世界の文様2018 その1

金正恩にとっての最大の決心は習近平に恕(ゆる)しを乞うて、中国に臣従を誓ったことだろう。
ちょうど、日本がアメリカの核の傘の下にあるように、北朝鮮も中国の傘の下に入るのは、習近平と人間的に反りが合わない若い独裁者にとってはおおきな決心だったに違いない。

平昌オリンピックという機会をうまく捉えて、驚天動地の外交をやってのけた文在寅が生みだした流れに乗って、まるで木霊が呼び合うように、金正恩が演じてみせた、「わかりました。それなら、こちらも中国と話をつけて、後見の憂いをなくしましょう」という阿吽の呼吸の外交は見事なものだった。

どちらの指導者も、素晴らしい外交感覚と若々しい機敏さで、目前の、秒読みであった核戦争の危機を避けてみせたのは、世界中の外交雀をどよめかせた。

アメリカとの現状での力学を詳細に解説してみせたのは習近平のはずで、金正恩を通じて、中国の国家機密を含む分析と国家意志は、文在寅にも伝えられたはずである。

この立場と利益がそれぞれ異なる三者の気持ちに通底しているのは、トランプという政治家としてはまったくのアマチュアで、しかも情緒が安定しない感情的になりやすいテレビタレントが大統領になって、わざと混乱を引き起こして、東アジアの混乱を便宜にアメリカの利益を伸長しようとするのを見て、うんざりして、
アジアはアジア人のものでなければならない、と強く感じ始めたことであるのは、見ていて気が付かない人はいないだろう。

具体的な内容がなにも決まらないで、米朝間は、「とにかく仲良くしようね」の、およそ無内容な一歩を踏み出すことになったが、そんなことは日本とアメリカの、頭がぼんやりした指導者たちは別にして、習近平や金正恩、あるいは文在寅にとっても、「多分、そうなるだろう」と判っていたことで、それはそれで十分で、この先に見えている、どの選択肢も、アメリカをうまいこと東アジアの政治的パワーとして、排除してゆく方向に向かっている。

無責任な政治予想屋でもなければ、この先を述べる必要はない。
この先の可能な未来の領域には、中国による台湾併合、統一朝鮮へのゆっくりとした歩み、北朝鮮への投資の流入による経済発展などが確からしいこととしてあるが、混乱を引き起こすことが唯一の方法論であるアメリカの大統領が、内政上の理由から突然北朝鮮か南沙を襲いでもしないかぎり、戦争はなくて、ヘンな言い方だが通常の対立・競合の関係に入ってゆくことになる。

もう少しドラマティックな言い方をしたければ、文在寅は、朝鮮民族にとっては1910年以来、中国にとってはアヘン戦争の時代以来の、外国勢力の容喙につよく左右される東アジアの悲劇が、ようやっと終わりになるドアを開いたわけで、
未来の歴史家は、アジアの真の独立を助けた政治家として、この小柄な人を記憶することになりそうです。

アメリカのFRBに続いて欧州のECBも量的緩和を年内に終了することを決定した。
当然、市場の声は、「いくらなんでも遅すぎる」だったが、適任とは到底いえないマリオドラキですら、到頭、という言い方もできるわけで、これで量的緩和→利上げと向かう市場の潮流は、やっと道筋が目に見えるものになってきた。

これから、おっかなびっくり、数年をかけて公定金利を上げて、立ち上がるのもやっとの贅肉がぶよぶよついた市場を健康体にもどすために世界中が努力していくところだが、中国から大量のアメリカドルが流入しつづけて、しかもその流入先が不動産やなんかの一部資産に偏っている英語社会にとってはたいへんな作業で、例えばニュージーランドでいえばGDPをうわまわるホームローン市場は、金利が3年内に2%もあがってしまえば、たちまち瓦解する。

前にも書いたように、最大都市オークランドでは夫婦がふたりともキャリアを驀進しているような共働き家庭でも、収入の65%がホームローンの支払いに消えて、倉庫係とスーパーマーケットの店員というようなカップルになると、片方の収入の90%以上が家賃に消える。

つまりもう爪先立ちで、ふらふらしながら、めまいに耐えて生活しているようなものなので、ひとによっては新聞誌上のような場所で、金利が1%上昇すれば、それで経済全体が崩壊するだろう、と述べる人もいる。

先週、ニュージーランドは、政府が銀行と共同で、「来年は利上げが始まる年になるから国民は準備したほうがよい」と国民に対して警告をおこなった。
一見、別個に、めいめい判断して警告がなされたようにみえるが、ニュージーランドではいつものことで、混乱を避けるために、連絡をとりあって、国民に準備させようとしたのであることは、ニュージーランド人なら、誰でも知っている。

経済上は、そういう言い方をすれば、世界中の先進国が、いわば慢性成人病を脱して健康体になるための金利の正常化へ向けて体力をつけようと準備しだしているわけで、無論リスクはあるが、避けて通れるわけがない必要なことなので、そうですか、ほんじゃ、がんばるべ、以外には各国の市場が述べられることは少ないようにおもわれる。

