2025年の日本めざして

宇宙好きの子供の悪夢のひとつに、ふらふらと群を離れたおおきめな小惑星が地球に向かい始めて、ある日、科学者が軌道を計算してみると、正真正銘、地球と真っ向から衝突する、というのがある。

北朝鮮と日本の対立は、これと似ている。
政治的諸条件を計算してみると、いまのところ、北朝鮮とアメリカの衝突は不可避で、アメリカと北朝鮮が衝突すれば、最大の標的は、表面は日本が最も好戦的な言辞を述べていたことによって、本音は、いまの北朝鮮の核ミサイル技術の水準で現実に軍事兵器として信頼しうる破壊が行えるのは日本までで、グアムになればもう大気圏への再突入の問題や、GPS誘導を欠いた精度が低い飛翔を余儀なくされることによって、戦争にならないので、日本に核ミサイル攻撃を集中することによって外交的な勝利の端緒をみいだすしかないという理由によって核攻撃は日本を標的にしたものになるだろう。

もっかの状態は、核弾頭とミサイル筐体の量産体制を築きながら、トランプと安倍の愚かさによって手に入れた初期外交勝利を保持して、アメリカ国民に「おまえたちの頭のうえに核を落とせるのだぞ」と恐怖心を植え付けることで、ちょうど60年代の中国とおなじように核の力に守られた独裁社会のなかで、これも中国的な経済発展を目指している。

金正恩は、アメリカとの戦争が、そのまま北朝鮮の破滅であることをよく知っている。
そのうえ、曲芸師的なオポチュニストで、オモチャじみた核・ミサイル技術をちらつかせては外交的妥協を引きだして、長期ビジョンのある経済政策はまったく行わなかった、簡単に言えば遊び人の父親金正日とは異なって、北朝鮮の自己の政権が生き延びる道は躍進的な経済の発展にしかないこともよく判っている。

では、戦争の危険などないではないか、という人がいそうだが、なぜそれでも戦争が不可避なチキンレースの一本道を日本と北朝鮮が段々と距離を詰め合いながら向かい合いに歩いているのかは、日本の人にはアメリカ人にはまったく理解不可能な「圧迫されたもののメンタリティ」が、戦前の行動を思い起こせば、簡単に得心がいくはずで、いったん民族的な怒りに火がついてしまえば、日本人と心性が似て、日本人以上に徹底的な半島人の血がたぎって、誇張ではなく最後の一兵まで戦うだろう。

日本は本土にアメリカ軍が上陸するオリンピック作戦に怖じけづいて、呆気にとられるほど淡泊に手をあげてしまったが、なにしろ、北朝鮮は朝鮮戦争をみれば、国土が完全に蹂躙されて、寸土も余さないほどアメリカ軍に徹底的な敗北を喫しても、まだ戦う意志を捨てなかった国で、ヒットラーのドイツみたいというか、民族として辱められるくらいなら滅亡したほうがマシという国です。

しかもアメリカの大統領はトランプで、この頭が悪い、他者や他文化への想像力をまったく欠いたおっさんは、ディメンシャなのではないかと医学者たちが目下真剣に疑って危惧するほど、おもいつきで破滅的なことを始める癖があって、いよいよ国民の人気取りのために始めたアフガニスタンでの戦争がにっちもさっちもいかなくなれば、「じゃ、北朝鮮」というくらいの気安さで、戦争を始めかねない。

しかも前に何度か書いたように、アフガニスタンは「紙の上では楽に勝てそうにみえるのに、いざやってみると必ず泥沼化する土地柄」の典型で、ソ連の退役将校たちが「アフガニスタンは、やめたほうがいい。あそこは地図上の作戦と戦争の現実が異なる土地の典型だ」と述べているのに、アメリカの将軍たちは「われわれとあなたがたの軍隊とではテクノロジーの次元が違う」と鼻で嗤って、ものの見事にアフガニスタンという巨大な罠にはまってしまった。

しかもアフガニスタンと関わりを持つことは常に、歴史を通して、ロシアとの火種を抱え込むことで、オバマの政権が迂闊に戦争規模を拡大できなかったのもそのせいだが、まわりの軍事専門家がいくら説明しても、トランプの頭には入っていかないらしいが、トランプほどの粗忽さならば、ロシアとの全面対立に発展する可能性もおおきく存在する。

北朝鮮が盛んに中国を非難したりしているのも、中国と事を構えたいのではなくて、中国を可視的に巻き込んで、自分の国とアメリカの対立を中国とアメリカの対立にすりかえようという目論見だが、トランプはこちらも理解していないのは明らかで、この単純で知的能力に劣る老人の目には、中国がいよいよ北朝鮮と対立しはじめたと、なんだかその辺にころがっている政治好きのおっちゃんみたいな理解でいるらしい。

