルだったけど、知っていたら、ニカブのひとの手をひいいて一緒に歩いて案内していたのではなかろーか。

知ってるかい?
ニカブの女のひとたち、食事のときは顔の布を外して食べるの。
あのyoutubeでバイラルになった、ローマの広場のベンチで手づかみのスパゲッティを高くもちあげて顔の布の隙間から食べている、優雅とはいいかねる動画の印象とはまるで異なって、ナイフもフォークも使い方が堂にいって、とても上品なんだよ。

もちろんニュージーランドにもニカブ姿の女の人は、たくさんいるけど、なんだか緊張して、交差点に立っている姿が暗然としていて、アラブの女の人は抑圧されているからだろーか、と思っていたが、こっちがバカタレなだけで、リラックスしたニカブ人たちは、快活で、品がよくて、あたりまえだと言われてしまうだろうけど、きみやぼくと変わりがない、普通の人達だった。

あのニカブ姿のままでパラグライダーをやるんだよ!
それもひとりやふたりでなくて、人気があるらしくて、何人も行列しているの。
黒い裾をひるがえして、沈みかけた太陽にさしかかる姿が映画のETみたいで、無知なわしとしては、超現実的な、幻想的な光景に見えました。

ジョージタウンは、おいしい店は全部屋台で、冷房も何もない露天にあるという意地悪な町で、すっかり夏バテになったモニとぼくは、バトゥ・フェリンギの、着いてみるとなんだか途方もない数の日本人がいるホテルに行った。
テラスにいると海風が気持ちがいいホテルで、ルームサービスで三食を摂って、あんなひとにいえないことや、こんないけないことばかりしていました。

やっと機嫌がよくなって、落ち着いて町を眺められるようになると、供給過剰なコンドミニアムや点が面に拡大していけない都市化経済が目に付いて、どうやら、たくさん解決が難しい問題があるようでした。

日本人であるきみには、よいニュースもある。
マレーシアは日本のプレゼンスが、ぶっくらこくくらいおおきいんだよ。
クアラルンプールには、例の超高層なツインタワー(といっても本当は3つのビルで出来ているそうだけど)の足下のモールからパビリオンという新しいモールまで歩いて行ける冷房がある遊歩道があって、暑さにコンジョナシのぼくは、夜になるとこの遊歩道を行ったり来たりして過ごしていたんだけど、一風堂があって、バリウマがあって山頭火があるラーメン屋をはじめとして、CoCo壱番屋があって、北海道なんちゃらチーズケーキがあって、コールドストアレジという普通なスーパーの棚から油断して商品を買うと、説明もなにも日本語の商品をそのまま買うことになったりする。

シンガポールみたいに伊勢丹デパートメントストアがあって、伊勢丹の制服を着た書き割りの女の人がエスカレーターの脇でお辞儀して立っていて、モニが「なつかしいね」と笑っていました。

おおきなスーパーマーケットには、どこも日本コーナーがあって、アメリカでいえばミツワみたいというか、イオンみたい、おお、そういえばペナンのクイーンズベイという新興住宅地にはイオンそのものがあって、軽井沢から佐久や上田のイオンによく出かけていたモニとぼくは、顔を見合わせて「日本にいるみたいだね」とにっこりしてしまった。

マレーシアに来てから、もう5週間か6週間になるのではないかとおもうけど、なにしろモニとぼくには気候が暑すぎるので、毎年、ニュージーランドの冬に来て遊ぶのは無理じゃないかなあーと、昨日もモニとふたりでカクテルを飲みながら話していたところ。
アメリカが、あんなふうになってしまって、このあいだトランプが選ばれた直後にカリフォルニアに行ったときに、やっぱりそれはそうだろうな、とおもったとおり、普段の生活には影がさしていなくて、誰が大統領でも変わりゃしないんだけど、ひとつだけ面白かったのは、いつもなら当然政治の話を口にするべきひとたちまで、まるでトランプという名の大統領などいないかのような素振りで、誰も話をしたがらなくて、無視する形で、影がさしているのだといえなくもない。
それでも遠くのオーストラレイジアから見ていると、到底正気の国には見えなくて、アメリカ人のオカネモチ友達からは年中家を買うための問い合わせが来ていたりして、どうにもアメリカまで遙々、寝心地の悪い飛行機のベッドに揺られてまで行く気が起こらない。

欧州も、なにごとによらず終始楽観的なかーちゃんやとーちゃんと話しても、あんまり芳しい話はなくて、あれほどもういいかげんに帰ってこいと言っていたのに、この頃は、ニュージーランドに根拠をおいたまま長旅を我慢してあちこち行くのもいいかもしれない、なんて言うんだよ。

マレーシアには地震がない。
地面が揺れない社会らしくて、ひとびとは落ち着いて、のんびりしていて、「まじめなのにのんびりしているって、いいなあ」と思ったりしています。
これは面白いなと考えたことのひとつに、スーパーマーケットの店員が、自分の裁量で、お釣りをおまけしてくれたりするということがある。
些細なことだけど、よく考えると、おそるべきことで、文化の違いが、こんなに強烈にビジネスにあらわれている例は珍しいと思いました。