えええー、日本が出てこないじゃん。
日本も経済大国じゃないの?
と、いいとしこいて、ほっぺをふくらませた、そこのきみ!
きみは正しいが、日本の政府や中央銀行がなにをやっているのか、みんな、わからないんだよ。
アベノミクスで、「異次元の」量的緩和から出る出口を塞いでしまったのは、2015年くらいにインフレが2%に達して、ゆるやかなインフレ基調になると黒田総裁も安倍首相も「100%」確信していたからで、なにごとも100%はよろしくなくて、ツーストライクから満腔の自信をもって棒球(のはずだった)をフルスイングしたら、盛大に空振りをしてしまった。
ストライクをコールするアンパイアをふり返って、「おまえ、バカじゃねえの?
野球をしらないのかよ。いまのはハーフスイングだろうが」と述べてみたが、アンパイアは「「野球じゃどうかしらんけど、ベースボールじゃ、ああいうのは空振りというのよ。はい、ストラックアウト!」
と言われてしまっている。

あるいは、子供のときから神童であったと同級生が口を揃える黒田総裁が、神の啓示かなんかがあったかなにかして、有り金をルーレットで35-黒に賭けたら、神童の深い洞察を理解しなかった愚かなルーレット台が、7―赤に玉をいれてしまった。

そこから先は、世界中が知っているように、赤に賭けて玉が黒に入れば、傍らにうやうやしく立っている日本国民のポケットに手をつっこんで目の前の株価チップを高く積み上げて、勝った勝った、また勝った、勝たでもいいのに、また勝った、をつづけて、賭博の勝ちを演出しにかかったが、いかんせん、ふと気が付くと、親友の安倍首相と自分とふたりしかテーブルに残っていない。

さびしいね、と話しあっていたら、離れたテーブルから外国人たちがやってきて、
「いつぞやは稼がせてくれて、ありがとう。きみたちの博奕のやりかたは正しいんだよ。でもルーレットでは挽回は難しいから、こっちに来て、一緒にバカラをやらないかい?」と物腰もやわらかく、虎視眈々と、日本に残る有り金を狙っている。

なんだか経済のことばかり長々と書いてしまったので、ほかのこと、ロシアのヨーロッパへの攻勢、中東、社会、軍事、文学、…は、ぜんぜん書き及べないことになってしまったが、まあ、また続きは、よろよろと気が向いたときに書きます。

外交については、一般の人間としては、例えば北朝鮮とアメリカの会談が、アメリカや日本のマスメディアが言うように、まったくの無意味なものなのか実質が伴ったものなのかは、実はイラン政府の反応をみればわかるというように、外交バランスのパワーセンターを注意深く連関させてニュースを見ているだけでも、かなりのことがよく判ります。
インターネットの時代なのでKGB幹部である必要はないのね。
そのうえに、歴史性、例えば、歴史的な対立関係から、ロシアの真の事情をよく知っているのはスウェーデンでありフィンランドで、フィンランドは知っていても黙っている傾向が強いので、スウェーデンが指標としてはわかりやすいが、というような常識が身に備わっていれば、
あの国は、男女を対象とした徴兵制を始めたでしょう?
戦争になったときの具体的な応召方法や避難方法を盛んに啓蒙しはじめている。
スウェーデン人というものを、友達として、ボーイフレンドガールフレンドとしてでも知っていれば、あのひとたちは伊達や酔狂や、成層圏を横切るミサイルの下で頭を抱えてうずくまる剽軽な恐怖心をもつひとびととやなんかとは異なる心性の持ち主が揃っているので、つまり、現実の脅威が迫っていると判断しているから、臨戦態勢に国をもってきている。

もうひとつ、こちらは歴史的に「戦争? 戦争なんて、むかしのもんでしょ?
なに言ってんの? 頭おかしいんじゃない?」と言っていたら、次の年にはもう自分の国の大陸遠征軍がダンケルクというたいしておおきくもない町の浜辺においつめられて、もうちょっとで大虐殺+集団投降の憂き目にあって、そのあとも、文字通り24時間必死に武器と兵器をつくって、アメリカに助けてもらって、やっとこさ国土を占領されないで済んだイギリスという、やはり北海文明圏のマヌケな国があって、
これもロシアのターゲットになっている。

なぜかって、ほら、狼は群れから離れて無防備な鹿を狙うでしょう?
Brexitという、大陸欧州の金融や環境問題における硬直性を嫌うあまり、安全保障を完全に失念した平和ボケ政策を国民投票で決定したイギリスは、トランプで縮んだアメリカの影響力喪失と相俟って、完全に孤立していて、KGB的なロシアの他国への干渉政策に、もってこいのターゲットになっている。
最終的な目標は連合王国の金融機能の支配だが、近年のイギリス人の国民性の変化をみると、案外、これはうまくいってしまうかもしれません。

わかりました。
世界は、どんどん変化するのね。
じゃ、ぼくはどうすればいいの?

ま。
紅茶でもいれて、だめだぞ啜っちゃ、味噌汁じゃないんだから、と自分に言い聞かせながら、とりあえず英語くらいは日本語とおなじ楽ちんさで読みこなせないとどうにもならないので、英語のニュースを、せめて一日に20個くらいは読んでみたらどうでしょう?

テレビをテラスから外に投げ捨てちゃえば、そのくらいの時間は生まれて、お釣りがくるでしょう?
捨てるまえに、下に人が歩いてないかどうか、みないと危ないけど。

でわ

This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

コメントをここに書いてね書いてね

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google photo

You are commenting using your Google account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s