いまのホワイトハウスのボスたちの顔ぶれを見ると、自己クーデター政権というか、求心力の中心は軍人、つまりは軍人内閣で、どこにも自由主義国家らしい片鱗はなくて欧州人たちの失笑を買っているが、いうまでもなく軍人は戦争を嫌う。

あれほど好戦的だった参謀本部が呑んで戦争の拡大を収拾しようとしたトラウトマン工作を蹴ったのは近衛内閣のほうで、軍人は常に戦争についての具体的想像力を持っているので、戦争を簡単に始めたがらない。
ところが総司令官であるドナルド・トランプは戦争への想像力はゼロでしかないのが言動から判っていて、自分の都合が悪くなれば、北朝鮮への先制攻撃に走って、安倍政権もおおよろこびで参戦するのは確実なので、切羽詰まった文大統領は「朝鮮半島を戦場にされるのは、お断りします。やるなら日本との同盟を頼ってやれ」という破天荒な演説をおこなった。

その演説に対する日本社会/マスメディアの反応は「怖じ気づいた韓国の醜態」「敵前逃亡」「卑怯者」というようなものだったので、遅かれ早かれ、やはりミサイルは飛んで来て、当たるも八卦当たらぬも八卦、PAC3では、どんなタイプの核ミサイルも防ぐのは無理だが、せめてTHAADとイージス艦の防空能力に期待して、開戦があとになればなるほど増えてゆく核弾頭の、例えば百発という数のミサイルいっせい射撃のうち、何発落とせるか、星に願うくらいしかやることは残されていないのかもしれません。

最終的に戦争が起こらない僥倖があるとすれば、金正恩政権が倒れるかトランプ政権が倒れるか、あるいは北朝鮮に核開発計画の進行を認めて、おおきく妥協するか、その三つがいちばん可能性があるが、三つとも直ぐに起きる可能性は低い上に、仮に金正恩政権が倒れると、中国が一種の非武装地帯を鴨緑江沿いにつくることになって、アメリカとの対立が飛躍的に高まることになる。
北朝鮮におおきく譲歩すると、核戦争の危機が一気に遠のくが、遠のくといっても、どっかに行ってしまうのではなくて、やはりチキンレースの一本道を、十数年という向うがわに遠のくだけで、すぐに戦争になる可能性がないかわりに、より破滅的な戦争の危機が内包されて、しかも、この路線の最大の障害は、実際には「日本の核武装が確実」になることです。

アメリカの極東政策の基本は、このブログには何度か登場した、いまでは公開されている周恩来・キッシンジャー会談のときから、変わっていない。
「空前の好戦民族である日本を封じ込める」ことで、「日本を守る」という口実で居座っているアメリカ駐留軍の第一の目的は「巨大な軍事力を日本そのものに置くことで日本の軍事化を防止する」ことであるのは、アメリカ軍将校にとっては常識で、キッシンジャー自身が、言葉にして述べている。
中国との軍事的な黙契の大底をなしているのが、この「日本はアメリカが責任をもって封じ込める」という約束で、最近、人民解放軍が、政府の意向にさからって「跳ね返り行動」を取り続けているのは、人民解放軍がアメリカの約束の真実性を疑いだしているからにほかならない。

アメリカ軍が日本を守ってくれる、などという幼児の願望に等しい日本の人の願いとは別の次元で、戦争における自分の足場、いわば極東における真珠湾/グアムとしての日本という名前がついた列島を、敵が仮に上陸してくれば防御線と規定している現在のアメリカの太平洋戦略は改訂されつつあって、日本の重要性は薄れているが、ここに政府としておかれている日本政府が核武装をするとなると、中国にとってだけではなくて、ロシアやアメリカにとってもたいへんなことで、周・ニクソン以来の東アジア和平の枠組みが根底から壊れてしまうので、誰にとっても、そんなことを許すわけにはいかない。

一方で、北朝鮮がどんどん核武装の量と質を拡大していって、いまですら歴史的な好戦性を剥き出しにしつつある日本人が、黙っているわけはない。

紆余曲折を経ながら、どこかで、まったく異なるパースペクティブが得られない限り、極東の核戦争危機は煮詰まっていって、日本が列島ごと廃墟になる可能性は、残念ながら、かなり高いだろうとおもわれる。

どこで、この不可逆的にさえおもえる政治状況ができてしまったのだろう?と考えて振り返ると、日本の人が民主党政権の極端な無能さに苛立って安倍政権を選んだ時点で事態は固定されてしまった。

