50 beaches

NZ出身の世界的なデザイナーKaren Walkerは、アメリカ雑誌のインタビューで何故活躍の主舞台がNZ外の世界に移ったいまでもオークランドに住んでいるかを訊かれて「オークランドはbeachの町なのよ」と述べている。

タカプナ・ビーチのように誰でもが知っているビーチもあれば、ここでは名前は書かないほうがいいとおもうが、ワイヒキ島を初めとするハウラキの島にあるオオガネモチがヘリコプターで訪問するビーチがある。

一方にはKaren Walkerが悪戯っぽく笑って述べる、「わたしの秘密の浜辺」と呼ぶような、小さな、見つけるのがたいへんなビーチもあります。

ほら、この世界のどんなことでも、視点を変えると、まったく異なって見えること、というのがあるでしょう?

オークランドは、街として、視点を移動させて、異なるところから眺めると、まるで異なって見える街の典型で、陸地だけを移動して眺めると、どこから見ても「ポケット版都会」だが、船を出して、海の上、ハウラキガルフから、海に付属した街として眺めると、海から派生した、世界でゆいいつの都会で、陸上にあるのに、海の都会とでも呼びたくなる街である。

ポリネシア人たちの夢は、オークランドに出て、自分達が「ポリネシアの首都」と呼ぶオークランドで幸福な暮らしをすることで、いつかその話をしたら「ポリネシアの首都www」と冷笑する失礼なひとびとがいて、びっくりしたが、当のポリネシア人たちやニュージーランド人たちは、海の民が「ポリネシアの首都」と呼ぶことに誇りをもっていて、この小さな都会が、世界でゆいいつの「海の民の都会」であることを特別なことに思っている。

モニとわしはレミュエラというところに住んでいるが、歩いて5分くらいのところにはホブソンズ・ベイという湾口があって、ここは、マングローブが繁茂する内陸湾です。

マングローブを縫って、木製の散歩道が隣のOrakei Basinまで続いている。

モニとわしは、レミュエラのクリケットグラウンドの草クリケットを、ポットの紅茶を飲みながら観戦するのに飽きると、クルマにピクニックバスケットを戻して、ボードウォークを歩いて、3キロくらいか、隣のBasinまで歩いていきます。

いつか、この話を書いたら、ああ、わたしもおぼえている、なつかしい、と述べる日本人の女の人がいたが、このOrakei Basinは、「千と千尋の神隠し」に出てくる水を渡る電車にそっくりの線路があるので有名で、特に満潮のときには、線路が海面にひたひたで、まるで映画から抜け出してきたように、ついこのあいだまではディーゼルで、いまは電車になったCBD行きの電車がヘッドライトで水面を照らしながら走っていく。

オークランドの人気があるカフェは、朝の5時半から開いている。
いまはスイス人の家族にビジネスを売って、どこかへ行ってしまったが、むかしタカプナで「ラテン・クオーター」というカフェをやっていた家族は、
「店がいちばん混むのは午前6時前ですね」と述べて、どうかすると午後4時くらいまで眠りこけているモニとわしを、びびらせた。

でも言われてみると、オークランドのビーチは、どこも、晴れた夏の朝には、午前5時には人が混んでいて、なるほどとおもう。

モニさんとわしは、もとより、そんな早起きは望むべくもないので、猫さんたちや小さい人々に起こされて、渋々起き上がる午後に、朝食を食べて、夜になってから、家から近い、例えばミッションベイやコヒマラマ、セントヘリオスの浜辺へ出かける。

あるいはマリーナへ直行して、ボートを出します。

ボートを出すと、向こう側には、最近はすっかりバブルで明るくなったオークランドのCBDの町並が見えて、子供に返って、友達が住んでいる高層アパートの灯りを特定して、「おお、灯りがついているね」
「灯りがいま消えたのは、最近の愛人の噂からして、怪しいのでは」と、nosyな悦びにひたっている。

そうして、真夜中になって、ワインが2,3本からになって、吊り上げた鯛やヒラマサをグリルして、夕食を終えると、沖に錨を下ろして、むかしの海賊よろしく、ディンギイを出して、そおっと浜辺に上陸する。

真っ暗で、誰もいない浜辺で、モニさんとわしと裸になって立っていて、自然と近しい生活をする自分達の幸運を祝福します。

内緒だけど、誰も来るわけがない真の闇の浜辺や、ボートの甲板でお互いの肉体に深入りする解放感を、きみにうまく説明する言語を、わしは持っていない。

月のない夜の空には、莫大な星空が広がっていて、この記事では何度も述べた、南半球に特徴的な頭上を横切る、神様が馬車で通ったばかりとでもいうように煙りたったミルキィウェイが空を横切っている。

誇張でもなんでもない瀑布のような星の光で、人間という生き物が、本来、どんなものを目撃しながら自分たちの文明を育んで来たかが判ります。

なんだか少し疲れた顔で、目の下に隈をつくったような、途方もなく美しい横顔のモニさんが、服を身につけながら、
「ガメ、寒くなってきたから海に帰ろうぜ」と述べている。

わしのほうはモニさんが無意識に言葉にして述べた「海に帰る」というアイデアがすっかり気に入って、ディンギイを用意している。

ホンダの2馬力。
赤と緑の航海灯を頼りに沖に舫っているボートに戻る。

別に、そんなことばかりやっていても、日本語で、きみに話しかけることをやめやしないけど。

まだ、もうちょっと、話していたい。
海から浜辺の人に話しかける言葉で。

日本語という、この美しい言葉で。

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ver.6 https://leftlane.xyz もあるよ
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