テキサスでは$5ランチの店のChili’sが、ここではやや高級なレストランで、普通のマレーシア人にとってはフトコロが痛いけど、窓外に公園の噴水を見ながらデートするためには出費もやむをえないとまなじりを決したおにーさんがチャドルの女の子を誘ってやってきたりするのだけど、ファヒータを頼んだら、ここでも店員の裁量で色々なものをタダで持ってきてくれる。
日本だって、そういうのあるよ、というだろうけど、上手く言えないけど、ちょっと違っていて、ここでも「店員の裁量がおおきい感じ」がはっきりしている。

残念なことに、ぼくの観察では、よほどの市場のタイミングと運に恵まれないと、マレーシアが目論見どおりシンガポールに取って代わるのは難しいだろう。
アジアのイスラム金融の拠点になるかどうかが鍵だが、いまのところは、ちょっと難しいんじゃないかなあーという冴えない感想でした。

きみらしく、マレーシアに住むと、日本軍の残虐行為のせいで嫌なおもいをするのではないかと心配していたけど、多分、安倍政権がみせた居直りのせいで、残虐行為を歴史の靄のなかから顕在化させて、はっきり可視化させようという動きは、特に若い世代にあって、日本軍の苛酷というのも愚かしいくらいの、どう考えても不必要にすら思われる残虐な行為の数々を生き延びた老人たちにインタビューして、動画に残したりしているけど、アジアの人の生来の善良さなのか、日本人だから憎む、というようなことがあるとは思えません。
普通に応対していれば普通に応対が返ってきて、モニとぼくは、「テリマカシー!」だけは、絶対に気を逃さず、隙があれば言うんだけど、マレーシアの人の反応は、なぜか、まず吹きだして、大笑い(←外国人に言われるとなんとなく照れくさいらしい。日本の人の「笑い」に似ている)してから「サマサマ−」という。
そういう調子で、日本の人に対してもおなじじゃないかなあ、と想像します。

さっきアメリカ人ともだちに「おい、ここは一風堂のラーメンが世界一安いんだぞ」と書いて、くやしがらせようと画策していたんだけど、円に価格を翻訳しようとすると一杯が27リンギで、ということは9NZDで、ということは700円くらいのはずで、2500円だかで、その上に2割のチップを払うマンハッタンの一風堂に較べると、四分の一以下の値段だということになる。

だいたいなんでもかんでも日本やニュージーランドの四分の一から五分の一で、マレーシアのひとは安い安いと言われるとふて腐れてしまうだろうけど、でも日本人にとっては、物価の面でも暮らしやすいのは事実ではなかろうか。

MM2Hビザも取りやすいそうだし、年金制度が盛大に轟沈することが予想されて、こちらは比較的には健全だったのに、無理矢理連結しているせいで、一緒に心中でご臨終になりそうな保険制度を抱える日本で、あんまりオカネもないんだけど、ということでも、なんとかなりそうな老後は、案外、この国にあるのかもしれません。

ほら、マレーシア政府からAOLのおっちゃんが買い取ったエアアジアもあるでしょう?
ツイッタで誰かに聞かれたので見たら、羽田⇆クアラルンプールの安い航空券は往復369リンギ、日本円で1万円だった。

アコモデーションは世界一チェーンのホテルが世界一安いのだというから、偵察に来てみるのにいいかもよ。

きみのお母様は、「口ばっかりで、政府は自分達国民の面倒を見る気はないのが判ったんだから、自分で自分の面倒をみるしかない」と述べていたそうだけど、その息子・娘世代のきみにとってはなおさら準備をしていかないと仕方がないのではないだろーか。
まだ保っているけど、自分の仕事を通じてみていると、日本がこのまま無事ですむとは到底おもえません。
自分の将来を探しに遠くへ出かけなければならないときに日本人はさしかかっているのだとおもいます。
英語世界への移住は、正直に述べて、ハードルがものすごく高くなって、このあいだ帽子デザイナーの友達は、旦那さんが、あろうことかIELTSで9.0を超える得点をとったとかで、サウスオーストラリア州から招請状が来たと言っていたけど、オーストラリア人の友人でも、「テストされたら、おれ、オーストラリアから国外追放なんちゃうか」というくらい資格要件が厳しいので、選択肢としては日本の人にとっては良いような気がします。

なんだか、だらだらと書いてしまったのは、外の暑さのせいということにしてしまおう。
これからモニとふたりで気に入ったバーに行くんだけど、バーまでの2ブロックが難関で、昨日も夕方でかけたら行き倒れになりそうだった。

恥ずかしいことに、と言うべきだろうけど、ドレスコードがある、そのバーは、白い人しかいなくて、まるで大陸欧州のどこかの町にいるような顔で、価格をみるとケチンボなぼくなどは黙ってたって帰りたくなるようなコクテルを飲んでいる。

唐突に「どうも自分はアジアとは本当には縁がないんだな」と考えて、ちょっと寂しい気持ちになったことを報告しておきます。

では

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About gamayauber1001

ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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2 Responses to マレーシア

  1. pino says:

    今朝、ガメさんの夢を見ました。一緒に図書館に行ったり、和菓子屋さんでお菓子を買ったりしました。起きてから、ガメさんに会ったことがないのに、不思議だなあと思いました。楽しい夢でした。

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  2. Shueyue says:

    ブラジルには来ませんか?

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