政治では、ダメなものとよりダメなものがふたつ列んでいるときに、比較的にマシだからという理由でダメなものを選択してしまうのは、よくあることではあっても禁忌で、そこが選挙を媒介にした民主制が生き延びていけるかどうかの要というか、ダメと、よりダメを比較している自分の視座のほうを動かすしか方法がない。
選挙の前に、仮に自分が投票しなかったとして選挙後の政治地図がどうなるかを予測して、それが少しでも自分が「こうなって欲しい」と願う政治地図になるために投票行動をとることを「戦略的投票」と呼んだりするが、到底そんなことで追いつかなければ、急激な俯瞰の転換を求めて、通りにでて叫び、事態が絶望的な場合は暴力革命を志すことすらある。
もっとも自由主義革命の母であるフランス革命が無惨な失敗に終わったことでも判るように、革命がうまくいく可能性はひどく小さくて、歴史上ゆいいつ上手くいった革命はアメリカの独立革命で、これは圧政者がイギリスという外国だったからうまくいったのだが、図式をあてはめると、日本が中国に支配される事態が起きれば、そこには革命がうまく成し遂げられる可能性もあるのかも知れません。

日本の場合は、歴史的にも、文化の本質においても、世界に例をみない、「骨の髄まで」と言いたくなるほどの天然全体主義社会で、民主的に日本を運営していくチャンスがあったのは実像とは似ても似つかない「頭がおかしい宰相」にされてしまったせいもあったが、やや理想主義的に官僚の利権と正面から衝突して、たちまち弾き出されてしまった鳩山首相くらいで、頑張って踏み止まって、政権を支持しつづけるくらいのところに日本に民主社会が実現される可能性があったのだろうが、ちょうどその頃日本にいた自分の経験からいうと、現実には到底起こりえなかったことで、やはり民主制みたいなものを軍人が他国の社会に鋳型として押しつけても、肝腎なところでうまく機能しない。
表面の型をなぞって、その根底にある精神に至るのは、難しいというか、つまりは不可能なのかも知れない。

そうやって考えると、いまの日本が迎えている危機は、要するに寸法の直し方すら教えてもらえなかったお仕着せの服が、身体にあわなくなって、社会ごともともとの全体主義的文明に回帰する過程で生まれた必然なので、考えてみれば当たり前だが、日本人が自分の頭で考え直した自分たちの社会へ作り直していく以外には、戦争の危機回避も含めて方法はないのかもしれません。

中国の若い人などは言葉にしてはっきり「西洋のモノマネしか出来なかった国の悲劇」だと日本のいまの状態を論評していたが、おかしなことをいうと、この人は天才的な頭脳の持ち主だが文学も美術も興味がないひとで、日本の文学と美術とから日本に近付いていったこちらとしては、全面的には肯定できないところがあるとおもう。
そのときは、相手が美術と文学にはまるで関心がないのを考慮して、日本の数学者たちの仕事を例に日本文明の独立性について説明したが、納得したような、しかねるような、曖昧な顔をされて終わってしまった。

やっと日本語で意味が通じることが書けそうな程度に日本語学力?が回復してきたので、ここから、だいたい2025年くらいまでの日本をめざして、日本がダメになった理由、日本がどうすればまた独立性をもった文明として繁栄していけるか、日本語学習者として考えた事をここに書いていこうとおもっています。

うければ、どんどん書くし、うけてないなとおもうと中断して、お話しがどっかへ行ってしまって、本人は遊びにいってしまうのは、いつものことなのだけど

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3 Responses to 2025年の日本めざして

  1. いまりん says:

    日本人の中で、特別無知な部類に属するわけでないつもりで居ましたが、トラウトマン工作すら知らない自分。
    ガメさんの視野での観察と思考をとても読みたいです。
    つまり、うけているから、続きを書いてねと言う、お願いです。

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  2. きはら says:

    是非とも、ガメさんが考えたことを、全て書きとどめてください。

    8年後か。今すでに、いつ死んでもおかしくない年齢に達している僕は、2025年を迎えることが出来ないかも知れない。けれども、僕の子供たちは、おそらく、生き延びているだろう。そう期待したい。彼らに、日本語練習帳を読むように遺言しておきますので、是非、書いてください。

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  3. oniku says:

    相変わらず、時間軸と空間の広がりとつなげてくれるガメさんの文章は優しくていいなあと思います。佐久が地域医療よしというのがツボ。長野は地域医療が良い街がいくつかあるよね。
    私は、日本の競争社会ど真ん中育ちなのに帰国子女ですか?としょっちゅう言われ、ニューヨークがやたらと居心地がよいような人間だけど、1月に引っ越した標高1000m前後の地域はとても暮らしやすいよ。なんか似たような感じの移住者が多いの。直感頼りに突然移住したけど、そうやって鼻が効く人が集まってきてるのかもしれません。

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