My Blue heaven

数の感覚がある人ならば、伝えられる数字を聞いて、一般に言われているのとは異なって日本の労働人口ひとりあたりの生産性は意外と高いことに気が付くはずです。
日本の労働人口は、多分、6000万人を少し越えるくらいだと思うが、それでいて、ひとりあたりGDPが22位〜25位をうろうろしているということは、非労働人口の多さをおもえば、ひとりあたりGDPがちょうどおなじくらいのニュージーランドのような国に較べて、かなり労働者の「生産性」が高いことは、今度は、特に数字に明るくなくても、直観的にわかりそうな気がする。

それに加えて、日本の文化や社会に興味がある人ならば、苛烈、と表現したいほどの男女差別のせいで、女に生まれると、さまざまな形で、人間としての能力を十全に発揮するのは無理だ、というか、もともと人間としての能力のうち、社会性がある能力は男に較べて劣っているのだ、と徹底的に刷り込まれるので、6000万人の労働人口のうち、2000万人程度は、ほとんど産業社会から見ると予備戦力で補助的な労働しか期待されていないので、残り4000万人の個々の労働者の生産性は、思いのほか高いのが数字を眺めているだけで判ります。

ここで「生産性」というと聞こえがいいが、日本にいるときに現実に見聞した観察の結果を述べると、その正体は途方もない長時間労働で、朝起きてから寝るまで、家にいるときも職場にいるときも、仕事仕事仕事の毎日で、生活が仕事一色で、
個人の生活は抛擲して、兵士のように労働に邁進する、人間性を代価に給料をもらっているようなひとびとで日本の経済は成り立っているのだと考えられる。

21世紀も2割近く22世紀に近付いて、勤勉が国是のようなドイツ人ですら午後3時や4時という時間に帰宅する世界で、日本では午後8時9時になっても職場に灯りが灯り、長時間労働の疲労を癒やすために、オアシスにたどりつく砂漠の民のようにして居酒屋で終電までを過ごしたりする。

この頽廃は、百年一日、なんの工夫もないマネジメントと、そのマネジメントに口を出すことを許さない、ゆるぎない天然全体主義の国風から来ているが、個々人を十分やすませることによって労働の生産性を高めていこうとする西洋諸国と、真っ向から反する行き方で、個人は押し潰されて、社会全体から個人主義がしめだされて、個人主義の喪失が社会全体に蔓延する苛立ちとなって、善意までもが社会のマネジメント側に消費されてしまう、という未曾有の事態に日本は立ち至っている。

解決策は判っている。
国策で吊り上げた日経平均が3万になろうが4万になろうが経済の背骨がしゃんと伸びる可能性はゼロで、まず労働人口が2割程度増えて7000万人を越えなければ、日本の経済は立ち直れない。
日本の政府は、戦前の経済小国時代を崇拝する退嬰的な発想の政府らしく、産めよ殖やせよ、で、そのうち役人が若い妻がいる新婚家庭を訪問して、国民の義務として、夜伽の相手をさせそうな勢いだが、よく考えてみると、それではもう間に合わなくなっているはずで、衆目の一致するところ2025年を目安に、遅かれ早かれやってくる財政破滅に間に合わない。
今年になって、どんなのんびりな人の目にも明らかなほど、税の取り立ては、酷吏という言葉そのまま、苛斂誅求を究め始めて、おめこぼしはしない、の税徴収の隙間埋めから、自民党にとっては禁忌だった富裕層への重課税案まで、目白押しで、財務省の危機意識が見てとれるが、なにしろ信用を失っているので、国民のほうは「なあに、あれも、誇張された危機で、ほんとは財政危機なんてありゃしないのさ」と述べる人までいる始末で、傍目には断末魔の様相で、もうあまり時間が残っていない。

養うほうと養われるほうの数字のバランスからいえば、実効性のある対策はふたつで、移民の大量受け入れか、年長世代の集団自殺か、どっちかしかないように見えます。
働かざる者食うべからず、と言うではないか、退職して仕事をしない年長者は絶食して、すべからく即身仏になってもらえばよい、というわけにはいかないので、
つまりは移民の大量受け入れしか解決はないわけだが、火急の要に見合うだけの移民数でも、どう考えても一千万人は必要で、移民の受け入れを奴隷の輸入とあんまり区別できないでいる日本社会の現状で、日本の伝統社会の完全放棄を意味するに違いない移民の大量受け入れがやれるかとなると、やれるかどうか。

次いで早急にすすめなければならないのは、女の人びとの同権化と社会的な洗脳から女の人たちの思考を解放を解放する努力だが、これは社会の側にほんとうにやる気があれば、すぐにでもやれて、即効的な生産性への効果がある。
例えば役員や管理職の半数は女性でなければならない、というような男の側から「逆差別だ」と激しい反発が起きるくらいの法制をつくることが出来れば、多分、数年で社会の生産性は劇的に上昇するのではないか。

運悪く、いまの日本の政権は、国民の評判は上々で、なんどスキャンダルを起こしても、よほど品性や功利主義のありかたの点で日本の国民性にぴったりあった政府で、支持はゆるぎなくて、傍目には余計なことしかやらない内政も外交も、やはり支持されているので、多分、根本的な策を打ち出せないまま、2025年には労働人口がさらに1割減少して、静かに破局を迎えることになりそうです。

どうにもならないなら、ほっとけばいいじゃないか、というのは、尤もな意見だが、一応、遠くから見ていると、「いまからでも、こうあることが出来た日本」を書き留めておくのも、まるきり意味がないことではないだろう、と考えます。

まさに労働人口に該当する個々の、特に男の労働者にとっては、日本の不振は腑に落ちないことで、外国で就労した日本人たちに「おまえの働き方が悪いんじゃ、ボケ」と言われるたびに、憤慨して、しかし聞いてみると、向こうさんは労働時間も自分達より遙かに短く、自分が常々悩まされているバカなミーティングも最小で、仕事の邪魔をするために、でかい机の前でふんぞり返っている本来ならば神社に祀ったほうが相応しいような古色蒼然とした管理職からも自由で、言い返すこともできず、しまいには「出羽守」だのなんだのと、みっともないくやしまぎれの罵詈雑言を弱々しくつぶやくだけという状況に至るのはなぜかというと、彼が感じているように、彼自身から見れば、自分は子供のときから「こうするのがよい市民なのだ」と教わったとおりに生きてきて、精一杯がんばって、なんだかぼんやりして、大脳全体が毛布にくるまっているような、実は、その状態はすでに精神的疲労から病に陥っているのだけれども、気づきもせず、いいとしこいてアニメやアイドルに救いをみいだして、言われたとおり、がんばりにがんばって、挙げ句のはてには、「おまえの労働の仕方は後進的で、なっちょらん」と言われて、目もあてられないありさまだが、その原因は実は、最も根本的には労働人口が減って非労働人口が増えている、という誰でも知っている現実が、ほとんどすべてなのだ、と実感したら、どうおもうか、
知っていることと、自分とその現実がどうつながっているかを理解することは、昔から言うように、まったく別のことで、気の毒ともいえれば、バカなことだともいえて、あちこちにいろいろな、さして重要でもない社会の低生産性の原因を見いだす努力をするくらいなら、もうすでに判っている、不振のおおかたをなす原因、人口減少への対処、性差別の撤廃、…に集中すればよいのに、と思うが、問題に正対するのは、なかなか難しいようで、どうも日本は産業経済的には、しばらくあかんかなあーと、ときどき、投資家頭になって考えているところです。

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2 Responses to My Blue heaven

  1. せいでんき says:

    いつもいつもありがとう。
    いつか立ち直るかもしれない未来の日本人が、ここを読んでなにか学ぶかも知れない。
    その日のためにあと50年くらいは残しておいてください。

    ところで全然関係ないんだけども、柿とモッツァレラチーズを生ハムで包んで食べるとめちゃくちゃおいしいので試してみてください。
    そちらに日本で売ってるような柿あるのかどうかわかりませんが、柿食べたことないとお聞きしたのでこれだけは伝えたかった!

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  2. oniku says:

    このエントリー、内容に合わせて文体のリズムが面白いのが好き。キツい内容の現実分析を包み込むような、読んだ時の不思議な心地よさが、いいなあ。

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